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リッカとアッシュ(sideアッシュ)
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リッカと初めて言葉を交わした時の事は今でも思い出せる。
『リッカ』
FFOで有名なプレイヤー。
笑ったら可愛いだろう顔は無表情で、口数が少ない。
男にしては小柄で華奢。
生体をスキャンするシステムだから元々の容姿が知れた。極端な変更は出来ないからだ。
身長や体重もさほど増減は出来ない。
顔立ちは選んだ種族でイジれる箇所がまちまちだが、こちらもそんなに変えられない。
そんな見た目のプレイヤーが。
運営会社がバグかと思った、レイドボスのソロ討伐。
ヤバいだろう。
レイドボスって、複数のプレイヤーがパーティー組んで更に複数のパーティーで共闘して倒すもんだろ?!
結局、何でかリッカの火力が天元突破で、ボスも正常だったと運営会社から通知があって。
元々の見た目にヤベえ戦闘力が加わり、遠巻きに眺めていた奴らが更に遠巻きになり、リッカに声をかける猛者は中々現れなかった。
そんな頃、リッカが実は生産メインで活動しているプレイヤーだったと耳にし、他のヤツに詳しく聞くと、不定期で店を開けてるらしい、とのこと。
早速、リッカの行動を気にしてみると、ソロで素材収集に行き、集まると自分の拠点で生産し、生産物が溜まったり素材収集がないときに露店で売ってるようだった。
なるほどと、次にいつ店を出すのか暫く様子を伺っていたら。
「お前、ストーカーって言葉を知っているか?」
呆れたようにフレンドの一人に言われた。
「どう見てもヤバいヤツ」
「お巡りさーん! ここですよー!」
「マジウケるw」
好き勝手言いやがって。
「人それぞれだが、犯罪に走るなよ?」
「リッカちゃん、成人には見えない」
「ちゃん付けするな! 大丈夫、18は過ぎてる!」
「確かにこれ、R18からだったね。β版からやってたら20歳は過ぎてるか」
リリースされてから3年目。確かにβ版も18からだったし。大丈夫・・・って誰に言ってんだよ。
友人達に揶揄われつつ、次の開店時に出向いて桜と雪の結晶の小物が目に入り、どれにしようかと真剣に考えていたら。
「ふっ」
小さい笑いを含んだ声が聞こえて、慌てて顔をあげたら、無表情のリッカと目が合って。
無表情だけど声音は楽しそうで。
お互い、自己紹介をしたら、ぼっちなんて聞こえたから。
フレンド登録して貰った。
『初めて、嬉しい』
って・・・。
別れてから友人達が影から終始見ていたことを知り、赤面しつつ、幸せを噛みしめた。
「お前ってノンケだったよな?」
「・・・そうだが?」
怪訝な顔で言い返したら、そいつはやれやれって感じで、
「・・・まあ、好きになったヤツがたまたま男だっただけだ」
「・・・・・・ん?」
そう言われて、そっか、コレが恋か、ってストンと腑に落ちた。
男とか女とか関係なくて、『リッカ』だから。
さっきの笑顔が駄目押しだったんだ。
「お前がどうしようと俺達はお前の味方だからね」
ガンバレ、なんて言ってくれる友人達には嬉しいが、ナニを頑張れと?!
結局、実はヘタレだったと知った俺がどうにか出来る筈もなく、FFO内で会うだけの友人枠から進展はなかった。
それでも、リッカからは好意的な雰囲気がいつも溢れていて、もしかして、なんて思ったり。
友人達に揶揄われつつも、この関係を壊したくなくて平静を装っていつも通りにFFOで会って、別れた。
『またね。アッシュ』
それが最後の言葉になるとも思わずに。
それから間もなく、ある噂が流れてきた。
とあるプレイヤーがログイン中に亡くなったらしい・・・と。
それが。
まさか。
リッカだったなんて。
ニュースで見たリッカは色合いこそ違えど、まんまリッカの姿で。
リアルでも友人だった皆が口々に声をかけてくれたが、俺は泣くことしか出来なかった。
それからどう生きていたか記憶にない。
気付いたら異世界の人族の兵士だったから。
でも。
そこで『リッカ』に出会えたのは運命だったと、今でも思っている。
『リッカ』
FFOで有名なプレイヤー。
笑ったら可愛いだろう顔は無表情で、口数が少ない。
男にしては小柄で華奢。
生体をスキャンするシステムだから元々の容姿が知れた。極端な変更は出来ないからだ。
身長や体重もさほど増減は出来ない。
顔立ちは選んだ種族でイジれる箇所がまちまちだが、こちらもそんなに変えられない。
そんな見た目のプレイヤーが。
運営会社がバグかと思った、レイドボスのソロ討伐。
ヤバいだろう。
レイドボスって、複数のプレイヤーがパーティー組んで更に複数のパーティーで共闘して倒すもんだろ?!
