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第2章 再会編
第17話 突然彼女が/亮二
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俺はカナちゃんが泣きながら話そうとしていた内容にあまりにもいたたまれなくなり、思わずカナちゃんを抱きしめてしまったけど、カナちゃんは思ったよりもどこか安心した表情をしながら泣いている。
そんなことよりも小学生の女の子を思わず抱きしめてしまったけど、これって大丈夫なのか? もしこんなところを誰かに見られたりしたら……と少し不安な気持ちにもなったが今はそんなことをビビっている場合ではない。
取り合えず誰にも見られないまましばらくするとカナちゃんは落ち着きを取り戻し赤い顔をしているが何か吹っ切れった顔をしている。
俺は思い出しただけでも辛いだろうからもう話さなくてもいいよと言ったけどカナちゃんは俺に聞いて欲しいと言うと少しずつゆっくりと話し始めた。
それでカナちゃんが話し出した内容を順番にいうと……
カナちゃんと山田さんの息子さんである翔太君は年齢が一つ違いの幼馴染で、ある時からカナちゃんに意地悪をするようになり嫌いになったこと。
友達の大塚桜ちゃんが翔太君に助けてもらった事を改めてお礼を言いたいから紹介して欲しいと頼まれたカナちゃんは二人を引き合わせる為に翔太君にその旨を説明しようと家に行ったそうだが、桜ちゃんは翔太君の事が好きみたいよとからかい半分で話した時に突然、翔太君に告白されてしまったこと。
自分の事を嫌っていると思っている翔太君の告白が信じれなかったカナちゃんは思わず彼に『証拠を見せろ』と言ってしまったこと。
そして追い込まれた翔太君が証拠を見せる為の手段として取ってしまったのが無理矢理カナちゃんにキスをすることだった……
それに怒ったカナちゃんは翔太君に絶交だと言ったがそれは困ると言ってきた彼に対してある条件を出した。
その条件が『桜ちゃんと仲良くなり、何度かデートをして最終的には付き合え』という事だった。
これ等、一連の流れが数週間もカナちゃんを苦しめていたという事を俺にはよく理解できた。
「突然、キスされた時は怖かっただろうし辛かったよねぇ……小学生の女の子が好きでもない子にいきなりキスなんてされたらショックだろうし……でも今日はよく頑張って翔太君達と一緒にエキサイトランドに来てくれたね? でもその頑張りのお陰で俺達は5年ぶりに会えたんだもんね……」
「うん、お母さんの話を聞いて行こうと思ったんだけど、最初は色々迷ったんだ。でも本当に今日は来て良かった。りょう君に会えたのは翔太の顔を見るのは辛いけど頑張って来たご褒美じゃないかって思うくらい……」
「そっかぁ、ご褒美かぁ……俺に会えた事をご褒美って言ってくれるのは凄く嬉しいなぁ」
「それに翔太のお父さんやお母さんは大好きだし……翔太も約束を守っているから私も約束を守らないといけないなぁと思って……本当は絶交なんてしたくなかったし……」
そっか、カナちゃんのお母さんは全部、知っているんだ。良かった……俺だけがこんな大事な話を知っているんじゃないという事が分かり少しホッとしたよ。
そして俺はカナちゃんに気になる質問をした。
「ところでさ、何で翔太君は急に意地悪をするようになったのか知っているのかな? さっき、ある時からって言っていたような気がするんだけど……」
するとカナちゃんは少し頬を赤くしながら顔をそむけた。
え? 俺、変な事を聞いたのかな?
「ご、ゴメン。もしかしたら今の質問はあまり触れちゃいけないところだったのかな? もしそうなら別に答えなくてもいいからね」
「ううん、違うの。本当はその理由をりょう君に聞いて欲しいの……でも恥ずかしくて……」
俺に聞いて欲しいけど恥ずかしい内容なのか? 逆に内容を知らない俺まで恥ずかしくなりそうなんだけど……
「あのね、あの日……5年前にりょう君と出会うまでは翔太は私に対してとても優しかったんだ……本当のお兄ちゃんみたいに……でも……あの日、りょう君に助けられた私は……」
お、俺がカナちゃんを助けた日……?
