【完結】それは本当に私でしたか? 番がいる幸せな生活に魅了された皇帝は喪われた愛に身を焦がす

堀 和三盆

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「…………ッ!」


 違和感の正体に気が付いて、ロイエの心臓は早鐘を打ち始める。

 そうだ……何で、どうして気にならなかった? ソレを忘れていられた??

 ロイエが外遊先で罪を犯したあの時、ヴィクトリアは同行していなかった。

 大事をとったのだ。既に腹に子を宿していたから――――。



 あの時既にロイエの子を妊娠していたヴィクトリア。

 外遊から戻った夫が番を名乗る女を連れ帰って、身重の彼女はどんな思いを抱いたのだろうか。

 理不尽な言いがかりをつけられて、あげく毒……を盛られ。夫から毒入りのそれを食べぬことを責められて。

 ああ、そうだ。ヴィクトリアはストレスから食べられなくなったのではない。子に影響のある毒を盛られ、食べられなくなったのだ。

 そうか……ヴィクトリアがロイエの番に毒を盛られたのはあの時だったのか。


 食堂に来なくなったヴィクトリアに食事は提供されていない。偽の番に誘導される形で『放っておけ』とロイエが言ったからだ。


 では、敵ばかりが雇われている城でヴィクトリアはどうやって食料を得ていた?
 子を宿す腹以外、骨と皮になっていたヴィクトリアの裸を見てあの時ロイエは何と言った?

 考えろ。
 冷静になって思い出せ。
 思い出せない悪夢に真実を紐解くヒントがあるはずだ。

 ロイエが正気を取り戻した時には豊富なはずの魔力を減らし、ガリガリになっていたヴィクトリア。
 生命を削り、摂れぬ食物の代替として腹の子のために自分の魔力を与えていたのは想像に難くない。

 そし…て――――。




 そうやって守った『その時の子』は?








「うわあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……っ!!!!!」





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