🐈せっかく猫になったのに~病弱な第二王子に身代わりを押し付けられた件

tobe

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3 身代わり生活

閑話 弟がかわいくて仕方ない兄

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第一王子目線

弟が生まれたのは私が10歳の時だった。ファーストコンタクト時に”こんな魔獣いたよなあ。赤子と言うのは大してかわいくないものだな”と思いながら、ぎゅっと握った手を開いてみたら弟は私の指を握りしめてきた。

ちゃんと爪が生えているその細い指が以外に力強くて驚いた。

それから見るたびに弟は可愛くなって、私だけじゃなくて両親も10年ぶりの幼子に夢中だった。

だが、すぐに熱を出しては力なく泣いて弟と王位継承者である私は常に一緒に居る事は出来なかった。しばらく様子を見ましょうと言っていた医師から体内から生まれる魔力量が多すぎるのだと告げられたのは三か月を過ぎるころだった。

両親や私も魔力に恵まれていて、それは国を治めるには役に立つのだが、魔力過多な弟の近くにいることは毒にしかならない。

泣く泣く弟は王宮の庭に専用に作った弟用の離れ(かけてもまた戻る月になぞらえて月の離宮と母が名付けた)に一人で住むことになった。世話をする者は極力魔量の少ない者に限定し、特に魔力量がゼロという移民から優秀なものをそばに置いた

魔力のあるものを近寄らせることが出来ないということは十分に守ってやることが出来ない。考えた両親はセクウに「追い落とす価値もない王子」というレッテルを貼って守ることにした。

私たちは家族であっても弟に会えるのは魔力が枯渇している時だ。かろうじて歩くことができる程度の魔力量になれば弟の近くに行っても害がない。私は枯渇するまで勉学やスポーツに励んだし、両親は執務に励んだ。
その結果、私は非の打ち所がない第一王子と呼ばれ、国は潤った。

でも、いつ会っても上機嫌とはいいがたい状態の兄や両親の事を弟はどう思っているだろうか?もしかしたら嫌われているとおもっているかもしれない。それでも私は弟に会いたい。

10歳を過ぎれば魔力量が安定するはず、そしたらセクウを公に出して家族として過ごせる。その期待が裏切られて3年。週に一度程度しか会えない弟は国の為に家族の為に何か役に立ちたいといつも考えているようだった。

「居てくれるだけでいい。役に立とうとしなくていいのに……」

母上の呟きは弟には伝えなかった。それを伝えたら存在さえ拒否されたと弟が思うのではと不安だったから――



転機はフォレサクレのレーナリア嬢との出会いだった。国境を接するモリーオ領の領主夫人バルカ様が連れてきた令嬢。
「詳しいことは語れない」というバルカ様の言葉は様々な憶測を呼んだ。特に有力だとそれたのは、バルカ様がその美貌故に義母に疎まれている令嬢を見つけ、連れ出して来たのだという説だが真意の程は定かではない。

年の近いレーナリア嬢と弟が積極的に交流したのには多少驚いたし交流していくくちに顔色が良くなっていく事には随分驚かされた。

季節の変わり目にはいつもの魔量過多の症状が重くでて医者には「ご覚悟を」とまで言われたが何とか持ち直し、先日は魔湖へピクニックに行きたいとまで言い出した。

弟からの初めてのおねだりに家族は狂喜乱舞。
魔湖ならば舟遊びだと母上は弟の為にキャビンのついた船を造らせ自ら月の離宮に足を運んでピクニックとは思えない準備を整えさせ、 父上は当日の舟遊びの為の人選に余念がない。

私だって、飛び切り素敵な思い出を作ってやりたい。両親に負けないような贈り物もしたい。この際だからピクニック後も引き続き使える側近、なんてどうだろう?
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