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49 攫われた管理者 1(sideゼクス)
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※前話でリスのぬいぐるみの所有者をウノと書いてましたが誤りです。正しくはドゥエです。修正しました。
『不本意ですが、なるべく早くお願いしますよ』
通信魔導具越しでも分かる、シュルツの怒りを堪えた声が・・・。
ソレはこちらも同じだが、自分の番いではない分、些か冷静ではある。
ソレからすぐに陛下の『非常事態宣言』で、今、皇城内は大騒ぎだった。
ソレはほんの数十分ほど前。
仕事内容の照らし合わせにと陛下の執務室で書類を確認しながら話をしている時だった。
イツキに付けている影からの緊急通信に、今ココが何処で誰がいるかなどすっかり忘れて慌てて応答してしまった。
緊急事態の時は時間など気にせずに連絡を入れろと言い付けてあったのでそこは別に良い。
良いのだが、今この時に入る緊急通信など、イツキ以外には無い事が分かっていたので陛下のことなど頭から抜け落ちてしまったのだ。
そして入ってきた情報に頭が一瞬真っ白になった。
───は?!
イツキが攫われた?
精霊の森にいたんだろう?
影もシュルツもいて、精霊の森の結界もちゃんと機能してたよな?!
───何故?!
詳しく話を聞けば、転移スキルを持つ奴隷を使ったらしい。
首に隷属の首枷が嵌まっているのが見えたそうだ。
・・・・・・確かに、感情を殺していれば良いも悪いもないから結界も反応しないのか・・・盲点だったな。
───しかしあの国の上層部は本当にゲスだな。
やはりというか、イツキの件で密かに調査していった結果、以前から悪い噂の絶えない景緑国に行き着いた。
国のトップである国王や宰相、大臣などが奴隷狩りや違法奴隷売買を黙認。
更には自身も違法奴隷を購入し、性奴隷にしたり首枷で意志を奪い、人とも思わぬ道具のような扱いをしていた。
おかげで堂々とのさばっている奴隷商人達。
おそらく国民の大半は、次は何時自分が奴隷の立場に変わるかと精神的にも辛い生活をしているのだろう。
万が一、違法奴隷にされても国は何もしてはくれないのだから・・・。
「───アイツらは、そのせいで真っ当な国民が他国に流れていって国が衰退してきていることに気付いてないのかねぇ」
「気付いていたらとっくの昔に取り締まって改善してるだろうよ。ソレが答えだ」
ゼクスが呆れたように呟くと、竜帝陛下が心底軽蔑したように吐き捨てた。
やさぐれる気持ちは分かりますが、もう少しトップとしての体裁を保って下さい、陛下。
「まあ、良いでしょう。あちらに向ける兵力は騎士団長に任せます。公爵家からも出すのでさほどの人数は必要ないですが・・・ああ、間違って攻撃しないように、ウチの戦力達と事前に顔合わせをしておきますか。ヌル、彼等をこちらに寄越してくれ」
『御意』
気配無く声を発して消えた公爵家のリーダーである影。
さすがに優秀である。
「・・・・・・お前ね、いつも思うんだがココ皇城だよ? 皇家の専属の影もいるのに、何でそんなに簡単にホイホイ出入り出来るわけ? え? もしかしてココの防衛、そんなに杜撰?!」
「そんなわけ無いでしょう。きっちり護れてますよ。ウチのが凄いだけです」
「───ええ・・・。すっごい負けた気分・・・。で? お前んとこの? 影達を呼んだわけ?」
「ええ。まかり間違って同士討ちなんて洒落にもなりませんので。事前に顔合わせをしてなお攻撃してきたらメタクソにやり返しますので」
「・・・・・・だってよ騎士団長。気を付けろよ。シュヴァルツ公爵はやると言ったら必ずやるからな」
「・・・・・・肝に銘じます」
「じゃあ騎士団詰め所に行きましょうか」
楽しそうな陛下と若干青い顔の騎士団長を引き連れて詰め所に着くと、ゼクスはヌル達を呼んだ。
その瞬間、ざわっとした空気が湧き上がった。
「───・・・・・・ゼクス、アレはウサギのぬいぐるみに見えるんだが」
「ええ、ぬいぐるみですよ。『ノイン』御挨拶」
「───ノイン?! お前、マジで奥方の名前付けてんの?!」
ゼクスの言葉に陛下が驚愕し、騎士団長を始めとした騎士達は固まった。
ノインと呼ばれたウサギのぬいぐるみは普通に二足歩行していて、普通に動いていた。
ゼクスに『御挨拶』と声をかけられて、話こそしなかったが、左手をしゅたっと上げて挨拶(だと思う)をした。
「・・・・・・ゼクス。もしかして、シュルツに贈られたって言う、亡き奥方そっくりなぬいぐるみが、ソレか?」
「ええ。可愛いでしょう? ノインにそっくりで・・・強いですよ」
「───はあ?!」
「間違って攻撃しないように。反撃は死ぬほど恐ろしいので!」
「・・・・・・」
力説するゼクスに無言で奇妙な瞳を向ける陛下や騎士達だった。
この数時間後、彼の国でソレを思い知ることになる。
『不本意ですが、なるべく早くお願いしますよ』
通信魔導具越しでも分かる、シュルツの怒りを堪えた声が・・・。
ソレはこちらも同じだが、自分の番いではない分、些か冷静ではある。
ソレからすぐに陛下の『非常事態宣言』で、今、皇城内は大騒ぎだった。
ソレはほんの数十分ほど前。
仕事内容の照らし合わせにと陛下の執務室で書類を確認しながら話をしている時だった。
イツキに付けている影からの緊急通信に、今ココが何処で誰がいるかなどすっかり忘れて慌てて応答してしまった。
緊急事態の時は時間など気にせずに連絡を入れろと言い付けてあったのでそこは別に良い。
良いのだが、今この時に入る緊急通信など、イツキ以外には無い事が分かっていたので陛下のことなど頭から抜け落ちてしまったのだ。
そして入ってきた情報に頭が一瞬真っ白になった。
───は?!
イツキが攫われた?
精霊の森にいたんだろう?
影もシュルツもいて、精霊の森の結界もちゃんと機能してたよな?!
───何故?!
詳しく話を聞けば、転移スキルを持つ奴隷を使ったらしい。
首に隷属の首枷が嵌まっているのが見えたそうだ。
・・・・・・確かに、感情を殺していれば良いも悪いもないから結界も反応しないのか・・・盲点だったな。
───しかしあの国の上層部は本当にゲスだな。
やはりというか、イツキの件で密かに調査していった結果、以前から悪い噂の絶えない景緑国に行き着いた。
国のトップである国王や宰相、大臣などが奴隷狩りや違法奴隷売買を黙認。
更には自身も違法奴隷を購入し、性奴隷にしたり首枷で意志を奪い、人とも思わぬ道具のような扱いをしていた。
おかげで堂々とのさばっている奴隷商人達。
おそらく国民の大半は、次は何時自分が奴隷の立場に変わるかと精神的にも辛い生活をしているのだろう。
万が一、違法奴隷にされても国は何もしてはくれないのだから・・・。
「───アイツらは、そのせいで真っ当な国民が他国に流れていって国が衰退してきていることに気付いてないのかねぇ」
「気付いていたらとっくの昔に取り締まって改善してるだろうよ。ソレが答えだ」
ゼクスが呆れたように呟くと、竜帝陛下が心底軽蔑したように吐き捨てた。
やさぐれる気持ちは分かりますが、もう少しトップとしての体裁を保って下さい、陛下。
「まあ、良いでしょう。あちらに向ける兵力は騎士団長に任せます。公爵家からも出すのでさほどの人数は必要ないですが・・・ああ、間違って攻撃しないように、ウチの戦力達と事前に顔合わせをしておきますか。ヌル、彼等をこちらに寄越してくれ」
『御意』
気配無く声を発して消えた公爵家のリーダーである影。
さすがに優秀である。
「・・・・・・お前ね、いつも思うんだがココ皇城だよ? 皇家の専属の影もいるのに、何でそんなに簡単にホイホイ出入り出来るわけ? え? もしかしてココの防衛、そんなに杜撰?!」
「そんなわけ無いでしょう。きっちり護れてますよ。ウチのが凄いだけです」
「───ええ・・・。すっごい負けた気分・・・。で? お前んとこの? 影達を呼んだわけ?」
「ええ。まかり間違って同士討ちなんて洒落にもなりませんので。事前に顔合わせをしてなお攻撃してきたらメタクソにやり返しますので」
「・・・・・・だってよ騎士団長。気を付けろよ。シュヴァルツ公爵はやると言ったら必ずやるからな」
「・・・・・・肝に銘じます」
「じゃあ騎士団詰め所に行きましょうか」
楽しそうな陛下と若干青い顔の騎士団長を引き連れて詰め所に着くと、ゼクスはヌル達を呼んだ。
その瞬間、ざわっとした空気が湧き上がった。
「───・・・・・・ゼクス、アレはウサギのぬいぐるみに見えるんだが」
「ええ、ぬいぐるみですよ。『ノイン』御挨拶」
「───ノイン?! お前、マジで奥方の名前付けてんの?!」
ゼクスの言葉に陛下が驚愕し、騎士団長を始めとした騎士達は固まった。
ノインと呼ばれたウサギのぬいぐるみは普通に二足歩行していて、普通に動いていた。
ゼクスに『御挨拶』と声をかけられて、話こそしなかったが、左手をしゅたっと上げて挨拶(だと思う)をした。
「・・・・・・ゼクス。もしかして、シュルツに贈られたって言う、亡き奥方そっくりなぬいぐるみが、ソレか?」
「ええ。可愛いでしょう? ノインにそっくりで・・・強いですよ」
「───はあ?!」
「間違って攻撃しないように。反撃は死ぬほど恐ろしいので!」
「・・・・・・」
力説するゼクスに無言で奇妙な瞳を向ける陛下や騎士達だった。
この数時間後、彼の国でソレを思い知ることになる。
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