契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました

言諮 アイ

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第7章

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 私は吹き抜ける風の冷たさを頬に感じながら、王城の中庭をゆっくりと歩いている。ここ数日、急速に復興が進み始めた王都の様子を見て回っていたが、まだ完全に安定したとは言えない。帝国の侵攻を退け、“新たな王”として名乗りを上げた私を支持する声は大きい一方で、内政や貴族の改革に反発する動きもじわじわと広がりはじめている。

 中庭に足を踏み入れると、花壇はところどころ荒れ、折れた植木や崩れかけた石像が見受けられる。先の戦火が王城の中にまで及んだ痕跡は、まだ鮮明に残っているのだ。けれど、花壇の傍らで何人かの庭師が雑草を抜き取り、壊れた敷石を直そうと必死に働いている様子が見て取れる。彼らは私の姿に気づき、軽く頭を下げる。

「お疲れさまです。ありがとうございます。少しずつ綺麗になってきていますね」

 私がそう声をかけると、庭師の一人が恐縮するように言葉を返す。
「いえ、こちらこそ。今まで荒れ果てていた王城が、リリア様のおかげで活気を取り戻そうとしているんですから。ほんの少しでも力になれればと思っています」

 その言葉に心が温かくなる。ほんのわずかな会話でも、民や使用人たちの意識が変わりつつあるのを感じるたび、私の決意は強まっていく。戦場だけではなく、こうして生活の場を立て直すことも“国を導く”大切な行為なのだと痛感するからだ。

 中庭の端には、警備の兵士たちが見張りをしている。かつて貴族に雇われていた者も多いが、今は王都のために働こうと誓ってくれている。その兵士の一人に目が合い、彼は少し照れくさそうに敬礼する。私は小さくうなずき、笑みを返してから回れ右をし、回廊のほうへ向かう。

 王城内を歩いていると、幾度か顔見知りの侍女や文官に呼び止められる。「議会で承認された新規政策の書類を確認してほしい」「地方から領主が挨拶に来ている」など、次々と用事が山積みだ。それだけ、私が表舞台に立ったことで“王国”の形が動き出している証拠だと思うと、心が引き締まる。

「こうして走り回っていると、戦場に出た頃よりは体力の消耗が激しいかもしれません」

 ぼそりと呟いた途端、背後から聞き慣れた足音が迫ってくる。アレクシスだ。彼はまだ軍服のままで、先ほどまでどこかの会合に出ていたらしい。鎖帷子や肩当ては外しているものの、頑健そうな姿は相変わらずだ。

「お前は、昨日もほとんど休んでいないだろう。眠れないなら、せめて食事だけでもしっかり摂れ。……余計な心配をかけるな」

 相変わらずぶっきらぼうな物言いだけれど、その奥にある思いやりを感じると自然に微笑みがこぼれる。

「ありがとう。気づくとやるべきことが次々に押し寄せてきて、つい……ね。でも、無理をしすぎるつもりはないわ」

 そう言うものの、実際には気が休まる暇がない。各地の領主や有力貴族をどうまとめ、腐敗した体制をどう変え、帝国との講和交渉を安定させるか――頭を抱える課題が際限なく湧き出してくる。
 回廊を歩きながら、私はわずかに寒気を覚える。石造りの廊下はひんやりとしていて、そこかしこに先の内乱や攻防戦の爪痕が残っている。壁にはまだ修理されていない亀裂や、焼け焦げた箇所があり、物悲しさを誘う。

「そろそろ朝の執務だ。クラウスや文官どもが待っている。……それに、領主の代表という奴も来ているらしい」

 アレクシスが私に視線を向けて促す。どうやら、地方の領主たちが私に公式に謁見し、“真の王”として認めるか否かを判断したいらしい。戦乱が落ち着いた今こそ、王としての資質を見極める機会とでも思っているのだろう。
 私は心の中で小さく息を吐く。ここで領主たちを掌握できれば、国全体の再建に勢いがつくだろうが、一方で私の“力”を恐れる者や、旧王族に忠誠を誓っている者もいるに違いない。

「分かりました。……できるだけ穏やかな話し合いにしたいですね」

 アレクシスは肩をすくめるように首を振る。
「相手による。お前を『戦場の女王』と敬う者もいれば、『得体の知れぬ魔力で兵を操る危険な存在』と見る者もいる。うまく立ち回ることだ」

