優しい庭師の見る夢は

エウラ

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88 お疲れ様からの不穏な動き

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※途中でシュルツ視点になります。◇◇◇のあと。


シュルツの実家から5日ぶりに精霊の森に帰宅した。

結局、昼御飯までご馳走になってしまって、今は午後のお茶の時間。

「あー、やっぱり精霊の森ここが一番落ち着くー・・・・・・」

僕は両手足をソファに投げ出して、行儀悪く寝転がった。

「それはよかった」
「うん。あっ、別にシュルツの家が疲れるとかじゃないよ? 向こうも楽しかったけど、コッチの生活が長いから───」

言ってから慌てて起き上がってシュルツにそう言った。
するとシュルツは和やかな笑顔でお茶を持ってきて言った。

「ああ、気にしてないぞ。イツキが人慣れしてなくて気疲れしてるとは思っていた。むしろよく付き合ってくれたな。ありがとう」
「まあ、ちょっと疲れたかな。やっぱり静かでゆったりした森が好きなんだなって再認識したな」

時間に縛られず、のんびり流れる時間が好きだ。今はそこにシュルツがいてくれるから、なお好きになった。

「ふふ、まあ、たまにはあんな賑やかな時間も楽しいよ」
「たまにならな。・・・・・・四六時中アレだと疲れる」

・・・・・・そう言って深い溜め息を吐くシュルツは、なんかめちゃくちゃ実体験な話し方だったのでツッコめなかった。
母様、めちゃくちゃ元気だったもんな。

「ともかく、落ち着いたらまたいつものようにのんびり森を浄化すればいいや」
「そうだな。留守の間、大丈夫だったかな?」
「うーん、特にザワついた感じもないし、精霊達も騒がないから大丈夫だと思うけど」

シュルツとお茶を飲みながらそんな話をしていたが。

「・・・・・・そういえば、いつもワラワラと寄ってきて騒がしい精霊達がいない・・・・・・?」

気付いてそう言うとシュルツも頷いた。

「───確かに精霊王様達も見ないな。珍しい」
「僕達、帰ってきたばかりで皆遠慮してる?」
「・・・・・・そうかもな」

そう言いつつ、シュルツは森の方をしばらく見つめていた。

何か・・・・・・あったのかな?

気にはなったが、浄化以外に役に立たない僕に出来ることはないので、お茶のあとフェアたんを抱っこしてソファでお昼寝タイム。

───その間に秘かにシュルツが動いていたことに気付かないまま、のんびりと夢の中だった。

   ◇◇◇

イツキが眠ったのを確認してフェアたんと本日担当の影警護ウノにイツキを託す。

「頼んだ」
『御意』

フェアたんは片腕をそっとあげて是の意思表示だったが。

俺は一通り装備を身に着けると、静かに森に入った。
いつもなら騒がしいくらいの精霊達の気配が近くに全くない。

「・・・・・・これはかなりマズい状況かもな」

森を覆う結界は異常がないようだが、森の中心から外に行くにつれ薄くなっていく。その薄い方で何かあったのかもしれない。
それで対処のために精霊達が出払っているとしたら・・・・・・?

「浄化以外に対処法がない事態だったらイツキが大変だな。要確認だ」

シュルツは微かに感じる精霊達の方へ向けて森の中を駆けていくのだった。







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