「私はりょう君の事が好きになってしまったの……りょう君は私の初恋の人なの!! 」
「えっ!? お、俺がカナちゃんの初恋の人……」
俺はカナちゃんから思ってもみなかった事を言われて動揺してしまうが、カナちゃんは俺の動揺に気付くことなく話し続ける。
「その日からね、私は翔太や他の友達に私の好きな人はりょう君だって言い続けていたの……それに対して誰にも迷惑をかけていないと思っていたけど、翔太だけは違ったみたい……私の事が好きだった翔太はある日、突然……」
翔太君がずっと恋愛対象して見ていたカナちゃんが急に他の人の事を好きになり、そして好きな人の話を毎回聞かされるのが耐えられなった翔太君はいつの間にかそのストレスを解消する手段としてカナちゃんに言葉や行動で色々な嫌がらせをするようになったという事らしい。
「りょう君、翔太をそんな気持ちにさせてしまった私って……悪い子なのかな? それに、りょう君は私の初恋の人だと言われて迷惑なのかな? ウウッ……」
「カナちゃん……」
俺は抱きしめている手を強めながらカナちゃんに言う。
「カナちゃんは何も悪く無いよ。逆に被害者じゃないか。そりゃ翔太君にも少しは同情する部分はあるけどさ、でもやっぱり翔太君は一つ上のお兄ちゃんなんだから我慢するべきだったんだ。いくらカナちゃんの事が好きでも無理矢理キスするのは絶対によくない」
そうだよ。俺だって広美の事を小さい頃から好きなのにずっと我慢して……俺の場合は根性無しの部類かもしれないけど……
「りょう君、ありがとう。そう言ってもらえて凄くホッとしたよ。でも、もう一つの質問の返事はまだもらえていなんだけど……」
カナちゃんはそう言うと再び顔を赤くした。
「あっ、そ、そうだったね? カナちゃんの初恋の相手が俺っていうのが迷惑かどうかだったよね? ゴメンね、せっかく勇気を出して言ってくれたのに……」
「そ、それで……りょう君はどうなの? 迷惑なのかな……?」
俺はカナちゃんの頭を撫でながら笑顔で答える。
「ううん、迷惑じゃないよ。逆に俺なんかの事を好きになってくれるなんて凄く嬉しいし、カナちゃんみたいな可愛い子の初恋の人になれるなんて光栄だよ。ありがとね、カナちゃん」
「ほ、本当に……?」
カナちゃんの大きな瞳から再び涙が流れだす。でも表情は穏やかだ。
「勿論、本当だよ。もし、カナちゃんが高校生なら俺から付き合ってくださいって言っているところさ。ハハハ……」
「そ、それじゃぁ私と付き合って!?」
「へっ? イヤイヤイヤッ、カナちゃん、冗談はやめてよぉ。カナちゃんは小学生だよ。ビ、ビックリするじゃないかぁ……ハハハ……」
俺が自分の頭を掻きながら笑顔で言うとカナちゃんの目の色が変わる。
「冗談じゃない。本気だよ。私はりょう君と付き合いたい!!」
カナちゃんの目は本気だ。さすがの鈍感な俺でも分かる。でも……
「俺は高3でカナちゃんはまだ小5だよ。歳が7歳も離れているし、どう考えても無理があるよ。それくらいのことはカナちゃんも分かるよね?」
「わ、分かるけど……分かりたくない……」
まだ出会って今日で二回目の俺なんかと……俺の事なんて何も知らないカナちゃんはどうして付き合いたいなんて言うのだろうか……
それに俺には未だに自分の想いを伝えることが出来ないでいる好きな人と、そんな腰抜けな俺なのに昔から好きだったと告白してくれた人がいる。
まずはそこをハッキリさせないといけないんだ。っていうか、ハッキリさせても小学生のカナちゃんと付き合うのは論外だけど。
俺が困惑しているとカナちゃんが俯きながら何かブツブツ言っている。何を言っているんだろうと思い俺は顔を近づけた。すると突然、カナちゃんは俺の方を見上げてきたと思った瞬間……
カナちゃんの小さな唇が俺の唇と重なった。
えっ!?
う、嘘だろ!?
俺がカナちゃんとキスをしている!?