 そこには“俺が守ってやる”という言葉こそないが、アレクシスが常にそばで助力を惜しまないことは、これまでの戦いの中で痛いほど分かっている。だからこそ、私は強く頷き、遠目に見える会議室の扉へ足を向ける。
 部屋に入ると、中央に設置された長机を挟んで左右に領主たちが座り、入り口側にはクラウスや文官たちが控えている。私の姿を認めるなり、一部の領主は神妙に起立するが、中には居座ったまま視線を泳がせる者もいる。数名はそっぽを向き、あからさまに私への反発を示しているようだ。

「皆さま、お集まりいただきありがとうございます。……私はリリア・エヴァレット。この国の新たな体制を築くため、王都を治め、帝国軍を退けました。今日は皆さまとの協力関係を確認し、国の再建についてお話しできればと思っています」

 頭を下げながらそう告げると、こちらをまっすぐ見つめる領主がひとり、ゆっくりと口を開く。

「リリア様。あなたがこの国を救った英雄であることは私も認めます。しかし、一方で王族の正統性を継がないまま“王”を名乗ることに疑問を持つ者も多いのです。そもそもあなたが本当に“建国の女王”の生まれ変わりなのか、確たる証拠があるわけではないのですから」

 厳しめの口調だが、これはある意味当然の疑問だろう。私が持つ“王威の審判”は、多くの兵士や帝国騎士を膝つかせた力ではあるが、だからといって血筋が証明されたわけではないのだ。

「私の存在は確かに曖昧で、過去の血統証など示せません。でも、私はそれでもこの国を守り、帝国軍を退け、戦乱から民を救うことを最優先にしてきました。その結果が今の王都であり、皆さまにも恩恵は届いているはずです」

 そう返すと、別の領主が渋い表情を浮かべながら声を上げる。
「恩恵というほどのものか……。私の領地では、未だに略奪や盗賊が横行し、帝国兵から逃げてきた難民も増えています。王都の混乱を落ち着かせたところで、地方が疲弊していては国が立ち行かないのでは?」

「おっしゃるとおりです。ですから私としては、地方領主の方々と連携し、治安維持のための共同部隊を立ち上げたいと考えています。従来の王家による中央集権ではなく、地方の自主性を尊重しつつ、私たちの国防力を一体化したいのです」

 その提案に、領主たちがざわつく。中央からの押し付けを嫌う勢力もいるが、一方で帝国の脅威を今後も警戒しなければならない中、軍事を一本化しておく必要性は誰もが認めているのかもしれない。
 私がさらに話を続けようとすると、奥の席で沈黙していた男が、静かながら凄みのある声を発する。

「……ただし、あなたが再びあの“力”を振るい、我々を無理やり従わせることがあれば、結局は旧来の独裁と何も変わりません」

 そこに込められた疑念は鋭い。確かに私には“王威の審判”という強大な力がある。それを乱用すれば、旧王家や貴族よりもっと苛烈な支配になりかねない。

「だからこそ私は、あの力をむやみに使うつもりはありません。兵の士気を高めるためや、帝国の圧倒的な侵略を防ぐために使っただけで、国内をまとめる手段にはしません。……これは私自身の誓いでもあります」

 言いながら、胸の奥であの金色の光がかすかに揺れるのを感じる。建国の女王の力は戦いの場面でこそ活きるものかもしれないが、国を統治するために人々を畏怖させる――そんなことはしたくないのだ。
 話し合いはその後も続き、地方の困窮や盗賊対策、税制の見直し、貴族の優遇撤廃など多岐にわたる議題が飛び出す。私は文官が用意した資料を参照しながら、できるだけ公平に意見を汲み取り、合意点を探っていく。
 アレクシスは基本的に口出しせず、私の後ろで腕を組んでいる。けれど、彼がそこに立っているだけで領主たちは無暗に強硬な態度を取りにくいようだ。“戦場の鬼神”を敵に回したくない思いがひしひしと伝わる。
 とはいえ、一度の会合ですべてが円滑に進むわけもない。あちこちの領主が気になる点を突き、疑問を投げかける。そうやっているうちに、昼を過ぎ、夕刻に近づいても協議は終わらず、何人かは「今後も継続的に話し合いが必要だ」と言い残して引き上げていく。

「ふう……」

 長時間の会合が一旦中断し、最後に数名の文官とクラウスを残して部屋を出る頃、私は心身ともにぐったりとしていた。兵士との剣の稽古のほうがまだ楽ではないかと思うくらい、精神をすり減らす会議だった。

