51 / 752
1:輪廻転生、おいでませガムラン町
51:冒険者パーティー『シガミー御一行様』、リオレイニアがあらわれた
しおりを挟む
「シガミーがおしえてくれた、お寿司をまた作ってみたのですけれど――――」
「そんなことより、うちのシガミーがごめんなさい!」
ほら、シガミーもあやまって!
おれを押し倒し、草原に這いつくばる子供。
子供とはいえ、この世界の先輩だ。
ときどき頼りにならねえこともねえし、言うことをきいておく。
せっかくひろった来世だ、もうすこし生きて見てまわりてえ。
レイダのまねをして、組んだ手を鼻につけ、這いつくばる。
「けど、オスーシって何? ちょっときになる……ひそひそ」
たよりになる先輩が、顔をこっちに向けて話しかけてくる。
気を散らすんじゃねえ。やっぱ子供だな。
それにしても、五百乃大角といい鬼娘といい、ここの女どもは、やたらと食い意地がはってる気がする。
「(シガミー。〝五百乃大角〟は美をあらわす字句として辞書登録されています。大食漢という文脈には不適切と思われます)」
「うるせえな、てめえはだぁってろい……ひそひそ」
「ちょっと、シガミー! 黙ってろってどういうコト!?」
「あ、いやおめえに言ったんじゃなくてな――」
また声に出ちまった。
「わ、私には、なにがなにやらわかりま――――」
急にはいつくばったと思ったら、突然ケンカをはじめる子供ども。
そりゃ、困った顔をさせるに決まってらぁ。
§
「驚かせないでくださいませ。そのことでしたら、先ほどリカルルさまと、お話ししてきましたよ」
「な、なんでえ。姫さんも、いちおう許してはくれたし、心配はしてなかったんだがよ……ふぅーっ!」
よし、崖っぷちだが生きのびたぜ。
「(けど迅雷、念のため姫さんのアレを抜くことを当座の目標にするぞ)」
「(はい。最優先項目……〝おお急ぎ〟に設定しました。しかしまだ〝不可視の剣尖〟……見えない切先の解析中……頓知が終了するまで約6時間、お待ちください)」
「(六時間……三刻だな。いいぜ。そんだけ待ちゃ、あの〝間がねえ剣〟を止められるってんなら、安いもんだ)」
よしよし。とにかく何がなんでもいきのびる。
万が一、何ひとつ手がねえってときは、なごり惜しいが、ガムラン町とこいつらはあきらめる。
隣町にゃ子供もたくさん居るから、まぎれることくれえできんだろ。
五百乃大角には、隣町名物のうまいものを食わせ……供えときゃ、文句も言わねえだろうしな。
「――――はい、これで私も晴れて、冒険者パーティー『シガミー御一行様』の一員です」
胸元からむにゅりと取りだされたそいつは、おれやレイダの木の板とは違っていた。
『リオレイニア・サキラテ LV:47――』
小判みてえな黄金のかがやき。
『――|魔法使い★★★★ /簡易詠唱/全属性使用可能/ロックオン無効/レンジ補正/クリティカル発生率補正/魅了の神眼/女神の加護/女神の祝福――』
やたらとたくさん付いてる技能。その最後。
『――所属:シガミー御一行様』
おれが言った冗談をレイダが、むりやりパーティー名に登録しちまったのと――同じ名。
「「はぁーーーーっ!?」」
§
「ちょっとまて? どうしてそうなった!?」
「リカルルさまのご友人のオルコトリアさんに、ご相談いたしましたところ――――」
イヤな予感しかしねえ。
「「そりゃ、おもしろい事になりそうね~♪」と、その場で手続きをしていただきました。お嬢さまには、すでにご了解をいただいてありましたし――」
〝ご了解をいただいてありましたし?〟
だらだらだらだらり。
脂汗がとまらねえ。
「LV差でパーティは組めないはずじゃ!?」
そうだ、いってやれレイダ。
おれたちのLVは6と7。リオレイニアは47。40も差がある。
「レベル差が解消されるまでは、私が得る経験値は自動的に、お金に変換されます。その変換率が――「(割合のことです)」――とても少ないので、事実上できないと言われているだけだったようです」
「そ、そう……なのぅ? なら、リオレイニアさんが入ってくれるなら、ものすごくうれしいけど……ちらり」
こっちみんな、先輩。
そして、もっとちゃんと姫さんの――
お貴族さまの腹ん中と面子と金勘定の機微ってもんを――
考えろってんだ。
おれも見誤ってたが。
「つきましてはパーティー加入の、ご了承をいただきたく存じます♪」
「「ご了承?」」
ふたたび差しだされた金ぴかを、よーくみる。
『所属:シガミー御一行様』
なんか文字が、薄くなったり濃くなったりしてやがる。
薄くなったときに、刻印済みの『聖剣切りの閃光』の文字がかすかに浮かぶ。
なんとなくだ。
それはほんとうに言葉にできねえほどの――微かさ。
気の迷いみてぇな――それでも、あらがえねぇ気配。
そんなのに突きうごかされて、かるく横に飛ぶと――――
――――ィン!
おれが居たところの景色が斜めにずれた。
――――ぼこり。
へこむ草地。
――――ィイィイィン!
――――ぼこぼこっぼこり。
だっだっだだだだっ!
もう止まれねえ。止まったら――――まっぷたつになっちまう。
「(迅雷!)」
「(はい、シガ――――)」
――――――――ィィィィィィィィッィィィィィィィィイイイイイイイインンンンッ!!!
