クライン工房へようこそ!【第15部まで公開】

雨宮ソウスケ

文字の大きさ
156 / 499
第5部

第七章 そしてすべての黒幕は……。②

しおりを挟む
 ズシン……と。
 ランプで照らされた坑道内を、漆黒の鬼が進む。
 三層による胸部装甲と、甲殻獣の背を彷彿させる手甲と具足。頭部からは前に二本、後ろに二本と、計四本の紅水晶のような角が天へと延びている。
 白い鋼髪をなびかせるアッシュの愛機――《朱天》。その完全武装した姿だ。
 場違いなまでの威圧感を放つ鎧機兵は、時折、尾を揺らしつつ歩を進めていた。


「……ねえ、アッシュ」


 その時、ユーリィが声を上げた。
 彼女は今、《朱天》の操縦シートの後方に座っていた。


「ん? どうかしたかユーリィ?」


 少し身体を捩じって後ろに振り向くアッシュ。同時に《朱天》も足を止めた。
 ユーリィはアッシュの顔を見つめて言葉を続ける。


「チェンバーさんを探しに行くのはいいけど、私までついてきてよかったの?」

「う~ん、それなんだけどなあ……」


 アッシュはそこで言葉を詰まらせた。告げるべきかどうか少し迷っている顔だ。
 ――現在、アッシュ達は第三坑道内にいた。
 この場所で行方不明になったライザーを探すためである。
 本来、こういった緊急時には、この街に常駐する第三騎士団が動くのだが、親方はそれを躊躇し、アッシュの元へと相談に来たのだ。
 親方の話では、ライザーは以前にもこの第三坑道で行方不明となり、第三騎士団の世話になったらしい。その折、もしもまた同様の問題を起こした場合、各坑道への出入りを禁止すると通告されているそうだ。
 にもかかわらず、今回再び起こした行方不明。全く懲りていない状況に、アッシュもユーリィも呆れたものだったが、親方は渋い顔でこう告げたのだった。


『あの馬鹿、実は王都で借金していてな。ここを追いだされると本気でまずいんだよ』


 どうやらライザーは、かなり切羽詰まった人生を送っているらしい。
 ユーリィはその時点で小さく嘆息した。
 何だかんだで人のいいアッシュに友人とも呼べる人間を見捨てられるはずもない。貴重な一日が潰れるのは不本意だが、例の『暗人』の噂もある。きっと今日の発掘は中止にして、アッシュはライザーを探しに行くだろう。
 ユーリィはそう確信していた。事実、アッシュはそう判断した。
 しかし、ただ一つ予想外だったのは――。


「……どうして私まで連れてきたの?」


 と、ユーリィは再びアッシュに尋ねる。
 てっきり彼女は、自分は宿に残ると思っていたのだ。
 人間の捜索となると、ユーリィがいてもいなくても同じだろう。
 だと言うのに、アッシュはユーリィの同行を求めた。
 ユーリィにはその意図が分からなかった。


「はっきり言うとな。この状況でお前を一人にしたくなかったんだ」


 すると、アッシュは少し躊躇ってからそう答えた。
 ユーリィは訝しげに眉根を寄せる。


「どういう意味?」

「う~ん、正直なところ、情報が少なすぎてかなり推測混じりなんだが……」


 どうもアッシュ自身、何かに迷っているらしい。


「とりあえずもうちょっと先に進もう。少し頭の中を整理させてくれ」


 そう告げると、前を向き、《朱天》を再び歩かせ始めた。
 ユーリィは黙ってアッシュの腰を掴んだ。
 そうして《朱天》が、重い足音を響かせながら坑道内をしばらく進んでいくと、不意に分かれ道に辿り着いた。《朱天》は再び足を止め、左右の道を見やる。


「……チェンバーさん、どっちに行ったんだろう」


 と、《朱天》の中でユーリィが呟くが、ふと気付く。


「アッシュ。あれって」

「ああ、矢印だな」


 ユーリィの指摘に、アッシュも頷いた。
 坑道の岩壁を見ると、デカデカと白い矢印が描かれていた。
 ユーリィが首を傾げてアッシュに尋ねる。


「チェンバーさんが迷わないように描いていったの?」


 可能性としてはそれが一番高い。
 しかし、アッシュは眉をしかめた。


「そうだなあ……多分描いたのはライザーなんだろうけど、こりゃあ自分が迷わねえためじゃねえだろうな」

「自分のためじゃない? どういうこと?」


 ユーリィはアッシュの肩を掴んで身を乗り出し、青年の横顔を見やる。
 するとアッシュは操縦棍から手を離し、腕を組んだ。


「そうだな、そんじゃあ分かっているところまで話すか。実はな、ライザーの奴は一般人なんかじゃねえんだよ」

「……え?」


 唖然とした声を上げるユーリィ。
 アッシュは岩壁に描かれた矢印を見据えて言葉を続ける。


「多分、あいつ本格的な戦闘訓練を受けてんぞ。そんなの一般人とは言えねえよ」

「戦闘訓練を受けてるかどうかなんて簡単に分かるものなの?」


 と、ユーリィが怪訝な顔で問う。
 彼女の目で見た限り、ライザーはごく普通の青年に見えた。
 荒事があって気付いたのならともかく、そういった出来事はなかったはずだ。


「まあ、普通は気付かねえよな。俺もいつもの習慣がなきゃあ気付かなかったよ」

「……そうなの?」


 と、何やら質問してばかりのユーリィに、アッシュは苦笑する。


「随分と久しぶりだったが、習慣ってのは身体にしみつくみたいだな。ともあれ、そんな感じで俺はライザーをちょっと警戒してたんだよ」

「じゃあ、今回の一件は……」


 眉をしかめるユーリィ。どうにも悪い推測ばかりが浮かぶ。
 そんなユーリィの不安を察しつつ、アッシュは再び操縦棍を手に取って、立ち止まっていた《朱天》を坑道の奥へと向かわせる。
 そしてアッシュは告げる。


「大丈夫だ」


 ユーリィはアッシュの背中をじっと見つめた。


「この一件は間違いなくライザーの『誘い』だ。けど、どうも状況が読みきれねえ部分が多いからあえて乗ったんだよ。お前を連れてきたのは万が一に備えてだな。もし騒動になるのなら俺の傍にいんのが一番安全だし、お前は俺の戦闘にも慣れているからな」


 そう告げられ、ユーリィはしばし沈黙する。
 アッシュとユーリィの付き合いは長い。特に傭兵時代の頃は、アッシュの腰に掴まったまま戦闘に巻き込まれることなど日常茶飯事だった。
 結果、彼女の三半規管は一流の鎧機兵乗りにも比肩するほど鍛えられている。
 ユーリィならば、アッシュの全力戦闘にも平然とついていけるだろう。


「うん。アッシュの意図は分かった。だけど……」


 アッシュの腰に両手を回しながらユーリィが尋ねる。


「結局、チェンバーさんは何者なの? もしかしてボーガンの手下?」


 現状考えられる可能性で一番妥当なのがそれだ。
 恐らくアッシュの監視役といったところか。
 しかし、その推測を口にすると、アッシュは眉をしかめた。


「いや多分違うと思うぞ。そもそもボーガンが俺に監視役を付ける意味がねえ。別に借金している訳でもねえし。まぁボーガンと全く無関係でもねえだろうけどな」


 そう言われ、今度はユーリィが眉をしかめた。


「ボーガンの手下じゃないけど、無関係でもない? それってボーガン以外にチェンバーさんの雇い主みたいな人がいるってこと?」

「おっ、流石はユーリィ。呑み込みが早いな」


 愛娘の頭の良さに、親バカ丸だしの笑みを見せるアッシュ。
 その間も《朱天》は坑道内を進んでいた。


「俺が思うに今回の一件、ボーガン以外にもう一人黒幕がいる。俺らが今ここにいるのはボーガンとその黒幕の思惑なんだろうな」


 そう前置きしてから、アッシュは真剣な顔つきで告げる。


「恐らくこの奥には『何か』があるんだろう。『暗人』なんて芸のねえ情報操作まで使って隠したい『何か』がな。ライザーはそこに俺を誘い出すために行方不明を装ったんだ」


 ランプで照らされた狭い坑道をアッシュは見据えた。
 それからしばらくはアッシュもユーリィも何も語らず黙々と進み、再び分かれ道に辿り着いた。そこにも前回と同じく矢印が描かれている。
 アッシュは迷わず矢印の示す道を選び、《朱天》を進ませた。


「……ねえ、アッシュ」


 《朱天》がどんどん奥へと進む中、ユーリィはアッシュの名を呼んだ。


「その、ボーガン以外の黒幕って誰なの? この奥には何があるの?」


 流石に不安を抱いているのか、ユーリィの声は少し硬い。
 アッシュは一旦《朱天》の足を止めて、後ろを振り向きユーリィを見つめた。


「黒幕の方は見当がついているよ。狙いまでは分かんねえけどな。しかし、この奥にあるものについては……情報がなくて見当もつかねえな」


 と、渋面を浮かべてアッシュは語る。
 結局のところ、アッシュもすべてを見通している訳ではない。


「……そう」


 ユーリィは小さくそう返して、再び黙り込んだ。
 どちらにしろ、もうじき目的地に着く。
 そこですべての真相は明らかになるのだろう。


「まあ、何が出てくるのかは見てのお楽しみってやつか」


 アッシュはそう嘯いてから、《朱天》を前進させる。
 そしていよいよ長かった坑道の終わりが見えてきた。
 出口らしき場所から坑道のランプより遥かに明るい光が溢れており、何やら作業音のようなものも聞こえてきてくる。