「お疲れさまです、リリア様。思ったよりは、まだマシな反応だったように見えましたが……」

 クラウスが水を差し出しながらそう言うので、私は小さく息をつき、口を湿らせる。
「ええ、反発されるより、協力してくれる可能性を示してくれるほうがずっといいです。ただ、彼らの中には本当に私を受け入れてくれる人もいれば、情報収集だけして裏で企む人もいるでしょうね」
「そうですね……。しばらくは警戒が必要かもしれません」

 私は口元を拭い、アレクシスに目を向ける。彼は相変わらず無言だが、その目は冷静に状況を判断しているように思える。こうした政治の場は苦手かもしれないが、戦場で培った洞察力は侮れない。

「アレクシス、どう思う? 今日の領主たちの反応を見て」

 彼はわずかに眉を寄せ、低い声で答える。

「お前を認める者もいれば、そうでない者もいる。だが、これまでの王族の腐敗を見てきた連中だ。ああやって腹を探ってくるのは当然だろう。すぐにでも刃を向けてくるかもしれないし、逆に俺たちに従って甘い汁を吸おうとする者もいる。……油断せず、だが焦りすぎるな」
「ありがとう。その通りね」

 戦場を力で乗り切ったのとは違い、今度は言葉と誠意、そして必要に応じて“抑止力”を示す――そんなバランスが求められている。私はその責務を負う立場になったのだ。
 会議室を出て王城の廊下を歩くうち、ふと背後からクラウスが控えめに声をかけてくる。

「ところで、リリア様。先ほど帝国の使節団が再度連絡を入れてきたようです。彼らとしては、早期に講和条約を結びたいと急いでいるらしいのですが……」
「帝国の内情も深刻なんでしょうね。皇帝ルキウスの負傷が思った以上に重く、後継者争いが拗れている。だからこそ、私たちとの戦争を長引かせる余裕はない、と」
「ええ。それゆえ、形式的な“国交樹立”とまではいかずとも、互いに不可侵条約を交わしたいというのが本音かと。今回の戦いで、私たちの実力を十分に思い知ったのでしょう」

 そう説明するクラウスの声を聞きながら、私は歩を進め、やがて窓辺に差し込む夕焼けを見上げる。オレンジの光が、荒れ果てた王都の街並みや焦げ跡を照らしている。あの激戦から、それほど日は経っていないのに、光景は少しずつ確かに復旧へと向かっているようだ。

(帝国も、国内混乱を抱えている。こちらも内政に課題が山積み。お互い、すぐには全面衝突を望まない状況……)

 もしここで停戦条約を結び、帝国からの侵攻をしばらく止められれば、国の再建と改革に専念できるかもしれない。それは国民にとっても救いになるはずだ。
 ただし、帝国内部には今も“征服こそ正義”と考える好戦的な派閥が残っていると聞く。彼らが皇帝に取って代われば、再び大軍を率いてこちらを攻めるかもしれない。そうなれば講和など一瞬で反故にされるだろう。

(それでも……今は停戦を優先するしかない。私たちが国をまとめ、力を蓄えれば、いずれ帝国と対等に渡り合う選択肢も広がるはず)

 決断を固め、私はクラウスに向き直る。

「分かったわ。なるべく早く帝国の使節に回答しましょう。こちらは“講和会議”の場を再度設定し、きちんと取り決めを結びたいと提案する。もちろん、公平な条件になるようにね」
「承知しました。それで帝国側が飲まないようなら、結局は時間稼ぎの策略と考えるべきでしょう。……その時はまた剣を交えることになるかもしれません」

 私は唇を引き結ぶ。剣を振り、血を流す時代を終わらせるためにも、今は少しでも互いに譲り合う道を探るしかない。
 そうこう考えをめぐらせているうちに、外はすっかり夕闇に包まれ始めている。私はひとまず部屋に戻り、明日の会議や使節団との交渉に備えて書類を整理しようと歩を速める。アレクシスはそのあと当直の兵士の巡視をするらしく、私とは途中で別れることになった。

 自室の扉を開けると、ランプが灯され、机の上には膨大な公文書が山積みになっている。疲労がどっと押し寄せるが、逃げていては何も変わらない。

「はあ……。戦場での斬り合いより、数倍骨が折れるかもしれないわね」

 自嘲気味につぶやきながら机に向かうと、窓から夜風が入ってきて髪を揺らす。辺境で過ごしていたころを思い出すと、今の生活はあまりに対照的だ。気の向くまま剣を振り、血生臭い戦場で生き延びることだけを考えていた昔に比べれば、今は国の行く末を左右する責務を負っている。

