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1:輪廻転生、おいでませガムラン町
44:魔法使いの弟子(破戒僧)、修行生活いつかめ
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ヴッ――「うを!?」
ここは草原。
日課のE級採取クエスト中だ。
「どうしたのシガミー?」
「いやなんかいま、板っぺら……かぁどが震えた気が」
みせてみせて!
やめろ、ひっぱんな!
紐が切れちまうじゃねーか!
「LVが5になってる!」
おれの板っぺらに、とりつくレイダ。
子供のあたまはでけえな――なんて思ってると、まっ白く光沢のある顔までのぞき込んできた。
「それは、おめでとうございます。シガミーさま」
背中がわの服色以外は、銀色の髪までも、すべてが白っぽい。
陽のひかりで、かがやく全身はまぶしいくらいで――美の女神ってのは、こういうヤツのことを言うんだと思うんだがなあ。
「(上位権限により非公開です)」
「本日は、私がついていますので、森の入り口まで行ってみましょうか?」
おれとレイダのクエストについてきたリオレイニアが、そんなことを言い出した。
§
森の入り口には、頑丈そうな立て札がたっている。
見たことのない文字も、ちかごろは読めるようになってきた。
えーっと?
『このさき、危険につき冒険者以外の立ち入りを禁ず。
※LEVEL7未満の冒険者の立ち入りも禁ずる。』
なんて書いてある。そのよこを――
――どたどたどたた!
わき目もふらずに、足をふみいれるレイダ。
「やった! はじめて森に入った!」
レイダのLVは、たしか6だ。
「おれぁ、気づいたらあっちの岩場にいたから、ちょっとだけ森をよこ切ったことはあるなー」
「あのへんには、こわい魔物はいませんが、洞窟がたくさんあって、大人でも迷うことがございます。冒険者ランクD級か、LVが10になるまでは岩場に立ち入ってはいけません」
しろくほそい指先が、おれのちいさな手をつかむ。
「じゃぁ、まぐれあたりで町のほうに歩いて行って、おれぁ、いのち拾いしたな?」
「本当でございます。美の女神イオノファラーさまのご加護があったのでしょう」
やさしくあたまを抱えられた。
「(〝五百乃大角に加護〟なら、持ってるけどな)」
「(イオノファラーです、シガミー)」
§
「森に入れるなら、E級クエストの依頼を受けてくるんだったなー?」
ぼきりっ!
まるまるとふとった茸を、ねもとからむしりとる。
「採取クエストでしたら、納品の時にクエストを受ければ、きちんと達成されますよ」
「ほんとう!? じゃあ、羽根芋たくさんとりたい!」
「(イオノファラーの持つ情報に該当があります)」
迅雷は、うしろ頭に張りついてる。
採取クエスト中は、かんざしがわりに丸めた髪に刺してある。
その迅雷から飛びでる小さな|《くろ》い腕。
そのさきが目尻あたりまで、すっとのびてきた。
チカチカ光ったら、目の前にちいさなビードロ……ガラスの板が浮かんでた。
『羽根芋/
羽根のように大きな葉を持つ芋。
肉料理に最適な、辛みのある野菜。
肉を巻いて焼くだけでも、香辛料がわりになる。
芋の部分は、煮崩れするので料理にはむかない。』
「(イオノファラーのライブラリーへ接続しました)」
「(わかってる、めしに関することなら何でもわかるってこったろ?)」
「(はい……いえ、上位権限により非公開です)」
このおれだけにみえる板は、そとで図鑑のぺえじを読んだり、五百乃大角の情報を引き出せるから、便利だった。
だからクエスト中のおれの武器は、もっぱら小太刀だ。
「森のなかだと、この葉野菜もたくさん生えてやがんなあー」
草原にも時々生えてるから、みつけたら女将のところに持ってくけど、そんなにはない。
きのこ、いも。
いもいも、きのこ。
きのこきのこ、いもいも、きのこ。
ちょっとの時間で、結構たくさんとれた。
