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第11話
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「ごめん、それは出来ない」
慎二は、話しにくそうにして視線を逸らした。
僕の心臓が、大きく跳ねたのは本日、二度目。
あ……、僕、調子乗っちゃったんだ。
その事実に気づいた僕は、さっきまで高揚していた気分が、一気に急降下する。
「実は今日……」
「そ、そうだよね。僕にご飯食べさせるのは良くても、食べさせられるのは気持ち悪いよね。ごめん、気付かなくて」
僕は慌てて立ち上がり、会社のビルに向かって走った。
調子に乗ってしまった。恥ずかし過ぎる。一秒だってここに居たくない。消えてしまいたい。
しかし、すぐに腕を掴まれて、足を動かしたくても、動かせなくなってしまった。
「離してッ」
「嫌だ」
「なんでッ……」
身体能力はアルファである慎二の方が、遥かに優れている。腕を振り払いたくても出来なかった。
「那月、逃げないで……」
後ろから聞こえた声は、震えていた。慎二の手に、ぎゅっと力が入る。
しかし、痛くはなかった。痛くないから困る。こんな時まで、僕のことを気遣う慎二に困ってしまう。
「那月がしてくれることで、俺が嫌だと思うことなんて何も無いよ」
その言葉は、嘘のようには聞こえなかった。
だけど、それでも――
僕はその慎二の言葉が信じられない。後ろを振り返らない。
「なら、なんでさっき断ったの?」
「それは……」
「今朝だって、無理だって言われて……断るなら、僕がメッセージ消した時点で見なかったことにすればいいじのに! わざわざ僕を傷つけて、何がしたかったの!?」
「違う! そうじゃない! 俺がしたかったのは、そうじゃなくて……いやごめん。まずは謝るべきだね。本当にごめんなさい」
腕が離された。
そして慎二の言葉に耳を疑った僕は、後ろを振り返った。
アルファがオメガに謝る? 嘘でしょ。どうせ言葉だけ。
しかし、目に映ったのは思っていた光景じゃなくて……信じられない。
慎二が深々と頭を下げていた。
「…………ッ!?」
僕は、一歩後ずさる。
おかしい。目の前の光景は、おかしい!
プライドが高いと言われるアルファが僕みたいなオメガにこんなッ、こんなやすやすと頭を下げるのか?
「分かった、分かったから、頭を上げて……」
「いやッ! 本当にごめん! あのメッセージ、那月を傷つけるつもりは本気でなかった。でも、そんなのは言い訳にならない。大切な番を傷つけた。本当にごめん!」
「分かった。分かったから。僕の方こそ話を聞かなくて、ごめんなさい。だから顔を上げて?」
僕はそう言って、慎二の肩に触れた。彼は、ゆっくりと顔を上げる。
「話をしても、いいの?」
僕はコクリと頷いた。
だってこんなの頷く以外、どうしようもないじゃんか。
慎二は、話しにくそうにして視線を逸らした。
僕の心臓が、大きく跳ねたのは本日、二度目。
あ……、僕、調子乗っちゃったんだ。
その事実に気づいた僕は、さっきまで高揚していた気分が、一気に急降下する。
「実は今日……」
「そ、そうだよね。僕にご飯食べさせるのは良くても、食べさせられるのは気持ち悪いよね。ごめん、気付かなくて」
僕は慌てて立ち上がり、会社のビルに向かって走った。
調子に乗ってしまった。恥ずかし過ぎる。一秒だってここに居たくない。消えてしまいたい。
しかし、すぐに腕を掴まれて、足を動かしたくても、動かせなくなってしまった。
「離してッ」
「嫌だ」
「なんでッ……」
身体能力はアルファである慎二の方が、遥かに優れている。腕を振り払いたくても出来なかった。
「那月、逃げないで……」
後ろから聞こえた声は、震えていた。慎二の手に、ぎゅっと力が入る。
しかし、痛くはなかった。痛くないから困る。こんな時まで、僕のことを気遣う慎二に困ってしまう。
「那月がしてくれることで、俺が嫌だと思うことなんて何も無いよ」
その言葉は、嘘のようには聞こえなかった。
だけど、それでも――
僕はその慎二の言葉が信じられない。後ろを振り返らない。
「なら、なんでさっき断ったの?」
「それは……」
「今朝だって、無理だって言われて……断るなら、僕がメッセージ消した時点で見なかったことにすればいいじのに! わざわざ僕を傷つけて、何がしたかったの!?」
「違う! そうじゃない! 俺がしたかったのは、そうじゃなくて……いやごめん。まずは謝るべきだね。本当にごめんなさい」
腕が離された。
そして慎二の言葉に耳を疑った僕は、後ろを振り返った。
アルファがオメガに謝る? 嘘でしょ。どうせ言葉だけ。
しかし、目に映ったのは思っていた光景じゃなくて……信じられない。
慎二が深々と頭を下げていた。
「…………ッ!?」
僕は、一歩後ずさる。
おかしい。目の前の光景は、おかしい!
プライドが高いと言われるアルファが僕みたいなオメガにこんなッ、こんなやすやすと頭を下げるのか?
「分かった、分かったから、頭を上げて……」
「いやッ! 本当にごめん! あのメッセージ、那月を傷つけるつもりは本気でなかった。でも、そんなのは言い訳にならない。大切な番を傷つけた。本当にごめん!」
「分かった。分かったから。僕の方こそ話を聞かなくて、ごめんなさい。だから顔を上げて?」
僕はそう言って、慎二の肩に触れた。彼は、ゆっくりと顔を上げる。
「話をしても、いいの?」
僕はコクリと頷いた。
だってこんなの頷く以外、どうしようもないじゃんか。
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