(けれど、この道こそが私の選んだ道。建国の女王の生まれ変わりとまで呼ばれた私が、剣だけの力に頼らず国を導く――その覚悟は、あの日の戦いで決めたじゃない)

 書類に目を通し、地方の課題や税制改革の要望に目を走らせながら、時折、窓辺に立ち夜空を見上げる。すると、遠くの空に薄雲がかかり、月明かりがぼんやりとにじんでいるのが見える。ふと、あの“王威の審判”がどこに眠っているのか胸の奥を探るけれど、今は静かに沈んでいるようだ。

(この力を、二度と戦い以外の目的で乱用したくない……。でも、また帝国と衝突すれば、剣を振るう時が来るのかしら)

 そんな一抹の不安が過ぎるが、すぐに頭を振って追い払う。もし本当に次の戦いが訪れたとしても、今は“政治”と“交渉”に全力を注ぐべきだ。私は建国の女王の血を引く者として、“国を守る”という使命を果たさなければならない。
 部屋の隅には、いつでも使えるように調整している愛用の剣が立てかけられている。あれが私の力の象徴でもあり、今では国を動かすための“最後の手段”に近い存在だ。戦場の女王と呼ばれた頃は誇りを感じていたが、今は少し違う感慨がある。

(剣を持たなくても、私は国の未来を守れる――そう信じて動きたい。でも、いざという時はこの剣を再び握る。その覚悟は忘れていない)

 自分に言い聞かせるように小さくつぶやき、再び机に向かう。ペンを取り、簡単な議事録や確認事項をまとめていく。こうした地道な作業の積み重ねが、遠からず訪れるであろう“新たな時代”を形作るのだろう。
 机の上のランプが揺れ、やがて夜が更けていく。窓の外には星がまたたき、王都の街並みも消灯が進んで静まっている。けれど、私の頭の中には山ほどの課題があって眠気も遠い。

 ――戦場での混乱が収まっても、国はすぐには変わらない。むしろ、これからが真の再生の始まりなのだ。内に巣くう腐敗を取り除き、帝国との関係を見極め、民衆の生活を向上させる道を探る。
 その一つひとつが、私にとって“次の戦い”でもある。

 誰かが言っていた。「剣で国を救えても、剣だけで国は治められない」と。まったく、その通りだと思う。だからこそ、剣ではなく言葉や制度、そして人々との信頼を積み重ねる戦いを続けていくのが、今の私の使命だ。

 カリカリとペンを走らせながら、時折ふっと笑みがこぼれる。こんなに書類に追われる生活は想像もしなかったけれど、不思議と嫌ではない。むしろ、私が自分の力で国の形を作り直していると思うと、大変さよりもやりがいのほうが大きいのだ。

(アレクシスも、クラウスも、兵士も、民も、私を支えてくれている。ならば私は――私にしかできないことをやり抜くだけ)

 いつか本当に平和な時代が訪れたら、あの剣を飾り物としてしまってもいいのかもしれない。戦場の女王という名が“かつての呼び名”になる日が来るように、今はただ前を向こう。
 ランプの灯が柔らかく揺れ、夜の静寂が更けていく。書類を処理していくうち、窓辺の風が優しく部屋の熱を奪い、私の目尻にじんわりと疲労が込み上げてくる。

 ――私は新たな時代を創るために、この国を率いていく。剣と魔法の奇跡だけではなく、人の心をつなぐ政治と改革で、エルヴェイン王国を再建する。
 そう固く誓いつつ、今日もまた眠りを惜しんで執務に没頭する。私にとっては、これもまた“戦い”であり、戦場で流した血と涙に勝るとも劣らない覚悟が必要なのだ。

 月が高く上り、疲れで視界が滲んでも、心は挫けない。たとえ先に曲折があろうと、私は歩みを止めない。――次の一歩はもうすぐそこにある。

(私が築くこの新しい時代は、必ず人々に希望をもたらすはず……)

 自分の決意を温めるように、そっとつぶやきながら、私はまた一枚、書類にペンを走らせる。夜の深さが王城を覆い、静けさだけが私の耳を満たす。けれど、その闇の奥には確かに朝が待っていると信じている。

 それは、国を救った戦場の女王が“真の王”として、一歩ずつ歩みを進める光の兆しでもあるのだ。

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