100 / 102
99 僕(イツキ)のとある一日
しおりを挟む
僕の一日は、いつも朝寝坊から始まる。
朝が弱い僕は、たいてい十時以降に目が覚める。精霊達に頼めば起こしてくれるけど、起こされてもぼーっとしていて、覚醒するまでが長い。
最近はシュルツのおかげで、目が覚めるのが早くなった。うん、これでも早い方だよ。
理由?
……そんなの、よ、夜のえっちで疲れて、ぐっすり寝てるからじゃないの!?
僕に聞かないでよ!
とにかく、起きてからはシュルツのお世話が凄くて、ぼけっとしているうちに着替えが終わり、顔も綺麗に拭いてくれて、温かくて美味しいご飯を食べさせてもらう。
この一連の動作が流れるように行われるから、僕は『自分でやる』という間がなく、されるがまま。
これじゃ何もできないダメエルフになっちゃうと、以前、シュルツに言ったことがあるんだけど……。
ないはずなのに、めちゃくちゃ犬耳尻尾を垂れさせてシュンとする幻影が見えたもんだから、諦めて受け入れた。
だってさ、そんなシュルツは見たくないし、受け入れたときの喜びようを見たらさ、拒絶できないよ。
それに、構われることに幸せを感じる僕も、やっぱりシュルツが好きなんだなって再認識。
でも、森の巡回はなるべく歩くよ。しょっちゅう転けそうになってシュルツに支えられてるけど。
やっぱり僕の役目だから。自分の足でしっかり見回りたいから。
それを理解して見守ってくれるシュルツや精霊達に感謝している。
今日は前にスライムに襲われた、例の場所を浄化するんだ。
シュルツや精霊達は、後回しでもいいと言ってくれたけど、またあんなことになるのはイヤだし。
「大丈夫。だって今日はシュルツがいてくれるもん。頼れる旦那様だもんね!」
「ああ、いくらでも頼ってくれ」
ニカッと笑うシュルツに僕もニッコリ。
そうして着いた場所は、アレからちょっと時間が経ってしまったからか、さらに森が荒れてしまっていた。
「イツキ、奥にいるぞ。少し下がって。俺が討伐してくるから、精霊達とここにいろ」
「ぅ、うん。気を付けてね」
「ああ」
シュルツはもの凄く強いって聞いてるし、実際に魔物を瞬殺しているのも見てるけど、やっぱり心配なものは心配なんだ。
そんなことを思ってるうちに、あっという間に倒して戻ってきたシュルツに思わず抱き付く。
「怪我ない? ない?」
「ふ、大丈夫だ。大きいだけのスライムごとき、敵じゃない」
「……僕はそのスライムごときに、やられたんですけど」
「……ぁ、すまん」
「……ふふふ、冗談だよ。疑ってはいないけど、無事でよかった」
スライムの件でちょっと意地悪くそう言ったら、シュルツが慌てたのがおかしくて、思わず笑った。
さて、あとは僕のお仕事。
───この森に住めてとても幸せです。ありがとうございます、神様。
浄化で辺りの空気が清らかになった。精霊達も嬉しそうに集まってくる。
こうして少しずつ、森は再生していく。一回一回は小さいけれど、確実に育っていく。
「やがてここも、綺麗な花や木の実が育つ。よかった」
「イツキのおかげだ。ありがとう、ご苦労様」
「えへへ、照れるなぁ」
こうして今日の見回りは終わり。
転ばないように気を付けて、ロッジに帰ると、シュルツが用意したおやつを食べて午睡。
目が覚めたら、アウルに会いに行ってたフォスが帰ってきてたので、もふもふタイム。
美味しい晩ご飯を食べて、シュルツとお風呂に入り、ベッドでいちゃいちゃして───。
明日はあっちを見に行こうかな?
眠りに落ちる瞬間、シュルツの口付けが降ってきて───。
「……おやすみぃ……」
「おやすみ、イツキ。よい夢を」
こうして毎日、同じような一日が過ぎる。
ごくごく平和な日常が、実は奇跡なんだと思う。
次の朝も『おはよう』って目覚める奇跡。
そこにずっとシュルツがいてくれたら、最高に幸せ。
※本編終わりのような話、というか一区切りついた感じです。
これ以降は、閑話のような、別視点の話が入るかと思います。
今日、人物設定の枠にイツキとシュルツのイラスト付けました。よかったら覗いてみてください。
朝が弱い僕は、たいてい十時以降に目が覚める。精霊達に頼めば起こしてくれるけど、起こされてもぼーっとしていて、覚醒するまでが長い。
最近はシュルツのおかげで、目が覚めるのが早くなった。うん、これでも早い方だよ。
理由?
……そんなの、よ、夜のえっちで疲れて、ぐっすり寝てるからじゃないの!?
僕に聞かないでよ!
