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リリーside
24 その後の話――生徒会長視点1
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「あの、お呼び立てしてすいません。リリーさんのご主人ですね。実は、お渡ししたい物がありまして」
その日。俺は自称ヒロインの旦那さんを喫茶店に呼び出していた。目の前に現れた金髪に紫の目の男を見て一瞬ギョッとするが、事情を聞いているので彼が見た目ほどチャラくないことを俺は知っている。
まあ、見た目と中身が一致しないのは高校のクラスメイトだったギャル達で慣れている。彼女らは情が深いし意外としっかり者だった。あときれい好き。
正直、自称ヒロインに関わるのは面倒くさかった。しかし、愛する妻からのお願いだ。引き受けたからにはやらないといけないし、こちらから頼んだからにはあちらからの頼まれごとも引き受けるべきだろう。
「これ、あちらの息子さんからの預かりものです。異世界の映像を映す魔道具です。ただ、コレを渡す前に契約を交わす必要があって……」
俺は説明をした。契約内容は半年ほど前に自称ヒロインに提示したものとほぼ同じ。わずかに違うのは、条件は『奥さんと一緒に見ること』だそうだ。同じくチャンスは一度きり。
その後の自称ヒロインの状況は知っている。あれからヴィーナのパート先に何度も現れているらしいから。そのたび「もう一度チャンスを」と、伝言という形で俺に頼んできている。決して応じはしなかったが。
あちらと連絡を取ったのはこの俺だ。元オカルト研究会の手を借りて、直接、自称ヒロインの息子と話をした。彼はこうなることをハッキリと予想していた。一瞬、ヴィーナが持っていたのと同じ予言の力かと思ったが、男はたとえ力を引き継いでも聖女の力を使えないらしい。と、いうことは彼自身の経験による判断だろう。自称ヒロインの息子が親元を離れた歳を考えるとちょっと切ない。
彼は父親に関心はないが、自分も親になって少しだけ親の気持ちが理解できたから……と言って、ちゃんと父親の分の水晶も用意していた。そして、自称ヒロインとは時間差をつけて渡すことを頼まれた。「母親には寂しい思いをさせられたのだから、このくらいの仕返しはしてもいいでしょう?」と、寂しそうに笑っていた。
それでも父親経由で許しを与えるのだから優しい子に育ったのだなと思う。
「契約を交わすのなら、このペンで、ここに署名してほしい」
まるで怪しい勧誘のようだと思いながらサインを求めると、意外なことに警戒することなくサインをしてくれた。しかし、なぜか受け取ろうとしない。
「その……お願いがあるんです。魔道具……でしたっけ。これを、しばらく預かっていただけませんか?」
真剣に頼んでくる様子を見て、多分そうだろうな……と思っていた予想が確信に変わる。だって、そうだろ。目の前の一見チャラい男は、異世界だ、魔道具だ、そんな荒唐無稽な話を茶化すことなく真面目な顔で聞いていた。間違いない。
「旦那さん……そもそも奥さんの話、疑ってなんかいないでしょう? 最初っから信じていますよね?」
俺の指摘に、自称ヒロインの旦那は困ったように笑った。ああやっぱり。面倒なことに巻き込まれてしまっていた。
その日。俺は自称ヒロインの旦那さんを喫茶店に呼び出していた。目の前に現れた金髪に紫の目の男を見て一瞬ギョッとするが、事情を聞いているので彼が見た目ほどチャラくないことを俺は知っている。
まあ、見た目と中身が一致しないのは高校のクラスメイトだったギャル達で慣れている。彼女らは情が深いし意外としっかり者だった。あときれい好き。
正直、自称ヒロインに関わるのは面倒くさかった。しかし、愛する妻からのお願いだ。引き受けたからにはやらないといけないし、こちらから頼んだからにはあちらからの頼まれごとも引き受けるべきだろう。
「これ、あちらの息子さんからの預かりものです。異世界の映像を映す魔道具です。ただ、コレを渡す前に契約を交わす必要があって……」
俺は説明をした。契約内容は半年ほど前に自称ヒロインに提示したものとほぼ同じ。わずかに違うのは、条件は『奥さんと一緒に見ること』だそうだ。同じくチャンスは一度きり。
その後の自称ヒロインの状況は知っている。あれからヴィーナのパート先に何度も現れているらしいから。そのたび「もう一度チャンスを」と、伝言という形で俺に頼んできている。決して応じはしなかったが。
あちらと連絡を取ったのはこの俺だ。元オカルト研究会の手を借りて、直接、自称ヒロインの息子と話をした。彼はこうなることをハッキリと予想していた。一瞬、ヴィーナが持っていたのと同じ予言の力かと思ったが、男はたとえ力を引き継いでも聖女の力を使えないらしい。と、いうことは彼自身の経験による判断だろう。自称ヒロインの息子が親元を離れた歳を考えるとちょっと切ない。
彼は父親に関心はないが、自分も親になって少しだけ親の気持ちが理解できたから……と言って、ちゃんと父親の分の水晶も用意していた。そして、自称ヒロインとは時間差をつけて渡すことを頼まれた。「母親には寂しい思いをさせられたのだから、このくらいの仕返しはしてもいいでしょう?」と、寂しそうに笑っていた。
それでも父親経由で許しを与えるのだから優しい子に育ったのだなと思う。
「契約を交わすのなら、このペンで、ここに署名してほしい」
まるで怪しい勧誘のようだと思いながらサインを求めると、意外なことに警戒することなくサインをしてくれた。しかし、なぜか受け取ろうとしない。
「その……お願いがあるんです。魔道具……でしたっけ。これを、しばらく預かっていただけませんか?」
真剣に頼んでくる様子を見て、多分そうだろうな……と思っていた予想が確信に変わる。だって、そうだろ。目の前の一見チャラい男は、異世界だ、魔道具だ、そんな荒唐無稽な話を茶化すことなく真面目な顔で聞いていた。間違いない。
「旦那さん……そもそも奥さんの話、疑ってなんかいないでしょう? 最初っから信じていますよね?」
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