「ようやく到着か」


 皮肉気な笑みを浮かべて、アッシュ達の乗る《朱天》は坑道の出口をくぐった。
 そしてアッシュとユーリィは目を見開く。


「……こいつは……」「……え?」


 そこは、天井がほとんど見えないほどの広い大空洞だった。
 アッシュ達が出た場所はその空洞の最下層だ。見たところ、《星導石》の原石はほとんどないが、構造そのものは第一坑道を始めとする他の坑道と変わらない。
 しかし、そんな目新しくもない光景の中、アッシュ達を驚かせたのは、そこにいる作業者達の姿だった。


「これってなんかの建築をしてんのか?」

「……うん。そうみたい。けど、こんな場所になんで?」


 アッシュの独白にユーリィが答える。
 《朱天》を通じて見える光景は、いわゆる工事現場だった。
 そこには二十数人の作業者がいて、忙しく建造物の土台を作っている。全員作業に集中しているようで大空洞の入口に立つ《朱天》に気付いていないようだ。


(う~ん、こいつは……)


 アッシュは少し困惑していた。
 確かに『何か』があるとは確信していたが、想像していたものとは大分違う。
 こんな場所でまさか建造物を作っているとは予想もしていなかった。


「……アッシュ。どうするの?」


 と、ユーリィもまた困惑した声で尋ねてくる。
 それに対し、アッシュは少し迷う。
 幸いにも、まだ誰も《朱天》の存在に気付いていない。
 ここは一旦死角になる場所まで戻って様子を窺うべきか。


「そうだな……見たところライザーもいねえし、ここは一旦下がって……」


 と、答えようとした時だった。


「……はあ?」


 アッシュはふと視界の端に映った、その男の姿に唖然とした。
 白髪の青年の視線は工事現場の前。直立した二人の黒服の男の間で一人悠然と椅子に座る男の背中に釘づけになっていた。


「……? どうしたの、アッシュ?」


 いきなり無言になった青年に、ユーリィが眉根を寄せる。
 アッシュは答えようにも答えられない。
 思わず呆然自失になってしまうほど、その男の存在は予想外だったのだ。
 するとその男は何かを感じたのか不意に後ろ――アッシュの方へと振り向いた。


「――あン?」


 その男の呟きが聞こえる。
 それから、その総髪の男は驚くような表情を見せて立ち上がった。


「……おいおい、一体こいつはどういうことだ?」

『……それは俺の台詞だろ』


 《朱天》の拡声器を使ってアッシュがそう答える。
 気付かれてしまった以上、もはや隠れるという選択肢はない。
 その時点でようやく他の人間達もアッシュの――《朱天》の存在に気付いた。
 ザワザワとざわめき始める大空洞。
 そんな中で、アッシュの表情は徐々に険しくなっていく。
 そして、白髪の青年はぼそりと告げた。


『……ガレック=オージス。なんでてめえがここにいんだよ』
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

召喚学園で始める最強英雄譚~仲間と共に少年は最強へ至る~

さとう
ファンタジー
生まれながらにして身に宿る『召喚獣』を使役する『召喚師』 誰もが持つ召喚獣は、様々な能力を持ったよきパートナーであり、位の高い召喚獣ほど持つ者は強く、憧れの存在である。 辺境貴族リグヴェータ家の末っ子アルフェンの召喚獣は最低も最低、手のひらに乗る小さな『モグラ』だった。アルフェンは、兄や姉からは蔑まれ、両親からは冷遇される生活を送っていた。 だが十五歳になり、高位な召喚獣を宿す幼馴染のフェニアと共に召喚学園の『アースガルズ召喚学園』に通うことになる。 学園でも蔑まれるアルフェン。秀な兄や姉、強くなっていく幼馴染、そしてアルフェンと同じ最底辺の仲間たち。同じレベルの仲間と共に絆を深め、一時の平穏を手に入れる これは、全てを失う少年が最強の力を手に入れ、学園生活を送る物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣

織部
ファンタジー
 ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。  背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。  母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。  セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。  彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。  セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。 「セラ、ウミ」 「ええ、そうよ。海」 ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します! カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。

処理中です...