姉に婚約破棄されるのは時間の問題のように言われ、私は大好きな婚約者と幼なじみの応援をしようとしたのですが、覚悟しきれませんでした

珠宮さくら

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(コンスタンス視点)


リシャール様が見ている先にリュシエンヌがいた。

母親同士が仲良くしていて、気づいた時には幼なじみとなっていた。

昔から愛らしい女の子で、みんなリュシエンヌを見るとぼーっとして、昔はよく見惚れすぎて噴水に落ちた男の子がたくさんいた。

その中にリシャール様がいたのを私は覚えている。

彼がリュシエンヌに恋に落ちた瞬間を目のあたりにしたのも覚えている。ボン!と音がしそうなくらい真っ赤になっていた。

その瞬間にリュシエンヌのことを好きになったとわかった。でも、その前に彼を見ていたのは、私だった。それを誰にも言ったことはない。

だから、リュシエンヌと婚約すると思っていた。でも、ヴィクトワールの方と婚約したと聞いて、どれほど驚いたことか。


「どうして? リシャール様は、リュシエンヌのことを好きなはずなのに。どうして、あんなのと婚約するのよ」


最低最悪な令嬢とまで言われている。


「信じられないわ。女性の趣味が悪すぎるわ」
「本当ね」


そんな風にリシャール様をこれ見よがしに馬鹿にしている令嬢は多かった。

それを見聞きするたび、私はイライラした。そんなはずないと言いたいが、リシャール様が何をしたいのかがわからなくて、悶々としていた。

するとしばらくして、リュシエンヌがテオドール様と婚約をした。そこで、あぁそういうことかとわかってしまった。そこまでして、リュシエンヌの恋を応援する気だということに私は気づかされた。

そこまでするほど、リュシエンヌのことが好きなのだと。

だから、私も全力で応援した。幼なじみであり、親友の恋を応援することにして、リシャール様が言われ放題なのに泣きそうになりながらも、リュシエンヌが幸せになる手助けを惜しまなかった。

それが、こんなことになるとは思いもしなかった。


「リシャール様」


彼の恋が、こんな形で終わりを迎えた。自分の恋が終わったかのように私は、落ち込んでしまっていた。

まだ、始まってもいない恋だというのに。

するとリュシエンヌが、こんなことを言った。


「コンスタンスとリシャール様って、お似合いね」
「っ、」


その言葉にぎょっとしたが、私の恋心に気づいての言葉ではなかったはずだ。


「ど、どの辺が、そう思うの?」
「ん~、目がキラキラして綺麗なのよ」
「目??」
「2人とも、キラキラしてて、覗き込んだ世界は、とても綺麗だろうなって」
「リュシエンヌ。それのどこが、お似合いなの?」
「2人にしか見えない世界が、同じくらいキラキラしてる。その奥も、きっと見つめあったら、目を離したくなくなりそうだと思って」
「……」


リュシエンヌの言いたいことがわかるような、わからないような。

でも、この後、その世界の虜になるとは思いもしなかった。

本当に綺麗すぎて目を離すのがもったいなくなってしまった姿を見て、リュシエンヌは……。


「ほら、お似合いだわ」
「っ、」


リュシエンヌがいたずらっ子のように写真を見せてくれた。そこに本当に映る自分とリシャール様の姿に納得してしまった。


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