異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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孤独だったわたし達が今は幸せ

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「むにゃむにゃにゃん、行かせないにゃん」
「むにゃむにゃガォ~、行かせんぞ」

 わたしのワンピースの袖を握り可愛らしいことを言うモフにゃーにギャップ。それと、日焼けは「むにゃむにゃ~アリナよ~行くな!!」と寝言を言ったかと思うと、突然わたしの後ろ頭を蹴り上げた。

「うわぁ~ん!! 日焼けちゃんってば酷いよ~なんてことするの」

 わたしは泣きそうになりながら日焼けのほうに振り向く。すると、スヤスヤグワグワと寝息を立てて日焼けは寝ているではないか。

 いい気なものだ。「日焼けちゃん……」と呼んでも「俺は幸せ者だな~グワグワァむにゃむにゃ」なんて言うものだから怒れないよ。口元なんて口角を上げてニンマリしているんだもんね。

「日焼けちゃん、素敵な夢を見るんだよ」

 わたしは頬を緩め幸せそうな顔で寝ている日焼けに言った。

「任せておけ。グワグワァ~」

 ああ、もう可愛い奴だよ。わたしはもふもふに敵わない。しばらくの間もふもふ三匹を眺めふにゃふにゃな微笑みを浮かべた。

 気づくともふもふ三匹はくっついて寝ていた。

「あはは、可愛いな」

 わたしはニコニコと微笑み音を立てないようにそーっとベッドから降りた。


 わたしはお気に入りのもこもこのピンク色のスリッパを履きトテトテと廊下を歩く。何とかもふもふを起こさず部屋から脱出することに成功した。

 可愛い奴らだけど今は抜け出すことが出来て良かったとほっとしている。だって、あのままでは眠ることもゆっくりすることも難しいもんね。

 わたしは一人廊下を歩き夢に今の家族と真来が出てきたことを思い出した。

 甘ったるい声でわたしの名を呼び鬱陶しいほど愛してくれるお父さんと、いつも笑顔で見守ってくれるお母さん。

 そして、最近まで忘れてしまっていた地球でのお父さんである真来。

 どちらも大切でかけがえのない存在だ。夢に出てきたのはきっと、心のどこかで地球のことも日本のことも気になっているからかもしれない。

 わたしは寂しくないのにね。毎日幸せに生きているんだけどね。それでもやはり心の奥底に地球への日本への気持ちがあるのだろう。

 ふと、窓の外に目を向けると、オレンジ色の夕焼けがとても綺麗で思わず「わっ、オレンジタイムだ~」と声に出してしまった。このグリーン王国は空がオレンジ色に一日に何度か染まることがある。

 わたしは急いで外に出る。なんかこの瞬間を逃したくなくて。空を見上げると一面オレンジ色に染まっていた。とても美しくてそして今日一日の終わりだと思うとなんだか切なくてあたたかくて、この瞬間にわたしは生きているんだなと感じた。

 安莉奈時代も今と同じ気持ちで地球の空を見上げていたのかな? 覚えていないけれど、きっと、同じ気持ちだったんじゃないかな。

 わたしはしばらくの間オレンジ色に染まる夕焼け空を眺めた。

 
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