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69 ナンかエラいヒトがキター!!
しおりを挟むその後、さすがに使用人達全員の紹介は無理なので、執事長だというスミスさんが代表で『よろしくお願い致します』と挨拶してくれた。
このスミスさん、シュルツ達が生まれる前から公爵家に仕えてるんだって。
それでシュルツ達の事も坊ちゃまと言うらしい。
・・・・・・後でシュルツの事、教えてくれないかな?
子供の頃の話とか聞いてみたい。
「イツキ、何を考えているのか分かってるぞ。・・・・・・スミスも余計なことは言わないように」
「えっ?! なんでぇ?!」
ちょっと嫌そうな声でスミスに釘を刺すシュルツに、ほのほのと堪えて無さそうに笑うスミスが言った。
「ほっほ、イツキ様に聞かれればお答えしないわけにはいきませんなあ」
「・・・あ、あのっ、シュルツが嫌がるなら聞きません! シュルツ本人に聞きます。すみません。だから、えーと・・・シュルツが赤ちゃんで何にも覚えてないような頃の話なら・・・良い?」
オロオロとしてシュルツとスミスを見ながら慌ててそう言う樹希に苦笑しながら頷くシュルツと、その様子を見てほのぼのとする公爵家の人々。
「それじゃあ、席について御茶会を---」
「待て待て待て---!! 俺を忘れてる! ていうかわざとだろ、お前ら!!」
ゼクスが促すと急に割り込んできたシュルツ達と同年代の男性。
しっかりと正装していることから、この御茶会に呼ばれたヒトかもしれない。
その証拠に公爵家の人々はちっとも驚いていない。
シュルツも同様だった。
唯一ポカンとしているのは樹希とギルミアだけだ。
『だーもー!! そんなに騒がないでくれる?! イツキちゃんもギルミアたんも驚いてるじゃん!!』
「じゃん!! じゃねえよ! 人を呼びつけといてなんだよその態度は! ---!! わっ悪かった! 言い過ぎた! だから威圧すんな!!」
「---・・・・・・竜帝陛下、落ち着いて下さい。ノインも静かに」
ゼクスがぎゃいぎゃい騒ぐ二人を低い声で窘めた。
二人はピシッと固まり、そろーっと振り向いた。
そして『ひっ!!』と小さく叫んだ。
---般若だ、般若がいる。
この世界に般若なんて無いだろうが、樹希にはまごう事無き般若が見えた。
ゼクスは顔は笑っているのに、目が笑っていない。
普段怒らない人が怒るとめちゃくちゃ怖いっていうアレですね?!
樹希も思わずシュルツにしがみ付いた。
あのヒトも顔が引き攣ってる・・・・・・ん?
そういえば、さっき竜帝陛下って言ってなかった?!
「シュルツ・・・・・・あの男の人って・・・」
「ああ、初めてお目にかかるな。俺達が住む竜帝国の太陽、竜帝陛下アウトクラトル様だ」
「・・・・・・はえぇ・・・え? どうしてそんなに凄い方が今日の御茶会に・・・?」
そんな事をボソボソと話していたら急に目の前に湧いてきた竜帝陛下。
「ああ、それは竜帝として【管理者】殿にお目通りしたかったからだよ。・・・まあ、それは建て前で、本当は幼馴染みの二人に番いが出来たって聞いたから、一目見たかったのさ。竜人って番い至上主義だから、隠しちゃって見せてくれないんだよ」
「はあ・・・」
「で、今回、御茶会の為に休暇申請してきたから、俺も混ぜて貰おうと思って!!」
「・・・・・・一応、条件の仕事をクリアしてきたので、仕方なく・・・済まない。席は別々だから」
ゼクスがそう言って雑に陛下の首根っこをつかんで引き離した。
あ、何時もの父様だ。
良かったー。
「そういう訳で、ようやく御茶会が始められそうだ。皆、準備をよろしく」
そう言うと、控えていた使用人達が音も無く一斉に動き出した。
「・・・・・・凄いねえ」
「皆、プロだからな」
「・・・・・・僕には一生かかっても無理だな・・・っわ?!」
そう言って一歩踏み出して、何もないのに転けた樹希を素早く抱き上げるシュルツ。
「何時も気を付けろと言ってるだろう?」
「ごめんなさい、ココにはドライアドもいないもんね。転んで草花たちが傷付くのはイヤだから、何時もより気を付ける!」
「・・・イヤ、俺が抱き上げたまま移動しよう」
ソレを目にした者全員が、信じられないモノを見る目で樹希を凝視し、シュルツがやたらと言っていた鈍臭いエルフ発言に納得したのだった。
---あれは付きっきりで世話したくなるわ。
そういう彼等も過保護な保護者枠にガッツリ入っていくのだった。
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