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エピローグ
しおりを挟むクラリスという心強い仲間の助力を得て、わたしはファンドを立ち上げ、空売りやポイント制度などの新しい仕組みを次々に導入した。王太子派閥やクレスター商会は価格操作や商会の独占権を利用してわたしを潰そうとしたけれど、前世の知識を駆使した投資戦術と巧みな情報操作で逆転した。
そして最後には、クレスター商会そのものを支配下に収める。学園内外の投資家を巻き込み、株価を大きく揺さぶり、一気に株式を買い集めた。その結果、公爵令嬢としてよりも、もはや“経済の支配者”としての地位を確立したわたしは、いまこうして自由に学園を改革している。
ふと、背後からクラリスの気配を感じる。
彼女の軽やかな足音に振り返ると、笑顔をこちらに向けている。
おそらく、新しいメディア企画や購買部との連携について話したいのだろう。わたしは軽く手を挙げて応える。
時計塔の鐘が厳かに鳴り、一日の終わりを告げている。その音を耳にしながら、わたしはクラリスと並んで校舎の方へ足を運ぶ。
華やかな王太子の隣よりも、こうして彼女と一緒に歩む道こそが楽しい。
もうわたしは王太子の婚約者なんかじゃない。
そう思いながら、わたしは満足げに微笑む。
時計塔に刻まれる時の流れは、今日から先の新しい学園をどんな色に染めていくのだろう。
胸に高鳴る鼓動を感じながら、わたしは堂々と前を向いて進む。
どんな時でも、クラリスと一緒に。
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