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『認められた皇女』
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しおりを挟む(思い返すだけでも、息苦しくなってきたわ。本当にろくでもない存在だわ)
彼女は、空を見上げることが好きなわけではない。後宮では空はあまり見えない。後宮での散歩は花を見て回るくらいだ。それを見ているとみんなが、好き勝手に勘違いしてくれるから楽なのだ。好き勝手な中には皇帝もいる。相変わらず、娘の好きなものを亡き母と同じと誤解している。
何をしても似ているとばかり言っていて、勝手に懐かしんでいる。
住んでいるところも豪華だが、ディェリンのために誂えたところだと思ってしっくりしたことはない。
なぜか、ディェリンのためだと思っている半面、別の何かのために建てたものに住んでいる苛立ちがずっとあった。
とても奇妙な感覚だ。なぜ、ディェリンしか皇女はいないのにこんなおかしな感覚に苛まれなければならないのか。
最近、そんなことを益々思うようになっている。もしかして、こんな余計なことで疲れているのかもしれない。
余計なことを考えていない時でも、不調を感じ始めている。
この学び舎に来て、こんな扱いをされているせいかもしれない。
(珍獣扱いされている気がする。ここで、見つからなかったら、私、他所に行くことになるのよね。……あぁ、そんなことになったら、私がどうにかなってしまいそうだわ。この国の皇女なのになぜ、私が他所に行かねばならないの。ここで、幸せにならなきゃいけないのに)
ディェリンは、今は後宮にはいない。いや、帰る場所は後宮だが、年頃の人々が学ぶ場所に通っていた。
そこには、ディェリン以外の女性はいない。年頃の男女は別々に学ぶが、皇女のみ、どちらの学び場も行き来を許されている。
(はぁ~、取り囲まれるのも嫌だけど、誰も寄って来ないのも、堪えるわ。どうして、話しかけてくれないのによ! 1人でいるのに。これじゃ、意味ないじゃない!!)
色々と気にかけてくれているのと気軽に声をかけられないと思っているのだろう。
学び舎では、身分は関係ないと言われているが、皇女は特例が色々ありすぎて、気を遣わせているのが丸わかりで、男子も、女子も、ディェリンが通い始めて、数ヶ月経つが、どうにも上手くいっていない。
最近は、女子の方は居心地が悪いから、こちらばかりに来ている。女子は、ディェリンに何も興味を持っていないようで、扱い辛い。むしろ、ひそひそと話してばかりいて、嫌な感じを受けてイライラしてくるのだ。
そんな態度を後宮でも、ここでも取られたことはない。何やら馬鹿にされている気すらしたが、そこは気のせいだろう。
(私の存在をあんなに煙たがるのも、同年代の女子のせいよね。あんなに妬ましそうにされるんだもの)
そう、ディェリンは妬まれているから、疎まれていると思っていたが、そこにいる美少女に会えていないから、そちらの美しさに引けを取っていることに全く気づいていなかった。
そのせいで、男子の学び舎に来ているが、空を見上げてばかりいた。下を向いてばかりいるよりは空を見上げている方が、先ほどのように息苦しくなると少しはマシになるのだ。
(横を見ていると隠れきれてないのがいるのよね。隠れるの下手くそすぎて、もう笑えもしないわ)
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20話以降は不定期になると思います。
初の現代版の恋愛ストーリーなので、遅い執筆がさらに遅くなっていますが、必ず最後まで書き上げます!
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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