異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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アリナがこの世界にやって来たのは

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 その後、モフにゃーとギャップはさつま揚げとしらたきの醜い譲り合いをしたことは言うまでもない。

「ギャップちゃんしらたきをどうぞにゃん」
「いえいえモフにゃー主にしらたきを譲るぞ。俺はさつま揚げで我慢する」
「うにゃん。ギャップちゃん我慢することはないにゃん。遠慮なくしらたきを召し上がれにゃん」
「いやいや、肌の白いモフにゃー主にしらたきは似合うぞ。俺は茶色のさつま揚げが似合うのだ」

 ああ、もう恥ずかしいもふもふな二匹だ。

「うにゃ~ん。ギャップちゃんが美白するのだにゃん。わたしは、さつま揚げを食べて日焼けするにゃん」
「何を言うのだ。その美しきもふもふな白の毛並みを日焼けさすことはでき~ん」

 モフにゃーとギャップちゃんいい加減にしなさい。

「モフにゃーにギャップちゃんお客さんにしらたきとさつま揚げを食べてもらうよ」

 わたしはそう言って二匹をじっと見た。

「にゃぬ。わたしのさつま揚げとしらたきがにゃん……!!」
「なぬぬ、俺のさつま揚げって、モフにゃー主ってばさつま揚げもしらたきも自分のものにするのかい!?」

「モフにゃーにギャップちゃんいい加減にしなさ~い!」

 わたしはちょっと大きめな声で二匹に注意をする。
 
「うにゃにゃん……」
「ガォー……」

 もふもふな二匹はピタッと口を閉じた。本当に困った子達だ。

「あはは、アリナちゃんありがとう。君はしっかりしている子だね」と男性は柔らかい笑みを浮かべわたしを見る。それから視線を二匹に移し、「モフにゃーちゃんにギャップちゃんさつま揚げもしらたきも食べてもいいよ。そのかわり仲良くするんだよ」と優しい声で言った。

「はいにゃん」
「はいガォー」

 モフにゃーとギャップは元気よく返事をした。
 


 今、モフにゃーとギャップは、しらたきとさつま揚げを仲良く食べている。

「う~んにゃん、さつま揚げは美味しいにゃん」
「う~ん、しらたきも中々美味しいぞ」

 そうなのだ。モフにゃーとギャップはじゃんけんをしてモフにゃーが見事に勝利を収めた。

 モフにゃーがパーを出しギャップがグーを出したのだ。

「しかし、モフにゃー主の真っ白で艶々な美しい毛並みが日焼けするのは残念だな」

「わたしは真っ白すぎるから日焼けしてもいいんだにゃん」

 モフにゃーはふふにゃんと笑った。

「モフにゃーちゃんの毛並みは日焼けなんてするのだろうか?」

 男性は得意げに笑うモフにゃーの真っ白な毛並みを眺めながら言った。

「日焼けなんてしないと思います……」
「やっぱりそうだよね」
「はい、もちろん」

 わたしと男性は顔を見合わせ笑った。くしゃっと笑う男性の笑顔は大人なのにちょっぴり可愛くてなんだかやっぱり懐かしく感じた。


 わたしは思わず男性の顔をじーっと見てしまった。

「アリナちゃんどうした?」
「ううん、お客さんの顔を見ているとなんか懐かしいなって思ってしまって……」

 日本人と良く似た顔立ちだから懐かしいと感じてしまったんだと思うけれど、初めて会ったと思えない懐かしさを感じてしまうんだよね。

「アリナちゃん、それ、俺も感じていたよ」

 そう言えば。

 おでんをお客さんの元へ運んだわたしを見て男性は、『ア、アリナ……アリナちゃん!!』と言って目を大きく見開いたよね。

 びっくりした表情のままわたしをじっと見て、『アリナちゃんに似た女の子を知っているのでつい興奮してしまったんだよ』とも言ったことを思い出した。

 わたしはこの人と地球で会ったことがあるのかな? と考えた。うーん、でも思い出せないし、なんか違う気もした。
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