異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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アリナがこの世界にやって来たのは

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 わたしと男性はしばらくの間お互いの顔をじっと見た。

「あ、ごめんなさい。なんかじっと見ちゃった」

 とわたしから先に目を逸らした。男性はまだわたしを見ている。そんなにわたしにそっくりな女の子がいたのかなと不思議な気持ちになった。

「アリナちゃんごめんね。なんだか本当にそっくりでね……おじさんにじっと見られて嫌だったよね」

 男性は両手を合わせて謝った。

「ううん、そんなことないです」

 だって、やっぱりこの男性のことをわたしは知っている。近くにいたような気がしたから。ううん、近くて遠いような……不思議な感覚に陥る。

 この気持ちはなんだろう?



 わたしと男性の会話なんて全く気にしていないモフにゃーとギャップはおでんの汁まで飲んでいる。

「にゃはは美味しいにゃん。おでんの汁最高だにゃん」
「美味しくて堪らんお味だぞ。むふふ」

 なんて食いしん坊なもふもふ達なんだろう。

 わたしはそれどころじゃないのだ。だって、ずっと会いたかった人に会えたそんな気がしたのだ。

「おじさんの娘にアリナちゃんが似ているんだよ」
「ほへっ!? お客さんの娘さんにわたしが似ているの」
「ああ、雰囲気も仕草も似ているんだよね。気を悪くしたらごめんね」

 そう言った男性のその表情は柔らかくてなんだか包みこまれそうになった。

「その娘さんは今日は一緒に来てないの?」

 わたしは店内をキョロキョロと見回す。

「……それがね。娘とは……」

  男性はそう言って俯いてしまった。なんか、とても悲しそうなんだけどどうしたのかな? と不安な気持ちが込み上げてきた。


「娘さんがどうしたの?」

 わたしは聞いていいのかなと思いながら尋ねた。

 すると、男性は顔を上げ「もうずっと会っていないんだ……いや、会えていないというのかな」と答えた。

「ん? それって寂しいね。会っていないってどういう意味」

 わたしはそう尋ねながら娘さんと会えないお父さんって寂しくて悲しいよねと思った。わたしは、今、このグリーン王国で両親に愛をいっぱいもらっているけれど、地球時代の悲しみがじわじわと込み上げてきそうになった。

 そして、この男性の娘さんは今どんな気持ちで過ごしているのかなと考えた。きっと、お父さんに会えないなんて寂しいだろうな。会いたくて堪らないんじゃないのかな。

「こんなこと言っても信じてもらえないと思うんだけどね……」

 男性のその目は悲しそうにしぼむ。

「わたし、どんなことでも信じられると思うよ。話してみて」

 そう、わたしは地球からこのグリーン王国に召喚されたとんでもない経験をしたんだもん。

 だから、自慢じゃないけれど、どんな荒唐無稽なことだって信じられる自信がある。

「そうか、それは嬉しいな。アリナちゃんは信じてくれるそんな気がするよ。あ、まだ自己紹介していなかったね。俺は真来まきと言います」

 男性こと真来はわたしを見てにっこりと柔らかい笑みを見せた。

「真来さんですか。なんか綺麗な名前だね」
「アリナちゃんありがとう。では、俺の話を聞いてくれるかな」

 真来はそう言って話し始めた。

 その話を聞いたわたしはびっくりしてしまった。

 だって、それはわたしの状況と少し似ていたから。
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