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リリーside
21 因果応報
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「実は俺――医者から子供は持てないかもって言われてたんだ。そのせいで愛人を作ってまで自分の子供に会社を継がせたかった父親に後継者から外されて――。荒れたし、色々悩んだよ。だからリリーにもなかなか告白できなかった。でも、十年たって君に再会して、すぐに子供が出来たって言われたときは奇跡だと思った。自分の子供だったら嬉しいし、そうでなくても――それは運命なんだって。俺たちの子供が産まれた日、あのときの言葉は本心だよ。俺がわざわざ染めてまでなりたかった大好きな金髪に、紫の目。そんな子供が自分の元に来てくれたなんて、俺は運命だとしか思えなかった」
ユージはそう言うと笑った。
まさか、ユージが気付いていたなんて。でも――。
『運命』そう言われて、そうかもしれない、と思った。
私だってユージに運命を感じていた。あっちの世界でユージンを産んで、最終的にクリスに拒絶されて辛い思いをしたけれど、そんなときにもユージとの楽しい思い出が心の支えになって――。って、あら?何か引っかかる。あっちの世界でユージンを……ユージの子供……を……。
「……って、ちょっと待って! 私、ユージの子をあっちで産んだわ」
「え? まさか、そんなはず。奇跡でも起こらない限り」
奇跡。
その言葉を聞いて、私の止まっていた思考が動き出す。
そうだわ……そうよ!最初にユージと結ばれたあのとき、私は聖女だった。奇跡を起こす力を持っていた。痛いのが嫌だからと無意識に癒しの力を使っていたのかもしれない。そしてそれがユージにも影響を与えて……!
「ユージ、これは奇跡だわ! 運命……そうよ。私たちは出会うべくして出会ったのよ! 真実の愛がもたらした奇跡の出会いだったんだわ」
私は必死に説明した。今まで、変な子だって思われたくないから聖女や異世界のことはあまり話していなかったけど、包み隠さず今度こそ全部話した。
「聖女の力……。異世界で子供を……?」
「そうなの! だからユージンは……私たちの子供は異世界で王子として暮らしていたわ。隣国……、あ、いえ。その……色々あって最後は別々に暮らしていたのだけれど」
流石に政略結婚の駒にされたことは言い出せなかったが、これで伝わったはずだ。
そうよ!私達には既に子供がいたの!奇跡、運命、なんでもいいわ。なるべくしてそうなったのよ。貴方にはちゃんと血の繋がった子供がいる。
ユージンのことを話せば、きっとユージも喜んでくれるはず……!
そう、思ってたのに。
「ははは……そっか。俺の息子が異世界で王子様に」
困ったようにそう笑って答えるユージに違和感を感じた。
「あの……本当よ? 聖女とか異世界とか、信じられないかもしれないけど」
「うん、ありがとう。きっとそうだね。そう考えたら素敵だね」
気を遣ってくれてありがとう――そう言ってくるユージの言葉に気が付いた。
都合のいい嘘をつき続けていた私の言葉は、ただの慰めだと思われて、まったく信じてもらえなかったのだ。
どうにかして信じてもらおうと事あるごとに話を蒸し返したけどユージの反応はイマイチだった。それどころか、「そろそろ子供が帰ってくるからその話は……」とか何とか言って会話を打ち切ろうとする。
本当なのに。奇跡は、運命はあったのに。
どうしたら信じてもらえるの?
そんなすれ違いが続いて、彼との関係がギクシャクしてきた頃、思い出したのが――悪役令嬢の存在だった。
彼女のことは委員長から聞いていた。母親の出身国で生徒会長との結婚式を挙げたらしい。そしてその国というのが、ユージンが政略で送られた隣国。結婚式を挙げた後、彼らはこちらに戻ってきて生活をしている。つまりは、何らかの連絡手段を持っているはずだ。
私は再び悪役令嬢に助けを求めることにした。
ユージはそう言うと笑った。
まさか、ユージが気付いていたなんて。でも――。
『運命』そう言われて、そうかもしれない、と思った。
私だってユージに運命を感じていた。あっちの世界でユージンを産んで、最終的にクリスに拒絶されて辛い思いをしたけれど、そんなときにもユージとの楽しい思い出が心の支えになって――。って、あら?何か引っかかる。あっちの世界でユージンを……ユージの子供……を……。
「……って、ちょっと待って! 私、ユージの子をあっちで産んだわ」
「え? まさか、そんなはず。奇跡でも起こらない限り」
奇跡。
その言葉を聞いて、私の止まっていた思考が動き出す。
そうだわ……そうよ!最初にユージと結ばれたあのとき、私は聖女だった。奇跡を起こす力を持っていた。痛いのが嫌だからと無意識に癒しの力を使っていたのかもしれない。そしてそれがユージにも影響を与えて……!
「ユージ、これは奇跡だわ! 運命……そうよ。私たちは出会うべくして出会ったのよ! 真実の愛がもたらした奇跡の出会いだったんだわ」
私は必死に説明した。今まで、変な子だって思われたくないから聖女や異世界のことはあまり話していなかったけど、包み隠さず今度こそ全部話した。
「聖女の力……。異世界で子供を……?」
「そうなの! だからユージンは……私たちの子供は異世界で王子として暮らしていたわ。隣国……、あ、いえ。その……色々あって最後は別々に暮らしていたのだけれど」
流石に政略結婚の駒にされたことは言い出せなかったが、これで伝わったはずだ。
そうよ!私達には既に子供がいたの!奇跡、運命、なんでもいいわ。なるべくしてそうなったのよ。貴方にはちゃんと血の繋がった子供がいる。
ユージンのことを話せば、きっとユージも喜んでくれるはず……!
そう、思ってたのに。
「ははは……そっか。俺の息子が異世界で王子様に」
困ったようにそう笑って答えるユージに違和感を感じた。
「あの……本当よ? 聖女とか異世界とか、信じられないかもしれないけど」
「うん、ありがとう。きっとそうだね。そう考えたら素敵だね」
気を遣ってくれてありがとう――そう言ってくるユージの言葉に気が付いた。
都合のいい嘘をつき続けていた私の言葉は、ただの慰めだと思われて、まったく信じてもらえなかったのだ。
どうにかして信じてもらおうと事あるごとに話を蒸し返したけどユージの反応はイマイチだった。それどころか、「そろそろ子供が帰ってくるからその話は……」とか何とか言って会話を打ち切ろうとする。
本当なのに。奇跡は、運命はあったのに。
どうしたら信じてもらえるの?
そんなすれ違いが続いて、彼との関係がギクシャクしてきた頃、思い出したのが――悪役令嬢の存在だった。
彼女のことは委員長から聞いていた。母親の出身国で生徒会長との結婚式を挙げたらしい。そしてその国というのが、ユージンが政略で送られた隣国。結婚式を挙げた後、彼らはこちらに戻ってきて生活をしている。つまりは、何らかの連絡手段を持っているはずだ。
私は再び悪役令嬢に助けを求めることにした。
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