異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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お隣の食堂とお客さん

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「んにゃん?  神様にゃん。もしかしたらわたしをこの世界に連れてきてくれた神様にゃん?」

  モフにゃーは店内をキョロキョロと見渡しながら言った。

「うん、そうだよ。わたしとモフにゃーをこの世界に連れてきてくれたファッションセンスがイマイチな神様だよ。えへへ、思わず声に出して話をしちゃった」

『おいおい、ファッションセンスがイマイチって余計なことを……』

  神様はギロッとわたしを睨みモフにゃーに温かい眼差しを向ける。

「へぇ。神様って洋服選びが苦手にゃんだね。わたしがアドバイスしてあげたいけど見えないにゃん。アリナちゃんだけ特別な力があって羨ましいにゃん」

  モフにゃーが見ているその先ににこやかに微笑む神様がいるんだけどな。

「ここに神様がいるんだよ」

  わたしは、神様が佇む空間を指差しながら言った。きっと、モフにゃーやみんなには神様が見えていない。

  やっぱり神様が見えるわたしは特別な力を与えられているのかな。神様をちらりと見てそれからみんなの顔を順番に眺める。

  みんなの視線はわたしが指差した神様がにこやかに微笑みを浮かべ佇む場所に向けられている。

  神様は『わたしはここにいるぞよ』と腰に手を当て得意げに言った。

「神様みんなにその姿を見せてあげたらいいのにな」

「うん、そうだな。まあ、見せてやるのも良いな」

「わぁ、じゃあ、みんなに神様の姿をお披露目だね」

『う~ん、そうだな。この格好いい姿をでは、皆にも見せてやろうかな』

  神様は神々しい笑みを浮かべた。でも、やっぱりその美しい顔にヒラヒラな白の布を纏ったような服装は合っていなかった。


「え!  お披露目してくれるの?」とわたしが言うと神様はドヤ顔だ。

   みんなには神様の声は聞こえていないと思うけれど、神様が得意げに佇んでいる空間をじっと見ている。

『ホッホッ、皆はこのわたしの格好いい姿に期待をしているようだな』

   神様は首を縦に振り笑みを浮かべながら一人頷く。

『では、我の姿を見せてやろうぞよ』

   そう言った神様はじーっとみんなを順番に見る。

「なんか妖しげな視線を感じるにゃん。ゾクゾクにゃんだよ。猫肌になっちゃうにゃん」

   モフにゃーはぷるぷる震えている。

「俺もなんだか寒気がするぞ」

   ギャップも寒そうにぶるぶる震えている。

   タイゾーおじいさんにカーナさんは、「なんか奇妙な視線を感じる」と言い合っている。

   それから、アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんは、「なんか変ものがそこにいるような気がするな」、「うん、わたしもだよ」と言い合う。

「おいおい、神様の有難い姿を見ることが出来るのになんだコイツらは……失礼ではないか。よし、この輝かしき神の姿を目の当たりにして驚くんじゃないぞ」

  神様はフフンと得意げに笑った。

  そして、神様は目を閉じ何かを唱えた。
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