とにかく、起きてからはシュルツのお世話が凄くて、ぼけっとしているうちに着替えが終わり、顔も綺麗に拭いてくれて、温かくて美味しいご飯を食べさせてもらう。
この一連の動作が流れるように行われるから、僕は『自分でやる』という間がなく、されるがまま。
これじゃ何もできないダメエルフになっちゃうと、以前、シュルツに言ったことがあるんだけど……。
ないはずなのに、めちゃくちゃ犬耳尻尾を垂れさせてシュンとする幻影が見えたもんだから、諦めて受け入れた。
だってさ、そんなシュルツは見たくないし、受け入れたときの喜びようを見たらさ、拒絶できないよ。
それに、構われることに幸せを感じる僕も、やっぱりシュルツが好きなんだなって再認識。
でも、森の巡回はなるべく歩くよ。しょっちゅう転けそうになってシュルツに支えられてるけど。
やっぱり僕の役目だから。自分の足でしっかり見回りたいから。
それを理解して見守ってくれるシュルツや精霊達に感謝している。
今日は前にスライムに襲われた、例の場所を浄化するんだ。
シュルツや精霊達は、後回しでもいいと言ってくれたけど、またあんなことになるのはイヤだし。
「大丈夫。だって今日はシュルツがいてくれるもん。頼れる旦那様だもんね!」
「ああ、いくらでも頼ってくれ」
ニカッと笑うシュルツに僕もニッコリ。
そうして着いた場所は、アレからちょっと時間が経ってしまったからか、さらに森が荒れてしまっていた。
「イツキ、奥にいるぞ。少し下がって。俺が討伐してくるから、精霊達とここにいろ」
「ぅ、うん。気を付けてね」
「ああ」
シュルツはもの凄く強いって聞いてるし、実際に魔物を瞬殺しているのも見てるけど、やっぱり心配なものは心配なんだ。
そんなことを思ってるうちに、あっという間に倒して戻ってきたシュルツに思わず抱き付く。
「怪我ない? ない?」
「ふ、大丈夫だ。大きいだけのスライムごとき、敵じゃない」
「……僕はそのスライムごときに、やられたんですけど」
「……ぁ、すまん」
「……ふふふ、冗談だよ。疑ってはいないけど、無事でよかった」
スライムの件でちょっと意地悪くそう言ったら、シュルツが慌てたのがおかしくて、思わず笑った。
さて、あとは僕のお仕事。
───この森に住めてとても幸せです。ありがとうございます、神様。
浄化で辺りの空気が清らかになった。精霊達も嬉しそうに集まってくる。
こうして少しずつ、森は再生していく。一回一回は小さいけれど、確実に育っていく。
「やがてここも、綺麗な花や木の実が育つ。よかった」
「イツキのおかげだ。ありがとう、ご苦労様」
「えへへ、照れるなぁ」
こうして今日の見回りは終わり。
転ばないように気を付けて、ロッジに帰ると、シュルツが用意したおやつを食べて午睡。
目が覚めたら、アウルに会いに行ってたフォスが帰ってきてたので、もふもふタイム。
美味しい晩ご飯を食べて、シュルツとお風呂に入り、ベッドでいちゃいちゃして───。
明日はあっちを見に行こうかな?
眠りに落ちる瞬間、シュルツの口付けが降ってきて───。
「……おやすみぃ……」
「おやすみ、イツキ。よい夢を」
こうして毎日、同じような一日が過ぎる。
ごくごく平和な日常が、実は奇跡なんだと思う。
次の朝も『おはよう』って目覚める奇跡。
そこにずっとシュルツがいてくれたら、最高に幸せ。
※本編終わりのような話、というか一区切りついた感じです。
これ以降は、閑話のような、別視点の話が入るかと思います。
今日、人物設定の枠にイツキとシュルツのイラスト付けました。よかったら覗いてみてください。
713
あなたにおすすめの小説
王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)
薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。
アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。
そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!!
え?
僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!?
※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。
色んな国の言葉をMIXさせています。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい
発光食品
BL
『リュミエール王国と光の騎士〜愛と魔法で世界を救え〜』
そんないかにもなタイトルで始まる冒険RPG通称リュミ騎士。結構自由度の高いゲームで種族から、地位、自分の持つ魔法、職業なんかを決め、好きにプレーできるということで人気を誇っていた。そんな中主人公のみに共通して持っている力は光属性。前提として主人公は光属性の力を使い、世界を救わなければいけない。そのエンドコンテンツとして、世界中を旅するも良し、結婚して子供を作ることができる。これまた凄い機能なのだが、この世界は女同士でも男同士でも結婚することが出来る。子供も光属性の加護?とやらで作れるというめちゃくちゃ設定だ。
そんな世界に転生してしまった隼人。もちろん主人公に転生したものと思っていたが、属性は闇。
あれ?おかしいぞ?そう思った隼人だったが、すぐそばにいたこの世界の兄を見て現実を知ってしまう。
「あ、こいつが主人公だ」
超絶美形完璧光属性兄攻め×そんな兄から逃げたい闇属性受けの繰り広げるファンタジーラブストーリー
【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません
ミミナガ
BL
この世界では落ち人(おちびと)と呼ばれる異世界人がたまに現れるが、特に珍しくもない存在だった。
14歳のイオは家族が留守中に高熱を出してそのまま永眠し、気が付くとこの世界に転生していた。そして冒険者ギルドのギルドマスターに拾われ生活する術を教わった。
それから5年、Cランク冒険者として採取を専門に細々と生計を立てていた。
ある日Sランク冒険者のオオカミ獣人と出会い、猛アピールをされる。その上自分のことを「番」だと言うのだが、人族であるイオには番の感覚がわからないので戸惑うばかり。
使命も役割もチートもない異世界転生で健気に生きていく自己肯定感低めの真面目な青年と、甘やかしてくれるハイスペック年上オオカミ獣人の話です。
ベッタベタの王道異世界転生BLを目指しました。
本編完結。番外編は不定期更新です。R-15は保険。
コメント欄に関しまして、ネタバレ配慮は特にしていませんのでネタバレ厳禁の方はご注意下さい。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる