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64 お茶会前日の精霊の森からの
しおりを挟むついにお茶会前日となった今日。
精霊の森では、樹希がお茶会に着ていく衣装の最終チェックをしていた。
「・・・ねえ、コレ本当に大丈夫なの?」
「・・・・・・可愛い」
樹希がちょっと恥ずかしそうに膝上のハーフパンツの裾を引っ張って膝を隠そうとしている。
その仕草も相まって、シュルツの心は撃ち抜かれていた。
・・・決してショタコンではない。
そもそも樹希は成人しているので合法ショ・・・ゴホン。
『うむ。よく似合ってる』
『色といい、デザインといい、イツキにぴったりだな』
『コレってオーダーメイドだよな? 何時作ったんだ?』
精霊王達も感心している。
オーダーメイドって言われて樹希は疑問符を浮かべる。
「ええ? そんなもの頼んでないよ?」
『じゃあ竜の子か?』
『センス良いな』
話の矛先がシュルツに向いて、苦笑したシュルツが応えた。
「---あー、いえ。俺は頼んでません」
「え? そうなの?!」
「コレは母上だな。こういうの、趣味なんだよ。俺はサイズを教えただけで・・・」
「・・・そういえばフェアたんも手作りだったね」
僕は料理も裁縫も最低限しか出来ない。
でも、スパダリなシュルツがいるから大丈夫!
「・・・うんうん、シュルツがいれば他はどうでもいいや」
「何がどうしてそうなったのか分からんが、嬉しいことを言ってくれる」
『あー・・・、コレは退散したほうが良いかな?』
『うむ。可及的速やかに消えようぞ』
『『『『賛成』』』』
そう言ってサッサと還っていった精霊王達に気付かず、樹希は試着していた服をシュルツに脱がせて貰いながら思った。
・・・アレ、ウサギのぬいぐるみのこと、母様って呼んだ方が良いのかな?
「---ねえ、シュルツ・・・っうわっ」
振り返ったら目の前にシュルツの顔があって思わず仰け反った。・・・が、すぐに腰を引き寄せられて思ったよりも離れられず。
「・・・どうした?」
「えっと、シュルツ? 何でそんなに色気が出てるの?」
「・・・イツキに煽られたから」
「・・・・・・え?」
急に艶っぽい声で囁かれて、樹希はドギマギしながら考えた。
・・・・・・さっきの今で、煽られるトコあった?!
えー?!
分かんないよー!!
「あのその、シュルツ・・・まだお昼過ぎたところで」
「ああ」
「あし、明日は・・・お茶会・・・」
「そうだな」
「あああのっ! だから今日は、あの、その」
「・・・加減する」
「・・・・・・」
---あーん!!
もうコレ決定事項?!
変更不可?!
赤くなったり青くなったりしてどもる樹希にクスッと笑いながら、いつの間にか裸に剥かれた樹希を抱き上げて寝室に向かうシュルツ。
---お茶会のあと数日は向こうに泊まるからな。
さすがに向こうで閨は恥ずかしいだろう。
例え声が漏れなくても。
俺だって、家族にさえ事後のイツキを見せたくは無いからな・・・。
だから今のうち堪能させてくれ。
向こうでは我慢するから。
---結局、夜も更けてきた頃、漸く解放された樹希はシュルツに甲斐甲斐しく御世話をされながら寝落ち、朝までぐっすり眠ったのだった。
そして眠ったままシュルツによって公爵家に転移され、これまたシュルツに甲斐甲斐しく準備をされて漸く目覚め、見知らぬ部屋に驚いて叫ぶのだった。
「---なんじゃこりゃ---っ!!」
もちろん防音のしっかりしたシュルツの部屋だったので、驚いて誰かがやってくる、なんてベタな事は起こらないのだが。
「おはよう、イツキ。大丈夫、公爵家の俺の部屋だよ」
「おおおはよう、じゃないよ! いきなり知らない場所でビックリしたでしょ?! 起こしてよ---!!」
サプライズとか要らないんだよ!
心臓に悪いなー!!
「あー・・・、一応起こしたが、起きなくてな・・・すまん」
「・・・・・・だーかーらー、昨日は無しって言おうとしたのに・・・。もう、済んだことだから仕方が無いけど! 次は無しで!!」
「・・・・・・すまん」
ちょっとシュンとしたシュルツが、大型犬が耳と尻尾を垂れてるように見えて、ちょっと笑った。
そんなこんなで、ついにお茶会当日になりました。
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