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しおりを挟むアレクサンドラの方はというとベルティーユのところに来て、ベルティーユのせいでこんなことになっていると色々言っていたが、母が父とあんな形で離婚したが、しばらくして再婚しても、義父となった人とも良好な関係を築けていた。
それこそ、実父よりも、自分の言いたいことをわかってくれて、母と同じくベルティーユや実父が悪かったのだと思って信じて疑っていなかったのだ。
婚約した時も、母のみならず、義父も喜んでくれた。
「流石だ」
「あの出来損ないとは違うものね」
そう、アレクサンドラに母はベルティーユのことをそんなふうに言っていた。病気が、母の方からの遺伝うんねんだと言っていることも、アレクサンドラはよく知りもしなかった。
母方の祖父母も、アレクサンドラや母の味方で言いがかりもいいところだと言っていたくらいだ。
なのにアレクサンドラは、よく躓くようになったのだ。
「っ、」
「おい、何してるんだ」
「少し躓いてしまって」
「何もないところで、躓くなんてないだろ。私に掴まる口実にするな」
婚約者は、その後も、そうやってアレクサンドラが躓いて掴むのに怒るようになり、一緒に歩くのを嫌がるようになったのは、そこからだった。
そのうち、ベルティーユの幼い頃のようによろけることが増えていった。
「疲れているだけよ」
足が思う通りにならなくなっていっていることにアレクサンドラは、必死にそう思うことにした。でも、歩き方が不格好になっていっていることから、学園から検査を進められて、それがベルティーユと同じ病気だと言われた時にアレクサンドラの頭の中は真っ白になった。
そこからだった。幸せだと思っていたのに一変してしまったのだ。
病気が発覚するなり、婚約破棄になってしまったのだ。それによって義父は激怒するまでになり、あれやこれやと言われていたが、それを聞いていなかった。
ただ、ベルティーユのせいでこうなったのだと思うようになり会いに行ったら、王子と婚約していると聞いて更に頭にきた。
足が上手く動かなくなっていくのも不安で仕方がなかった。だから、言いたい放題に不満をぶつけたら、そこに王女が来てややこしくなってしまっただけなのだ。
実父は、縁が切れているからと言いたいことだけを伝えに来た。
「私が、勘当されてるなんて、そんなわけないのに」
必死になって戻ったアレクサンドラを母も義父も受け入れてくれなかった。
仕方なく祖父母のところに行くと2人共、骨折してから寝たきりになっていて、全然アレクサンドラの役に立ってくれることをしてはくれなかった。
「どうして、私がこんな目にあわなきゃならないのよ」
それこそ、上手く歩けなくなっていくと周りから……。
「平民が、這いつくばってばっかてるわ」
「まともに歩けないなら、人間やめたらいいのにな」
「っ、!?」
それは、かつて自分がベルティーユに言った言葉だったが、そんなことアレクサンドラは覚えていなかった。
これも、みんなベルティーユのせいだと思うばかりで、歩けなくなって車椅子生活になって、ベルティーユが王太子の婚約者になったと聞いて、悪口を言い続けるのをやめることはなかった。
そんな彼女の側に人は寄り付くことはなかった。そのため、ベルティーユとは真逆の人生を歩むことになった。
母親も、再婚相手に遺伝すると病気になると思われて、アレクサンドラを勘当してしばらくして離婚することになった。
両親のところに彼女が身を寄せることをしなかったのは、アレクサンドラがそこにいるのと両親の介護をしたくなかったからだ。
でも、彼女も晩年になり、よく転ぶようになり、病気を発症してからは車椅子生活を送ることになって、そんな風に産んだ両親をボロクソに言うのに忙しくした。
そんなことを言いつつけるなら、自分とて娘たちに言われても仕方がないと彼女が思うことはなかった。
ベルティーユが王太子妃となったのを聞いて、色々言うのをうざがられて、アレクサンドラと同じく人が寄り付くことのない寂しい老後を送ることになった。
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