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1:輪廻転生、おいでませガムラン町
52:冒険者パーティー『シガミー御一行様』、やせいの姫さんがあらわれた
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だだっ――――うぉりゃぁぁっ!
よこっ跳びに草原に転がる!
「迅雷、髪が邪魔だ!」
するるるるっ――ぎちっ、ザッシュ!
迅雷が髪を巻きとって簪になる。
迅雷からとびでた小さな黒い腕。
そのさきが目尻で、チカチカ光った。
かおを覆うように、ビードロ……ガラスの面が張りつく。
左したにひかる……文字?
『Active_Trucker
>実装完了』
なんだこりゃ読めんぞ。
ぱっ――文字がかわった。
『動く物を見える化する窓
>使えます』
意味はわかった!
ふぉん♪
ん? 小せえ……ひとの形?
いや、あたまのうえから耳が突きでた、ひとの形だ。
人型を縁取り、そのなかをうすい朱墨で塗られてる。
ぞ――――ィィィン!
気配をよけると足下が、ぼこりとへこむ。
あっぶねぇ――――考えると止まっちまう。
だだっだだだだっ――――走れ走れ、そのあいだに考えろ。
左したのまるい枠。
走る方向をかえると、耳が生えたひと形が左右におおきく振れた。
「迅雷――」
――――ィィィィィィィッン!
「――なんか言え!」
だだだだだだっ――――ごろごろごろろっ!
縦にまわりゃ、ひと型もごろんごろんとまわる。
こりゃ――おれが真ん中にいて、その外に、このひと型がいる。
そんで、その外から全部を、見わたしてるんじゃ……ねえのか?
だっ――――くるるん、すたっ!
おれが空中で向きをかえると、ひと型もぐるんぐるんと、丸枠の上をおおきくまわる。
そうだぜ、こりゃ――びーどろの風鈴だ。
そいつが、おれの顔に張りついてんだな。
ならこのひと形の、元になった奴が、こっちに居るはず――――居た。
――――ィィィィィッィィイィィィィン!
気配をはなった奴のあたまからは、狐のような耳が飛びだしていた。
っだだっ――――ぼこぼこぼこり。
へこんでいく草地。
その反対側。
ソコに居たのは、甲冑に身をつつんだ狐面。
「ありゃ、どうかんがえても、狐耳じゃねーかよ!」
日の本の狐の面とちがって、目も鼻も口もなかった。
見た目はリオレイニアの面……仮面とかいうやつのほうが近い。
そういや、あいつらはどうしてんだ?
姫さんが、白いのやレイダをねらうとは思えねえから、無事だろうが。
丸枠のなかに縁取られたひと型が、もうふたつあった。
あの、中身が塗られてねえのが、アイツらだな。
うごいてねえところを見ると、あっちからは狐耳が見えてねえんじゃねーのか?
もういちど、中を朱墨でぬられたひと型を見る。
そいつが指ししめす――――赤と黄で彩られた派手な甲冑は、まちがいなくそこに居る。
「っはぁぁぁ、はぁぁっ――――迅雷このまま避けてたら、おれはスグに倒れるぞ、七天抜刀《ばっとう》根術の型を出したときみてえに――――
『▲
▲
▲』
相変わらず迅雷の返事がねえ。
けど、この動きは――――うりゃぁ!
「跳べ」と言ってるようにかんじた。
跳びあがったおれのからだに――
ブブブブッキャチャカチャキャチャ――ぱしゃん!
迅雷の細腕が、おれの体をつたって手首と足首までのびてきた。
首うしろをつたって両肩。
肩から肘、そして手首まで。
背中から腰。
ふとももをつたって膝、足首まで。
『Power_Assist
>実装完了』
こんな目玉が付いた細腕で支えられてもなあ。いくらガキでも人のからだは結構重いぜ。
――――すたん、着地。
ぐわ、あぶねえ。ほらみろ足腰が固められて重え。
ぐぐ、どたたたっ、ぐぐぐわっ、どどどどん。
「あちこちに、ひっ張るんじゃねえよ!」
『身体操作のためのキャリブレーションが未完了です。
>パワーアシスト機能が使用できません』
わからん。
ぱっ――文字がかわる。
『金剛力を使うための、儀式的舞踏をしてください』
わからねえが、わかった。
「どーすりゃいーんだ!?」
ふぉん♪
目のまえの草地に、ひとの足跡みてえなのがあらわれた。
どうせうごかねえと、姫さんの見えねえ剣先で両断される。
重いからだで跳びこむ!
ぎゅっ――右足モーショントラッカー設定完了』
ふぉん♪
つぎは左足――左足モーショントラッカー設定完了』
ふぉん♪
なんだこりゃ両手か?
いきおいまかせに、両手を地面につけ天地逆転――――ィィィィィィィィィィィイィィィィンッ!!
両手でからだを押しあげて避けたが、迅雷で巻いた髪のあまりがもってかれた。
ふぉん♪
ふぉん♪
ふぉん♪
どわ、たぁっ――――ィィィィィン!
あぶねえええええええ!
『儀式的舞踏:完了。金剛力作動します
>五
>四
>三
>二
>一
>零』
どどっどた――トトォン、スッスッススゥゥゥッ――――!
さっきまでの、重さがなくなった。
トーーン、トーーーーン、トトトォォォォーーーーーーーーン!
とんと足を置きゃ、風に煽られたみてえに、どこまでも歩幅が伸びていく。
こいつぁいい。子供のからだの、切れの良さと相まって――――
勝てねえにしても、負けねえ気がしてきた。
ふぉふぉん♪
『最優先項目:〝不可視の剣尖〟解析終了まで
>5時間25分』
ふぉん♪
文字がかわる。
『おお急ぎ:〝見えない切先〟説破まで』
>二刻半三百息』
よこっ跳びに草原に転がる!