「(おれは薬草師だからな)――(はい。薬効成分のある植物採取が手早くおこなえます)」
「(迅雷、これくれえなら、ぜんぶ入るか?)」
迅雷がつくった編み袋に、ぎっちり一袋分。
「(はい、きのこも芋も組成は大差ありません。ですので草原の薬草をすべて刈りとったときと同程度までは、格納することができます)」
「そこまで沢山は、いらねえけど。足場が良いわけじゃねえから、しまっといてくれ」
「(了解しました)」
ヴン――うしろあたまが震えたら、口をしばった袋が消えた。
「迅雷がつくってくださった、この袋は、伸び縮みして、とても便利ですね」
ふりかえれば、美の女神が袋いっぱいの、きのこと芋をかかえてた。
そつがねえ……無駄なうごきがねえってことは、それだけ優秀だってことだ。
「それ、迅雷が預かるぞ?」
「はイ、リオレイニア。袋の口を閉じテください」
ヴン――格納される網み袋。
「収納魔法――そこまでめずらしいものではありませんが、やはりあると便利ですねぇ」
狐耳のお付き筆頭なら、仕舞う魔法のひとつくれえ持ってそうなもんだが。
これからはどんどん迅雷を、つかってもらおう。
朝飯のしたくと修行と、時々こうしてクエストについてきてくれたりして、世話になりっぱなしだからな。
「(シガミー、半径150メートル以内に、敵性動体反応検出!)」
おれはあたりを見わたす――なにもねえ。
すこし離れたところでレイダが芋を掘ってる。
「どうかなさいましたか、シガミーさ――?」
リオレイニアがうごきをとめた。
彼女は、なにかに気づいたようだ。
――――さっきまで鳴いてた鳥が息を殺してる!
「ぐぅわぁうるぅるるっ!」
「なんか聞こえたっ!」
先行してたレイダが、引きかえしてきた。
ーーー
組成/物の成り立ち方。成分に化合比を含めた物。
敵性/敵対する者。攻撃・破壊・略奪行動が目的と考えられる敵国の兵士。
動体/動くもの。流動体の意味もある。
ここは草原。
日課のE級採取クエスト中だ。
「どうしたのシガミー?」
「いやなんかいま、板っぺら……かぁどが震えた気が」
みせてみせて!
やめろ、ひっぱんな!
紐が切れちまうじゃねーか!
「LVが5になってる!」
おれの板っぺらに、とりつくレイダ。
子供のあたまはでけえな――なんて思ってると、まっ白く光沢のある顔までのぞき込んできた。
「それは、おめでとうございます。シガミーさま」
背中がわの服色以外は、銀色の髪までも、すべてが白っぽい。
陽のひかりで、かがやく全身はまぶしいくらいで――美の女神ってのは、こういうヤツのことを言うんだと思うんだがなあ。
「(上位権限により非公開です)」
「本日は、私がついていますので、森の入り口まで行ってみましょうか?」
おれとレイダのクエストについてきたリオレイニアが、そんなことを言い出した。
§
森の入り口には、頑丈そうな立て札がたっている。
見たことのない文字も、ちかごろは読めるようになってきた。
えーっと?
『このさき、危険につき冒険者以外の立ち入りを禁ず。
※LEVEL7未満の冒険者の立ち入りも禁ずる。』
なんて書いてある。そのよこを――
――どたどたどたた!
わき目もふらずに、足をふみいれるレイダ。
「やった! はじめて森に入った!」
レイダのLVは、たしか6だ。
「おれぁ、気づいたらあっちの岩場にいたから、ちょっとだけ森をよこ切ったことはあるなー」
「あのへんには、こわい魔物はいませんが、洞窟がたくさんあって、大人でも迷うことがございます。冒険者ランクD級か、LVが10になるまでは岩場に立ち入ってはいけません」
しろくほそい指先が、おれのちいさな手をつかむ。
「じゃぁ、まぐれあたりで町のほうに歩いて行って、おれぁ、いのち拾いしたな?」
「本当でございます。美の女神イオノファラーさまのご加護があったのでしょう」
やさしくあたまを抱えられた。
「(〝五百乃大角に加護〟なら、持ってるけどな)」
「(イオノファラーです、シガミー)」
§
「森に入れるなら、E級クエストの依頼を受けてくるんだったなー?」
ぼきりっ!