そ、そんな……
小学5年生のカナちゃんが……
俺のファーストキスの相手になってしまった。
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
遂に亮二と加奈子が……
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
そんなことよりも小学生の女の子を思わず抱きしめてしまったけど、これって大丈夫なのか? もしこんなところを誰かに見られたりしたら……と少し不安な気持ちにもなったが今はそんなことをビビっている場合ではない。
取り合えず誰にも見られないまましばらくするとカナちゃんは落ち着きを取り戻し赤い顔をしているが何か吹っ切れった顔をしている。
俺は思い出しただけでも辛いだろうからもう話さなくてもいいよと言ったけどカナちゃんは俺に聞いて欲しいと言うと少しずつゆっくりと話し始めた。
それでカナちゃんが話し出した内容を順番にいうと……
カナちゃんと山田さんの息子さんである翔太君は年齢が一つ違いの幼馴染で、ある時からカナちゃんに意地悪をするようになり嫌いになったこと。
友達の大塚桜ちゃんが翔太君に助けてもらった事を改めてお礼を言いたいから紹介して欲しいと頼まれたカナちゃんは二人を引き合わせる為に翔太君にその旨を説明しようと家に行ったそうだが、桜ちゃんは翔太君の事が好きみたいよとからかい半分で話した時に突然、翔太君に告白されてしまったこと。
自分の事を嫌っていると思っている翔太君の告白が信じれなかったカナちゃんは思わず彼に『証拠を見せろ』と言ってしまったこと。
そして追い込まれた翔太君が証拠を見せる為の手段として取ってしまったのが無理矢理カナちゃんにキスをすることだった……
それに怒ったカナちゃんは翔太君に絶交だと言ったがそれは困ると言ってきた彼に対してある条件を出した。
その条件が『桜ちゃんと仲良くなり、何度かデートをして最終的には付き合え』という事だった。
これ等、一連の流れが数週間もカナちゃんを苦しめていたという事を俺にはよく理解できた。
「突然、キスされた時は怖かっただろうし辛かったよねぇ……小学生の女の子が好きでもない子にいきなりキスなんてされたらショックだろうし……でも今日はよく頑張って翔太君達と一緒にエキサイトランドに来てくれたね? でもその頑張りのお陰で俺達は5年ぶりに会えたんだもんね……」
「うん、お母さんの話を聞いて行こうと思ったんだけど、最初は色々迷ったんだ。でも本当に今日は来て良かった。りょう君に会えたのは翔太の顔を見るのは辛いけど頑張って来たご褒美じゃないかって思うくらい……」
「そっかぁ、ご褒美かぁ……俺に会えた事をご褒美って言ってくれるのは凄く嬉しいなぁ」
「それに翔太のお父さんやお母さんは大好きだし……翔太も約束を守っているから私も約束を守らないといけないなぁと思って……本当は絶交なんてしたくなかったし……」
そっか、カナちゃんのお母さんは全部、知っているんだ。良かった……俺だけがこんな大事な話を知っているんじゃないという事が分かり少しホッとしたよ。
そして俺はカナちゃんに気になる質問をした。
「ところでさ、何で翔太君は急に意地悪をするようになったのか知っているのかな? さっき、ある時からって言っていたような気がするんだけど……」
するとカナちゃんは少し頬を赤くしながら顔をそむけた。
え? 俺、変な事を聞いたのかな?
「ご、ゴメン。もしかしたら今の質問はあまり触れちゃいけないところだったのかな? もしそうなら別に答えなくてもいいからね」
「ううん、違うの。本当はその理由をりょう君に聞いて欲しいの……でも恥ずかしくて……」
俺に聞いて欲しいけど恥ずかしい内容なのか? 逆に内容を知らない俺まで恥ずかしくなりそうなんだけど……
「あのね、あの日……5年前にりょう君と出会うまでは翔太は私に対してとても優しかったんだ……本当のお兄ちゃんみたいに……でも……あの日、りょう君に助けられた私は……」
お、俺がカナちゃんを助けた日……?