迅雷の内緒話に割りこんできた存在感!
背後の、ずっと遠くの森の木々が、なぎ倒された。
「そんなことより、うちのシガミーがごめんなさい!」
ほら、シガミーもあやまって!
おれを押し倒し、草原に這いつくばる子供。
子供とはいえ、この世界の先輩だ。
ときどき頼りにならねえこともねえし、言うことをきいておく。
せっかくひろった来世だ、もうすこし生きて見てまわりてえ。
レイダのまねをして、組んだ手を鼻につけ、這いつくばる。
「けど、オスーシって何? ちょっときになる……ひそひそ」
たよりになる先輩が、顔をこっちに向けて話しかけてくる。
気を散らすんじゃねえ。やっぱ子供だな。
それにしても、五百乃大角といい鬼娘といい、ここの女どもは、やたらと食い意地がはってる気がする。
「(シガミー。〝五百乃大角〟は美をあらわす字句として辞書登録されています。大食漢という文脈には不適切と思われます)」
「うるせえな、てめえはだぁってろい……ひそひそ」
「ちょっと、シガミー! 黙ってろってどういうコト!?」
「あ、いやおめえに言ったんじゃなくてな――」
また声に出ちまった。
「わ、私には、なにがなにやらわかりま――――」
急にはいつくばったと思ったら、突然ケンカをはじめる子供ども。
そりゃ、困った顔をさせるに決まってらぁ。
§
「驚かせないでくださいませ。そのことでしたら、先ほどリカルルさまと、お話ししてきましたよ」
「な、なんでえ。姫さんも、いちおう許してはくれたし、心配はしてなかったんだがよ……ふぅーっ!」
よし、崖っぷちだが生きのびたぜ。
「(けど迅雷、念のため姫さんのアレを抜くことを当座の目標にするぞ)」
「(はい。最優先項目……〝おお急ぎ〟に設定しました。しかしまだ〝不可視の剣尖〟……見えない切先の解析中……頓知が終了するまで約6時間、お待ちください)」
「(六時間……三刻だな。いいぜ。そんだけ待ちゃ、あの〝間がねえ剣〟を止められるってんなら、安いもんだ)」
よしよし。とにかく何がなんでもいきのびる。
万が一、何ひとつ手がねえってときは、なごり惜しいが、ガムラン町とこいつらはあきらめる。
隣町にゃ子供もたくさん居るから、まぎれることくれえできんだろ。
五百乃大角には、隣町名物のうまいものを食わせ……供えときゃ、文句も言わねえだろうしな。
「――――はい、これで私も晴れて、冒険者パーティー『シガミー御一行様』の一員です」
胸元からむにゅりと取りだされたそいつは、おれやレイダの木の板とは違っていた。
『リオレイニア・サキラテ LV:47――』
小判みてえな黄金のかがやき。
『――|魔法使い★★★★ /簡易詠唱/全属性使用可能/ロックオン無効/レンジ補正/クリティカル発生率補正/魅了の神眼/女神の加護/女神の祝福――』
やたらとたくさん付いてる技能。その最後。
『――所属:シガミー御一行様』
おれが言った冗談をレイダが、むりやりパーティー名に登録しちまったのと――同じ名。
「「はぁーーーーっ!?」」
§
「ちょっとまて? どうしてそうなった!?」
「リカルルさまのご友人のオルコトリアさんに、ご相談いたしましたところ――――」
イヤな予感しかしねえ。
「「そりゃ、おもしろい事になりそうね~♪」と、その場で手続きをしていただきました。お嬢さまには、すでにご了解をいただいてありましたし――」
〝ご了解をいただいてありましたし?〟
だらだらだらだらり。
脂汗がとまらねえ。
「LV差でパーティは組めないはずじゃ!?」
そうだ、いってやれレイダ。
おれたちのLVは6と7。リオレイニアは47。40も差がある。
「レベル差が解消されるまでは、私が得る経験値は自動的に、お金に変換されます。その変換率が――「(割合のことです)」――とても少ないので、事実上できないと言われているだけだったようです」
「そ、そう……なのぅ? なら、リオレイニアさんが入ってくれるなら、ものすごくうれしいけど……ちらり」
こっちみんな、先輩。
そして、もっとちゃんと姫さんの――
お貴族さまの腹ん中と面子と金勘定の機微ってもんを――
考えろってんだ。
おれも見誤ってたが。
「つきましてはパーティー加入の、ご了承をいただきたく存じます♪」
「「ご了承?」」
ふたたび差しだされた金ぴかを、よーくみる。
『所属:シガミー御一行様』
なんか文字が、薄くなったり濃くなったりしてやがる。
薄くなったときに、刻印済みの『聖剣切りの閃光』の文字がかすかに浮かぶ。
なんとなくだ。
それはほんとうに言葉にできねえほどの――微かさ。
気の迷いみてぇな――それでも、あらがえねぇ気配。
そんなのに突きうごかされて、かるく横に飛ぶと――――
――――ィン!
おれが居たところの景色が斜めにずれた。
――――ぼこり。
へこむ草地。
――――ィイィイィン!
――――ぼこぼこっぼこり。
だっだっだだだだっ!
もう止まれねえ。止まったら――――まっぷたつになっちまう。
「(迅雷!)」
「(はい、シガ――――)」
――――――――ィィィィィィィィッィィィィィィィィイイイイイイイインンンンッ!!!
迅雷の内緒話に割りこんできた存在感!
背後の、ずっと遠くの森の木々が、なぎ倒された。
1
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる