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稀人様は可愛らしい美人(sideセバス)
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年に一度の二つの月が満月になる日。
ここ辺境伯領では毎年、この時期になると魔物や魔獣対策の為に騎士団を送り出す。
辺境伯の次男であるヒューズ様を団長に据え、今年も森で野営して監視していた。
その騎士団が満月の次の日の午後に帰城した。
---一人の稀人を連れて。
「怪我で体力が落ちているから、このまま寝かせてやりたい。セバス、俺の寝室に寝かせるから準備を頼む」
そういって自ら抱き上げて運ぶヒューズ様に、一体何を見せられているのかと一瞬、呆然としたが、とにかく急いで準備を整えた。
そして寝かせるためにコートを外せば・・・。
恐ろしく整った美しい顔。
そして何より、この艶やかな黒髪・・・。
「坊ちゃま、この方は・・・」
「ああ、稀人だ。夕べ魔狼に追われていたのを保護した」
「・・・左様でございましたか。どこをお怪我なさっておいでで?」
「ああ。背中と右足首が特に酷かった。手足にも擦り傷や切り傷がある。治癒魔法を酷かった箇所に使った。それで疲れが出たのだと思う。だからこのまま寝かせてやりたい」
細々とした準備をするため、一旦側を離れたが、何かを耐えるようなヒューズ様にダグラスが頭を叩いて用事を促していた。
大丈夫だろうか?
ヒューズ様方が旦那様の執務室に行っている今のうちに、稀人様の身の回りの物を揃える。
先程見た服は新団員の物でしょうが、いかんせん大きすぎますね。
確か坊ちゃまのお小さい時の服が残っていたはず。
10才頃のサイズなら着られるでしょうか。
・・・肩幅や腰周りが余りそうではありますが。
報告を終えたヒューズ様方が着替えを済ませて稀人様のところに戻って参りました。
少しして稀人様が目を覚ましたようです。
坊ちゃまがお声がけされて、清拭と着替えの用意をと指示されましたので準備していた服とお湯をお持ちしました。
おもむろに服に手をかけた稀人様の様子に慌てて回れ右をした坊ちゃまに、『おや?』と様子を窺うと、耳まで真っ赤です。
---これは・・・。
密かに口元に笑みを浮かべて稀人様のお世話を致しましたが、この方は高位貴族階級の方ですね。
お世話をされることに慣れてらっしゃる。
上品で物腰も柔らかい。
ますます坊ちゃまにお似合いです。
これで成人してらっしゃるのならば・・・。
そう思っておりましたが、その後の話を聞いていると雲行きが怪しくなって参りました。
何やらその生活環境に些か、いえ、かなり問題のある発言が飛び出して、我ら4人とも思わず殺気だってしまいました。
その話が強烈過ぎて聞き流してしまいましたが、先程、有り得なさそうな事を口にされてましたよね?!
二年前、15才・・・。
え? それでは今は17才?!
エマと2人で驚愕していると、ヒューズ坊ちゃまがさり気なく愛の告白のような台詞を吐いておりました。
どう捉えたのかは分かりかねますが、稀人様-ルカ様はうれし涙を流しておられました。
この方はおそらく、余り愛されずに育ったのでしょう。
必死に勉学や仕事を頑張って、しかしそれを当然のようにされ、認めて貰えなかった。
捨てられた・・・そうおっしゃってましたが、きっと捨てられたのはその家族の方でしょう。
今頃、向こうの世界で後悔していればよいのですよ。
私達は、ルカ様とヒューズ坊ちゃまの応援をいたします!
ここ辺境伯領では毎年、この時期になると魔物や魔獣対策の為に騎士団を送り出す。
辺境伯の次男であるヒューズ様を団長に据え、今年も森で野営して監視していた。
その騎士団が満月の次の日の午後に帰城した。
---一人の稀人を連れて。
「怪我で体力が落ちているから、このまま寝かせてやりたい。セバス、俺の寝室に寝かせるから準備を頼む」
そういって自ら抱き上げて運ぶヒューズ様に、一体何を見せられているのかと一瞬、呆然としたが、とにかく急いで準備を整えた。
そして寝かせるためにコートを外せば・・・。
恐ろしく整った美しい顔。
そして何より、この艶やかな黒髪・・・。
「坊ちゃま、この方は・・・」
「ああ、稀人だ。夕べ魔狼に追われていたのを保護した」
「・・・左様でございましたか。どこをお怪我なさっておいでで?」
「ああ。背中と右足首が特に酷かった。手足にも擦り傷や切り傷がある。治癒魔法を酷かった箇所に使った。それで疲れが出たのだと思う。だからこのまま寝かせてやりたい」
細々とした準備をするため、一旦側を離れたが、何かを耐えるようなヒューズ様にダグラスが頭を叩いて用事を促していた。
大丈夫だろうか?
ヒューズ様方が旦那様の執務室に行っている今のうちに、稀人様の身の回りの物を揃える。
先程見た服は新団員の物でしょうが、いかんせん大きすぎますね。
確か坊ちゃまのお小さい時の服が残っていたはず。
10才頃のサイズなら着られるでしょうか。
・・・肩幅や腰周りが余りそうではありますが。
報告を終えたヒューズ様方が着替えを済ませて稀人様のところに戻って参りました。
少しして稀人様が目を覚ましたようです。
坊ちゃまがお声がけされて、清拭と着替えの用意をと指示されましたので準備していた服とお湯をお持ちしました。
おもむろに服に手をかけた稀人様の様子に慌てて回れ右をした坊ちゃまに、『おや?』と様子を窺うと、耳まで真っ赤です。
---これは・・・。
密かに口元に笑みを浮かべて稀人様のお世話を致しましたが、この方は高位貴族階級の方ですね。
お世話をされることに慣れてらっしゃる。
上品で物腰も柔らかい。
ますます坊ちゃまにお似合いです。
これで成人してらっしゃるのならば・・・。
そう思っておりましたが、その後の話を聞いていると雲行きが怪しくなって参りました。
何やらその生活環境に些か、いえ、かなり問題のある発言が飛び出して、我ら4人とも思わず殺気だってしまいました。
その話が強烈過ぎて聞き流してしまいましたが、先程、有り得なさそうな事を口にされてましたよね?!
二年前、15才・・・。
え? それでは今は17才?!
エマと2人で驚愕していると、ヒューズ坊ちゃまがさり気なく愛の告白のような台詞を吐いておりました。
どう捉えたのかは分かりかねますが、稀人様-ルカ様はうれし涙を流しておられました。
この方はおそらく、余り愛されずに育ったのでしょう。
必死に勉学や仕事を頑張って、しかしそれを当然のようにされ、認めて貰えなかった。
捨てられた・・・そうおっしゃってましたが、きっと捨てられたのはその家族の方でしょう。
今頃、向こうの世界で後悔していればよいのですよ。
私達は、ルカ様とヒューズ坊ちゃまの応援をいたします!
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