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帰郷
しおりを挟む国王陛下の謁見も済み、王都観光も楽しんで帰宅の途についた。
行きに寄ったタイラー子爵家に再び滞在して、王都でのあれやこれやの土産話を語って大盛り上がりだった。
その後も順調に進み、およそ10日ぶりに辺境伯領へと帰ってきたのだった。
「「「お帰りなさい」」」
邸に着くと、義兄夫婦と甥っ子が出迎えてくれた。
使用人達も総出で、騎士団も手の空いてる人達が集まっていた。
僕は思わず涙ぐむ。
ここに帰ってきた。
僕の居場所はここで、この家に帰って来て良いんだって、改めて認識できて・・・。
「---ッヒューズ、ありがとう・・・僕を見つけてくれて・・・・・・僕を愛してくれて、お嫁さんにしてくれてありがとう」
「俺の方こそ・・・・・・ここに来てくれてありがとう。俺を愛してくれてありがとう」
そういって顔を寄せて口付けを・・・・・・。
「そういうのは二人きりの時にやれ!」
バシッと音がして、ヒューズが呻いた。
僕はハッとして周りを見渡した。
使用人達も騎士団もあらぬ方向を向いている。
義兄夫婦と義父様、セバスも目を逸らしている。
だが甥っ子はガン見していた。
そしてキラキラと目が光っている。
義兄夫婦、子供の目も塞いで下さい!
「---!!」
ダグラスが止めてくれなかったら、またもや公衆の面前で恥ずかしいことになるところだった!
・・・・・・いや、ちょっと遅かった?!
いやいや未遂だから!!
なんて顔を赤くしたり青くしたり忙しないルカを抱え上げて平然と邸に入っていくヒューズ。
ルカは両手でしっかりと顔を隠していたが、耳や首筋は真っ赤だった。
皆はそれ以上はツッコまずに、ほのほのと温かく見守っていたのだった。
旅装を解いて軽装に着替えると、ヒューズはルカの唇に軽く触れるだけの口付けをして言った。
「---我慢出来なくなるから」
「---! うん・・・」
は、恥ずかしい。
何とか落ち着いてサロンへ行くと、他の皆が歓談していた。
「おお、着替えたのか。疲れたろう? ゆっくりしなさい」
「ありがとう、義父様。大丈夫、皆にお土産も渡したいし。セバス、お茶貰える?」
「畏まりました。疲れが取れるように蜂蜜を多めに入れましょうね」
「! ありがとう」
蜂蜜たっぷりの紅茶、好きなんだよね。
僕がほくほく顔をしていると、皆はにこにこ顔だ。
僕は本当にここに来て幸せだな。
もう、向こうの家族の顔も思い出さない。
僕の家族はココにいるから。
「---それでね、王城ではね・・・」
「・・・・・・ええ! そんなことが?!」
「あの時のルカ、格好良かった!」
「ふふふ、照れるなあ・・・・・・」
なんて、王都の話で盛り上がる。
これからどんな楽しいことがあるのかな?
ヒューズもいるし、義父様やダグラス、義兄様達もいる。
騎士団や使用人達も。
僕は今はたくさんの人に囲まれ、愛されているから、心から笑えるんだ。
まだまだ、これからたくさんの思い出を作ろうね、ヒューズ。
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