【完結】悪役令嬢と自称ヒロインが召喚されてきたけど自称ヒロインの評判がとんでもなく悪い

堀 和三盆

文字の大きさ
44 / 64
リリーside

10 大好きな人の色

 それからの日々はあっという間だった。最初はギャル達とみんなで遊んでいたけれど、徐々にユージと二人で会うようになっていって――。

 ユージは複雑な家庭環境らしく母親と二人暮らしだ。でも、経済的には一切困ってないみたいで、住んでいるところも着ている物も高級品ばかりだった。

 学校から賠償金代わりの生活費が出てるから私も少しはお金を出そうとしたんだけど、デート代はいつもユージが出してくれた。お陰で、余った生活費は化粧品や洋服を思う存分買うことができた。

 かっこいいユージの横に立つんだもの。やっぱり、自分も可愛くありたいじゃない。ダイエット食品も山ほど買って、体型維持にも勤しんだ。ユージは、そのままでかわいいよ、と言ってくれるけど。

 第一王子とは山ほどデートをしたけれど、所詮は異世界。デートスポットも限られる。買い物か、食事か、観劇か。

 それに比べてユージとのお出掛けは多種多様だった。遊園地に映画にプラネタリウムにetcetc……。

 異世界と現代じゃ娯楽の幅が違いすぎる。一緒に行きたいところが多すぎて、何をしても楽しくて。でも時間が足りなくて。
 とにかくユージと一緒にいたくて、学校もサボりがちになった。

 それくらい一緒にいたけれど、ユージとは付き合っているわけではなかった。だから、とっても清い関係。友達以上、恋人未満……そんな微妙な関係が甘酸っぱくてドキドキした。

 ユージ以外と過ごす時間がもったいなくて、イケメンランキング1~4の彼らとはとっくにサヨナラした。
 誤解されたくないし。それに。……それに。

 もう少ししたら会えなくなっちゃうんだもの。


 大好きな金髪に、大好きな紫の目。


 最初は第一王子に似ているから魅かれたのかと思ってたけど。今は、それを見てもユージのことしか考えられない。ユージの色だから好きなのよ。

 だけど、今更だけど、不思議に思った。この世界の人は黒髪黒目が多い。他の国の人は色んな髪色や目の色をしてるけど、ユージは顔つきもこの国の人なのに。

「ねえ、ユージの髪や目はキレイだけど、もしかして魔法で染めてる?」

 そう聞いたら天然ちゃんだって笑われた。こっちには魔法使える人がいないんだって。なるほど。確かに前世の世界でも魔術染めできる美容師さんは少なかった。そしてどうやらこっちには、その魔法すらないみたい。

 と、言うことは、ユージの髪の色と目の色は天然なのね。

 すごい。なんていう偶然。まさに、運命だわ。


 前世とあまりにも世界観が似てたから。文化が似てたから。そんな風にあまりよく考えずに判断してしまった。

 そのせいであんなことになるなんて。この時の私は想像すらできなかった。



あなたにおすすめの小説

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

救国の代償で白髪になった聖女、一度のミスを理由に「無能の戦犯」として追放される ~隣国の覇王に拾われ、愛され、奇跡の力を見せつける~

スカッと文庫
ファンタジー
聖女アリシアは、百年に一度の大氾濫から国を守るため、禁忌の魔力全解放を行い、単身で数万の魔物を殲滅した。その代償として、彼女の美しい金髪は真っ白な「白雪色」に染まり、魔力は一時的に枯渇してしまう。 しかし、その功績はすべて現場にいなかった「偽聖女セシリア」に奪われ、アリシアは「結界を一部損壊させた戦犯」「魔力を失った役立たず」として、婚約者の王太子ギルバートから国外追放を言い渡される。 「失敗したゴミに、この国の空気は吸わせない」 泥の中に捨てられたアリシア。しかし、彼女を拾ったのは、敵対国として恐れられていた帝国の「武徳皇帝」ラグナールだった。彼はアリシアの白髪が「高純度の神聖魔力による変質」であることを瞬時に見抜き、彼女を帝国の宝として迎える。 数ヶ月後。アリシアが帝国の守護聖女として輝きを取り戻した頃、王国では「一度きりの奇跡」だったセシリアの魔力が尽き、本当の滅亡が始まっていた。 「今さら結界が解けたと泣きつかれても、もう私の魔力は一滴も残っていません」

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!? 元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。

惨殺された聖女は、任命式前に巻き戻る

ツルカ
恋愛
惨殺された聖女が、聖女任命式前に時間が巻き戻り、元婚約者に再会する話。

私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか

あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。 「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」 突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。 すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。 オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……? 最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意! 「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」 さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は? ◆小説家になろう様でも掲載中◆ →短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます