優しい庭師の見る夢は

エウラ

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93 お父さんとお母さんと一緒(sideフォス)1

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僕はファードラゴン。

鱗の代わりにもっふもふの毛が生えてる竜なんだ。
翼も翼竜のようなすべすべじゃなくて、鳥の羽根。
体長も、大きい竜でも尻尾を入れて四メートルくらい。僕はまだまだ子竜だから二メートルくらいかな。

ご飯は果物や木の実だよ。お肉は食べたことない。食べられるかもしれないけど、血の滴る生のお肉は、血生臭くて、オエッってなっちゃうから食べられなくてもいいや。

昔、このもっふもふの毛を欲しがる人達に仲間がたくさん殺されて、今は普通の人じゃたどり着けないような秘密の場所に、ひっそりと隠れて棲んでるそうだ。

そんな里で生まれた僕は、生まれてすぐに両親からも、里の皆からも見捨てられた。

僕達みたいな竜は、生まれ落ちてすぐに自分の足で立って、食べ物を採って食べることが出来るらしい。野生で生き残るために。
それでも成人の一五才までは、生活に必要な常識なんかを教わりながら家族と一緒に暮らすんだ。

でも僕は、自力で立つのにもの凄く時間がかかった。どうやら予定よりも早く孵化したせいで、身体が未熟だったらしい。

それを見てすぐに、僕の両親は顔をしかめた。そして僕を無視した。

要するに、ひ弱ですぐに死にそうだったから、育児放棄されたわけ。そしてそれは里全体の決定でもあって、どうせ長生きできないだろうって、すぐに里の外に捨てられたんだ。

一人、何も分からない生まれたての子竜が、里の外に出て生きていけるはずがない。
皆はそう言ったけど、実は僕には、他のファードラゴンにはないものが、一つだけあった。

それは、この世界でエンダードラゴンとして生きていた記憶。

遙か昔、勇者として異世界から召喚されたという若者に討伐された、古竜の一歩手前まで長く生きてきた強大な黒竜。
何もしてないのに邪竜と呼ばれ、攻撃され、でもまあ、長く生きてきて生きるのに飽きていたから『まあ、いいか』と素直に滅ぼされてやった。

『ごめんね、ごめん』
『帰るには、こうするしかなくて』

異世界の勇者はそう言いながら、なぜか最後には涙を流していたが。

『眠らせてくれて、ありがとう。ねえ、最後くらい、笑って送ってよ』

そう言ったら、涙を流しながら、くしゃっと笑った。
その泣き笑いの顔が、今でも目に焼き付いている。

話が逸れたけど、つまり、その記憶と一緒にエンダードラゴンとしての能力も引き継いで生まれてたわけ。

つまり『つよくてにゅーげーむ』ってヤツだ。

だから一人で放り出されても、全然、これっぽっちも大変じゃなかった。
それに食事は以前と違って果物メインだから、わざわざ狩りをする必要もなかったし。それにこの小さくてふわふわな身体が、今はとっても気に入ってる。

だから里からどんどん離れて、どんどん成長していった。まあ、元が未熟児だったから、一般的なファードラゴンよりも小柄ではあるが。

そうして一〇年ほど経った頃、この精霊の森に惹かれてやって来たんだ。
かつて自分の周りにもたくさんいた精霊達が、いつの間にか激減していて、気にはなっていた。それがここ数年、森に少しずつ活気が戻って、精霊達も増えてきたから。

『管理者』が現れたんだと思った。

それでウキウキしながら精霊の森へ足を踏み入れようとして───。

うっかり捕まって隷属の首輪を嵌められてしまったわけ。








※このあと数話、フォス視点続く予定です。
エンダードラゴン…マイ○ラかw
勇者のセリフを一つ追加しました。

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