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番外編
1 半兎獣人の不満
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半獣人のリエーヴルが産まれたのは王都の隅にある下町の一角だった。
兎獣人である母親は貴族の屋敷で働いていて、そこで屋敷の主人に見初められたらしい。
けれど、小国であるこの国の貴族は人間ばかり。獣人だったリエーヴルの母親との仲は周囲から反対され、また父親には既に正妻がいたことから母親は仕事を辞めてたった一人でリエーヴルを産んだそうだ。
リエーヴルはそれを聞いて驚いたが、一方で納得もした。リエーヴルの母親はキレイな人ではあったが、娘であるリエーヴルはそれに輪をかけて美しい。周りからもそうやって褒められるし、全ては貴族の血のなせる業だったのだ。
本当だったらリエーヴルは今頃キレイなドレスを着て美味しい物を食べて、たくさんの使用人に傅かれる豊かな生活を送っていたはずだった。
なのに、母親が勝手に身を引いてしまったせいで貧乏生活を強いられて、リエーヴルの貴族令嬢としての未来まで奪われてしまったのだ。
どうして父親に頼んで愛人にしてもらわなかったのか。
不満に思ったリエーヴルが母親にそう尋ねる度に、何故かすごく悲しそうな顔をされてしまう。酷い話だ。悲しいのは母親によって輝かしいはずの未来を奪われてしまったリエーヴルの方なのに。
兎獣人である母親は貴族の屋敷で働いていて、そこで屋敷の主人に見初められたらしい。
けれど、小国であるこの国の貴族は人間ばかり。獣人だったリエーヴルの母親との仲は周囲から反対され、また父親には既に正妻がいたことから母親は仕事を辞めてたった一人でリエーヴルを産んだそうだ。
リエーヴルはそれを聞いて驚いたが、一方で納得もした。リエーヴルの母親はキレイな人ではあったが、娘であるリエーヴルはそれに輪をかけて美しい。周りからもそうやって褒められるし、全ては貴族の血のなせる業だったのだ。
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