優しい庭師の見る夢は

エウラ

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71 お茶会当日の朝のシュヴァルツ公爵家 1(side使用人)

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ココは使用人達の控室。

手の空いている使用人達が、シュルツ様のお部屋へ誰が朝食を運ぶのかを決めるため、静かに闘志を燃やしております。


---いつの間にか早朝にひっそりと邸に帰っていらしたシュルツ様が大事そうに抱えている小柄な方。

その方がシュルツ様の番い様で精霊の森の【管理者】様ですね。
眠っていらっしゃるのか、シーツで包まれています。

そのシーツがシュルツ様が歩き出すとひらりとはだけて、そのご尊顔がちらっと見えました!

---なんて可愛らしい・・・!!

シュルツ様の掌に収まりそうな小さなお顔に薄紅の小さな唇。
真っ白な肌に薄金茶色のふわふわ柔らかそうな髪。

ああっ!!
その閉じた瞳の色が気になります!!

シュルツ様はシーツをかけ直し、こちらをちらっと見てから無言でご自分の部屋へ入ってゆかれました。


---と、戻ってきた先輩使用人が興奮してその様子を使用人控室で話すものだから、皆、その話題で持ちきりに・・・。

そのうち旦那様方の朝食の時間となりました。

食堂では旦那様がノンノン奥方様と共にテーブルに着き、アハト様は何時ものように番い様とご自身のお部屋で、シュルツ様もご自身のお部屋で摂られるだろうというので、その準備に取りかかります。

そこで冒頭のように、シュルツ様の元へ誰が向かうかという朝食争奪戦になるのです。

「ココは一度面識のある私が!」
「いやいや、一度見たんだから別の人にするべき!」
「じゃあじゃんけんで!!」
「負けるが勝ちで! じゃんけん---」
「何をしているのです」
「え」
「あっ」
「げっ」

不意に現れた執事長に驚き固まった使用人達。
そこに物理的に魔法の雷が落ちました。
執事長の雷魔法のサンダーですね。
ピンポイントで落ちるのでこちらには被害はありません。

私?
私はあの争奪戦には加わっておりませんでしたので無事ですが。
彼女達は純粋な竜人なので、私には太刀打ち出来ませんし。

そこに執事長がこちらを見て指示を出します。

「そこの貴方・・・新人のエリン。シュルツ様のお部屋に朝食を運びなさい。後はシュルツ様の指示に従って深入りしないように。くれぐれも良いですね?」
「---は、はい!! すぐにお持ちします!!」

私は急いで厨房に向かい、ワゴンを受け取ると静かにシュルツ様のお部屋をノックする。

扉を開けるシュルツ様に緊張しつつ部屋の中へ入れて貰うと、奥の椅子に座っている番い様が見えた。

---うっわ---顔小っさ!!
お人形さんみたい。
瞳が新緑色で綺麗・・・。

「後は俺がするから戻って良いぞ」

シュルツ様に言われてハッとする。

片付けのことをシュルツ様に話した後、ふと視線を感じて目を向けると番い様と目が合って微笑まれた。

---かっ可愛い---!!

思わずぽっとしてしまい、慌ててお辞儀をして部屋を辞した。


ソレから控室に戻ると先輩方から質問攻めにあい、その騒ぎで再び執事長から物理的に雷が落とされるのでしたが・・・。

---え?
私は落とされませんでしたよ。
何故でしょう?

ちなみに私はなので、執事長の『貴方』呼びは合ってますよ。
仕事以外では一人称『僕』なので。
女装は趣味です。
この職場ってそういうの許してくれるから大好きです。

私は人族なので番いの感覚は分かりませんが、たった一人を愛する心が羨ましいです。

---私は孤児院に捨てられて、15歳で孤児院の慰問にいらっしゃった公爵様に運良く雇われて、はや1年。
公爵家に仕える使用人として恥ずかしく無いように教育を施されて、最近、漸く新人デビューしたばかり。

そんな私の教育係を務めて下さった執事長が実は私のタイプなんですけどね。

いまだにお若い見た目でイケボなイケオジです。
人族での40代くらいに見えます。
ほっほ、なんてお爺さんっぽい笑いもギャップです。
包容力がありまくりな感じが最高なんです。

・・・まあ、竜人族ですから、聞いたことはありませんがあの方にも奥方様か番い様がたぶんいらっしゃるでしょうから・・・。

私の淡い恋心はそのうち消えるでしょう。


---なんてしんみりした気持ちが、この後のお茶会で霧散するとはこの時は思いもしませんでしたが・・・。





※何となく察した方もいるんじゃないですかね?
次も使用人視点の予定です。

夏休みの宿題の追い込みで執筆が滞ってます(作者の宿題ではありません(笑))ので、更新不定期です。
スミマセン。









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