「私はりょう君の事が好きになってしまったの……りょう君は私の初恋の人なの!! 」
「えっ!? お、俺がカナちゃんの初恋の人……」
俺はカナちゃんから思ってもみなかった事を言われて動揺してしまうが、カナちゃんは俺の動揺に気付くことなく話し続ける。
「その日からね、私は翔太や他の友達に私の好きな人はりょう君だって言い続けていたの……それに対して誰にも迷惑をかけていないと思っていたけど、翔太だけは違ったみたい……私の事が好きだった翔太はある日、突然……」
翔太君がずっと恋愛対象して見ていたカナちゃんが急に他の人の事を好きになり、そして好きな人の話を毎回聞かされるのが耐えられなった翔太君はいつの間にかそのストレスを解消する手段としてカナちゃんに言葉や行動で色々な嫌がらせをするようになったという事らしい。
「りょう君、翔太をそんな気持ちにさせてしまった私って……悪い子なのかな? それに、りょう君は私の初恋の人だと言われて迷惑なのかな? ウウッ……」
「カナちゃん……」
俺は抱きしめている手を強めながらカナちゃんに言う。
「カナちゃんは何も悪く無いよ。逆に被害者じゃないか。そりゃ翔太君にも少しは同情する部分はあるけどさ、でもやっぱり翔太君は一つ上のお兄ちゃんなんだから我慢するべきだったんだ。いくらカナちゃんの事が好きでも無理矢理キスするのは絶対によくない」
そうだよ。俺だって広美の事を小さい頃から好きなのにずっと我慢して……俺の場合は根性無しの部類かもしれないけど……
「りょう君、ありがとう。そう言ってもらえて凄くホッとしたよ。でも、もう一つの質問の返事はまだもらえていなんだけど……」
カナちゃんはそう言うと再び顔を赤くした。
「あっ、そ、そうだったね? カナちゃんの初恋の相手が俺っていうのが迷惑かどうかだったよね? ゴメンね、せっかく勇気を出して言ってくれたのに……」
「そ、それで……りょう君はどうなの? 迷惑なのかな……?」
俺はカナちゃんの頭を撫でながら笑顔で答える。
「ううん、迷惑じゃないよ。逆に俺なんかの事を好きになってくれるなんて凄く嬉しいし、カナちゃんみたいな可愛い子の初恋の人になれるなんて光栄だよ。ありがとね、カナちゃん」
「ほ、本当に……?」
カナちゃんの大きな瞳から再び涙が流れだす。でも表情は穏やかだ。
「勿論、本当だよ。もし、カナちゃんが高校生なら俺から付き合ってくださいって言っているところさ。ハハハ……」
「そ、それじゃぁ私と付き合って!?」
「へっ? イヤイヤイヤッ、カナちゃん、冗談はやめてよぉ。カナちゃんは小学生だよ。ビ、ビックリするじゃないかぁ……ハハハ……」
俺が自分の頭を掻きながら笑顔で言うとカナちゃんの目の色が変わる。
「冗談じゃない。本気だよ。私はりょう君と付き合いたい!!」
カナちゃんの目は本気だ。さすがの鈍感な俺でも分かる。でも……
「俺は高3でカナちゃんはまだ小5だよ。歳が7歳も離れているし、どう考えても無理があるよ。それくらいのことはカナちゃんも分かるよね?」
「わ、分かるけど……分かりたくない……」
まだ出会って今日で二回目の俺なんかと……俺の事なんて何も知らないカナちゃんはどうして付き合いたいなんて言うのだろうか……
それに俺には未だに自分の想いを伝えることが出来ないでいる好きな人と、そんな腰抜けな俺なのに昔から好きだったと告白してくれた人がいる。
まずはそこをハッキリさせないといけないんだ。っていうか、ハッキリさせても小学生のカナちゃんと付き合うのは論外だけど。
俺が困惑しているとカナちゃんが俯きながら何かブツブツ言っている。何を言っているんだろうと思い俺は顔を近づけた。すると突然、カナちゃんは俺の方を見上げてきたと思った瞬間……
カナちゃんの小さな唇が俺の唇と重なった。
えっ!?
う、嘘だろ!?
俺がカナちゃんとキスをしている!?
そ、そんな……
小学5年生のカナちゃんが……
俺のファーストキスの相手になってしまった。
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遂に亮二と加奈子が……
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
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