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「…お兄様から…兄から私のどんな話を聞いていたのですか?」
”キラキラと輝いている瞳が見たかった”という言葉は私の心を強く引き付けました。
そんなふうに私自身を望んでいるような言い方は、ドキドキと胸がなり、思わず頬を赤く染めてしまうところです。
それを悟られたくなくて、視線を逸らし話題を変えます。
少ししどろもどろになってしまったのは、どうぞ気付かないでくださいませ。
それに、グレン様がどんな私を想像していたのか気になります。
木登りしている小猿のような内容では、弟の間違いでは?とおもわれたのではありませんか…。
「う~ん、いろいろと日常の些細な事ばかり。アルとは学校の寮で同室でしたから、あなたから届く手紙をよく見せてくれましたよ。」
「手紙!読んだのですか?」
文字の練習に、短いお手紙を何度も送ったあの頃。
どんな手紙を書いていたかなんて、憶えていないのでなんだか怖いです。
「ええ。木登りの話もそこからの情報です。この湖の近くでリスを追いかけた事や何の花を摘んだとか…。」
グレン様は思いを馳せる様に顎に手をあて、斜め上を見て、楽しそうに記憶を辿っています。
「もう、結構です!…恥ずかしいです。きっと文字だってそんなに上手じゃない。お兄様だから書いたのに。人に見せるためではないのに。」
お兄様以外の人が見ると知っていたら、もっと考えて書くんでしたわ。
恥ずかしいやら、居たたまれないやらで涙が浮かんできます。
グレン様の方はもう見れません。
貴族のお嬢様がすることではないことばかり、素直に手紙には綴って…。
そう、私はいわゆるお転婆な女の子でした。
でも、成長するにつれ、ティーシル様に恥をかかせてはいけないと花嫁修業と言う名のダンスや立ち居振る舞いのお稽古、刺繍の練習、妻・母としてのあり方の講義など本当に忙しい日々を送ってきました。
この別荘に来る暇も無いほどの日々。
今となっては無駄になってしまいましたね。
溜め息が出てしまいました。
考えをグルグルと巡らせていた私に、グレン様の静かな柔らかい声が聞こえてきました。
「私はアルが羨ましかったですのですよ。」
”キラキラと輝いている瞳が見たかった”という言葉は私の心を強く引き付けました。
そんなふうに私自身を望んでいるような言い方は、ドキドキと胸がなり、思わず頬を赤く染めてしまうところです。
それを悟られたくなくて、視線を逸らし話題を変えます。
少ししどろもどろになってしまったのは、どうぞ気付かないでくださいませ。
それに、グレン様がどんな私を想像していたのか気になります。
木登りしている小猿のような内容では、弟の間違いでは?とおもわれたのではありませんか…。
「う~ん、いろいろと日常の些細な事ばかり。アルとは学校の寮で同室でしたから、あなたから届く手紙をよく見せてくれましたよ。」
「手紙!読んだのですか?」
文字の練習に、短いお手紙を何度も送ったあの頃。
どんな手紙を書いていたかなんて、憶えていないのでなんだか怖いです。
「ええ。木登りの話もそこからの情報です。この湖の近くでリスを追いかけた事や何の花を摘んだとか…。」
グレン様は思いを馳せる様に顎に手をあて、斜め上を見て、楽しそうに記憶を辿っています。
「もう、結構です!…恥ずかしいです。きっと文字だってそんなに上手じゃない。お兄様だから書いたのに。人に見せるためではないのに。」
お兄様以外の人が見ると知っていたら、もっと考えて書くんでしたわ。
恥ずかしいやら、居たたまれないやらで涙が浮かんできます。
グレン様の方はもう見れません。
貴族のお嬢様がすることではないことばかり、素直に手紙には綴って…。
そう、私はいわゆるお転婆な女の子でした。
でも、成長するにつれ、ティーシル様に恥をかかせてはいけないと花嫁修業と言う名のダンスや立ち居振る舞いのお稽古、刺繍の練習、妻・母としてのあり方の講義など本当に忙しい日々を送ってきました。
この別荘に来る暇も無いほどの日々。
今となっては無駄になってしまいましたね。
溜め息が出てしまいました。
考えをグルグルと巡らせていた私に、グレン様の静かな柔らかい声が聞こえてきました。
「私はアルが羨ましかったですのですよ。」
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