【完結】それは本当に私でしたか? 番がいる幸せな生活に魅了された皇帝は喪われた愛に身を焦がす

「ヴィクトリア、紹介するよ。彼女を私の妃として娶ることにした」

(……この人はいったい誰かしら?)

 皇后ヴィクトリアは愛する夫からの突然の宣言に混乱しながらも――――心の片隅でどこか冷静にそう思った。


 数多の獣人国を束ねている竜人の住まう国『ドラゴディス帝国』。ドラゴディス皇帝ロイエは外遊先で番を見つけ連れ帰るが、それまで仲睦まじかった皇后ヴィクトリアを虐げるようになってしまう。番の策略で瀕死の重傷を負うヴィクトリア。番に溺れるロイエの暴走で傾く帝国。
 そんな中いつの間にか性悪な番は姿を消し、正気を取り戻したロイエは生き残ったヴィクトリアと共に傾いた帝国を建て直すために奔走する。

 かつてのように妻を溺愛するようになるロイエと笑顔でそれを受け入れるヴィクトリア。

 復興する帝国。愛する妻。可愛い子供達。
 ロイエが取り戻した幸せな生活の果てにあるものは……。



※第17回恋愛小説大賞で奨励賞を受賞しました。ありがとうございます!!

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