まるまるとふとった茸を、ねもとからむしりとる。
「採取クエストでしたら、納品の時にクエストを受ければ、きちんと達成されますよ」
「ほんとう!? じゃあ、羽根芋たくさんとりたい!」
「(イオノファラーの持つ情報に該当があります)」
迅雷は、うしろ頭に張りついてる。
採取クエスト中は、かんざしがわりに丸めた髪に刺してある。
その迅雷から飛びでる小さな|《くろ》い腕。
そのさきが目尻あたりまで、すっとのびてきた。
チカチカ光ったら、目の前にちいさなビードロ……ガラスの板が浮かんでた。
『羽根芋/
羽根のように大きな葉を持つ芋。
肉料理に最適な、辛みのある野菜。
肉を巻いて焼くだけでも、香辛料がわりになる。
芋の部分は、煮崩れするので料理にはむかない。』
「(イオノファラーのライブラリーへ接続しました)」
「(わかってる、めしに関することなら何でもわかるってこったろ?)」
「(はい……いえ、上位権限により非公開です)」
このおれだけにみえる板は、そとで図鑑のぺえじを読んだり、五百乃大角の情報を引き出せるから、便利だった。
だからクエスト中のおれの武器は、もっぱら小太刀だ。
「森のなかだと、この葉野菜もたくさん生えてやがんなあー」
草原にも時々生えてるから、みつけたら女将のところに持ってくけど、そんなにはない。
きのこ、いも。
いもいも、きのこ。
きのこきのこ、いもいも、きのこ。
ちょっとの時間で、結構たくさんとれた。
「(おれは薬草師だからな)――(はい。薬効成分のある植物採取が手早くおこなえます)」
「(迅雷、これくれえなら、ぜんぶ入るか?)」
迅雷がつくった編み袋に、ぎっちり一袋分。
「(はい、きのこも芋も組成は大差ありません。ですので草原の薬草をすべて刈りとったときと同程度までは、格納することができます)」
「そこまで沢山は、いらねえけど。足場が良いわけじゃねえから、しまっといてくれ」
「(了解しました)」
ヴン――うしろあたまが震えたら、口をしばった袋が消えた。
「迅雷がつくってくださった、この袋は、伸び縮みして、とても便利ですね」
ふりかえれば、美の女神が袋いっぱいの、きのこと芋をかかえてた。
そつがねえ……無駄なうごきがねえってことは、それだけ優秀だってことだ。
「それ、迅雷が預かるぞ?」
「はイ、リオレイニア。袋の口を閉じテください」
ヴン――格納される網み袋。
「収納魔法――そこまでめずらしいものではありませんが、やはりあると便利ですねぇ」
狐耳のお付き筆頭なら、仕舞う魔法のひとつくれえ持ってそうなもんだが。
これからはどんどん迅雷を、つかってもらおう。
朝飯のしたくと修行と、時々こうしてクエストについてきてくれたりして、世話になりっぱなしだからな。
「(シガミー、半径150メートル以内に、敵性動体反応検出!)」
おれはあたりを見わたす――なにもねえ。
すこし離れたところでレイダが芋を掘ってる。
「どうかなさいましたか、シガミーさ――?」
リオレイニアがうごきをとめた。
彼女は、なにかに気づいたようだ。
――――さっきまで鳴いてた鳥が息を殺してる!
「ぐぅわぁうるぅるるっ!」
「なんか聞こえたっ!」
先行してたレイダが、引きかえしてきた。
ーーー
組成/物の成り立ち方。成分に化合比を含めた物。
敵性/敵対する者。攻撃・破壊・略奪行動が目的と考えられる敵国の兵士。
動体/動くもの。流動体の意味もある。
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