結局、何でかリッカの火力が天元突破で、ボスも正常だったと運営会社から通知があって。
元々の見た目にヤベえ戦闘力が加わり、遠巻きに眺めていた奴らが更に遠巻きになり、リッカに声をかける猛者は中々現れなかった。
そんな頃、リッカが実は生産メインで活動しているプレイヤーだったと耳にし、他のヤツに詳しく聞くと、不定期で店を開けてるらしい、とのこと。
早速、リッカの行動を気にしてみると、ソロで素材収集に行き、集まると自分の拠点で生産し、生産物が溜まったり素材収集がないときに露店で売ってるようだった。
なるほどと、次にいつ店を出すのか暫く様子を伺っていたら。
「お前、ストーカーって言葉を知っているか?」
呆れたようにフレンドの一人に言われた。
「どう見てもヤバいヤツ」
「お巡りさーん! ここですよー!」
「マジウケるw」
好き勝手言いやがって。
「人それぞれだが、犯罪に走るなよ?」
「リッカちゃん、成人には見えない」
「ちゃん付けするな! 大丈夫、18は過ぎてる!」
「確かにこれ、R18からだったね。β版からやってたら20歳は過ぎてるか」
リリースされてから3年目。確かにβ版も18からだったし。大丈夫・・・って誰に言ってんだよ。
友人達に揶揄われつつ、次の開店時に出向いて桜と雪の結晶の小物が目に入り、どれにしようかと真剣に考えていたら。
「ふっ」
小さい笑いを含んだ声が聞こえて、慌てて顔をあげたら、無表情のリッカと目が合って。
無表情だけど声音は楽しそうで。
お互い、自己紹介をしたら、ぼっちなんて聞こえたから。
フレンド登録して貰った。
『初めて、嬉しい』
って・・・。
別れてから友人達が影から終始見ていたことを知り、赤面しつつ、幸せを噛みしめた。
「お前ってノンケだったよな?」
「・・・そうだが?」
怪訝な顔で言い返したら、そいつはやれやれって感じで、
「・・・まあ、好きになったヤツがたまたま男だっただけだ」
「・・・・・・ん?」
そう言われて、そっか、コレが恋か、ってストンと腑に落ちた。
男とか女とか関係なくて、『リッカ』だから。
さっきの笑顔が駄目押しだったんだ。
「お前がどうしようと俺達はお前の味方だからね」
ガンバレ、なんて言ってくれる友人達には嬉しいが、ナニを頑張れと?!
結局、実はヘタレだったと知った俺がどうにか出来る筈もなく、FFO内で会うだけの友人枠から進展はなかった。
それでも、リッカからは好意的な雰囲気がいつも溢れていて、もしかして、なんて思ったり。
友人達に揶揄われつつも、この関係を壊したくなくて平静を装っていつも通りにFFOで会って、別れた。
『またね。アッシュ』
それが最後の言葉になるとも思わずに。
それから間もなく、ある噂が流れてきた。
とあるプレイヤーがログイン中に亡くなったらしい・・・と。
それが。
まさか。
リッカだったなんて。
ニュースで見たリッカは色合いこそ違えど、まんまリッカの姿で。
リアルでも友人だった皆が口々に声をかけてくれたが、俺は泣くことしか出来なかった。
それからどう生きていたか記憶にない。
気付いたら異世界の人族の兵士だったから。
でも。
そこで『リッカ』に出会えたのは運命だったと、今でも思っている。
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