「迅雷、髪が邪魔だ!」
するるるるっ――ぎちっ、ザッシュ!
迅雷が髪を巻きとって簪になる。
迅雷からとびでた小さな黒い腕。
そのさきが目尻で、チカチカ光った。
かおを覆うように、ビードロ……ガラスの面が張りつく。
左したにひかる……文字?
『Active_Trucker
>実装完了』
なんだこりゃ読めんぞ。
ぱっ――文字がかわった。
『動く物を見える化する窓
>使えます』
意味はわかった!
ふぉん♪
ん? 小せえ……ひとの形?
いや、あたまのうえから耳が突きでた、ひとの形だ。
人型を縁取り、そのなかをうすい朱墨で塗られてる。
ぞ――――ィィィン!
気配をよけると足下が、ぼこりとへこむ。
あっぶねぇ――――考えると止まっちまう。
だだっだだだだっ――――走れ走れ、そのあいだに考えろ。
左したのまるい枠。
走る方向をかえると、耳が生えたひと形が左右におおきく振れた。
「迅雷――」
――――ィィィィィィィッン!
「――なんか言え!」
だだだだだだっ――――ごろごろごろろっ!
縦にまわりゃ、ひと型もごろんごろんとまわる。
こりゃ――おれが真ん中にいて、その外に、このひと型がいる。
そんで、その外から全部を、見わたしてるんじゃ……ねえのか?
だっ――――くるるん、すたっ!
おれが空中で向きをかえると、ひと型もぐるんぐるんと、丸枠の上をおおきくまわる。
そうだぜ、こりゃ――びーどろの風鈴だ。
そいつが、おれの顔に張りついてんだな。
ならこのひと形の、元になった奴が、こっちに居るはず――――居た。
――――ィィィィィッィィイィィィィン!
気配をはなった奴のあたまからは、狐のような耳が飛びだしていた。
っだだっ――――ぼこぼこぼこり。
へこんでいく草地。
その反対側。
ソコに居たのは、甲冑に身をつつんだ狐面。
「ありゃ、どうかんがえても、狐耳じゃねーかよ!」
日の本の狐の面とちがって、目も鼻も口もなかった。
見た目はリオレイニアの面……仮面とかいうやつのほうが近い。
そういや、あいつらはどうしてんだ?
姫さんが、白いのやレイダをねらうとは思えねえから、無事だろうが。
丸枠のなかに縁取られたひと型が、もうふたつあった。
あの、中身が塗られてねえのが、アイツらだな。
うごいてねえところを見ると、あっちからは狐耳が見えてねえんじゃねーのか?
もういちど、中を朱墨でぬられたひと型を見る。
そいつが指ししめす――――赤と黄で彩られた派手な甲冑は、まちがいなくそこに居る。
「っはぁぁぁ、はぁぁっ――――迅雷このまま避けてたら、おれはスグに倒れるぞ、七天抜刀《ばっとう》根術の型を出したときみてえに――――
『▲
▲
▲』
相変わらず迅雷の返事がねえ。
けど、この動きは――――うりゃぁ!
「跳べ」と言ってるようにかんじた。
跳びあがったおれのからだに――
ブブブブッキャチャカチャキャチャ――ぱしゃん!
迅雷の細腕が、おれの体をつたって手首と足首までのびてきた。
首うしろをつたって両肩。
肩から肘、そして手首まで。
背中から腰。
ふとももをつたって膝、足首まで。
『Power_Assist
>実装完了』
こんな目玉が付いた細腕で支えられてもなあ。いくらガキでも人のからだは結構重いぜ。
――――すたん、着地。
ぐわ、あぶねえ。ほらみろ足腰が固められて重え。
ぐぐ、どたたたっ、ぐぐぐわっ、どどどどん。
「あちこちに、ひっ張るんじゃねえよ!」
『身体操作のためのキャリブレーションが未完了です。
>パワーアシスト機能が使用できません』
わからん。
ぱっ――文字がかわる。
『金剛力を使うための、儀式的舞踏をしてください』
わからねえが、わかった。
「どーすりゃいーんだ!?」
ふぉん♪
目のまえの草地に、ひとの足跡みてえなのがあらわれた。
どうせうごかねえと、姫さんの見えねえ剣先で両断される。
重いからだで跳びこむ!
ぎゅっ――右足モーショントラッカー設定完了』
ふぉん♪
つぎは左足――左足モーショントラッカー設定完了』
ふぉん♪
なんだこりゃ両手か?
いきおいまかせに、両手を地面につけ天地逆転――――ィィィィィィィィィィィイィィィィンッ!!
両手でからだを押しあげて避けたが、迅雷で巻いた髪のあまりがもってかれた。
ふぉん♪
ふぉん♪
ふぉん♪
どわ、たぁっ――――ィィィィィン!
あぶねえええええええ!
『儀式的舞踏:完了。金剛力作動します
>五
>四
>三
>二
>一
>零』
どどっどた――トトォン、スッスッススゥゥゥッ――――!
さっきまでの、重さがなくなった。
トーーン、トーーーーン、トトトォォォォーーーーーーーーン!
とんと足を置きゃ、風に煽られたみてえに、どこまでも歩幅が伸びていく。
こいつぁいい。子供のからだの、切れの良さと相まって――――
勝てねえにしても、負けねえ気がしてきた。
ふぉふぉん♪
『最優先項目:〝不可視の剣尖〟解析終了まで
>5時間25分』
ふぉん♪
文字がかわる。
『おお急ぎ:〝見えない切先〟説破まで』
>二刻半三百息』
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