異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた！（もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します）

孤独だったわたし達が今は幸せ

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　ウワァワンウワァワンとわたしの苦手な犬鳥のけたたましい鳴き声が聞こえてきた。夕焼けの美しい世界に浸っていたのに台無しだ。

　だけど、夕焼け空を舞う数羽の犬鳥さえ美しく見える。これは夕焼けマジックだ。それに、犬鳥も一生懸命生きているんだよね。

　そう考えると苦手な犬鳥さえ克服できそうだ。うん、大丈夫だ。わたしはにっこりと微笑みを浮かべ夕焼けの下を歩いた。

　すると、夕焼けにぴったりなごはんが食べたくなってきた。

「う～ん、そうだな。夕焼けはオレンジ色だね。オレンジ色の食材といえばにんじんかな。よし、にんじんをた～くさん使った料理を創造しちゃおうかな」

　わたしは「にんじんにんじん♪　オレンジ色♪　オレンジ色は夕焼け色♪」と鼻歌を歌いながら夕焼けの空の下をスキップした。

　にんじんが頭の中に思い浮かびそして、そのにんじんがたーっぷり入っている炊き込みご飯を思い描く。

「えへへ、美味しそう。炊き込みご飯ってものすごく美味しいもんね。ああ、もうちょっと想像しただけでヨダレが垂れそうだよ～」

　わたしは自分自身の食いしん坊ぶりに呆れ笑う。そして、オレンジ色に輝く夕焼け空を見上げるとにんじんがたーっぷりの炊き込みご飯に見えてしまった。

　ああ、もうわたしの食いしん坊ぶりは重症だよ。



　にんじんと鶏肉と生姜の炊き込みご飯。にんじんをたーっぷり入れる。考えるだけでじゅわっとにんじんの甘みが口いっぱいに広がる。

「うわぁ～もうお口の中がほくほくほっこり幸せになるね」

　わたしは気づくとにんじんがたっぷりどっさり入っている炊き込みご飯をイメージしていた。にんじんの甘みと生姜のさっぱり感に鶏肉の旨味が堪らない。

「えへへ、夕焼けの空に似合うにんじんたっぷりの炊き込みご飯を創造しちゃいます」

　声に出し宣言したのとほぼ同時に目の前に湯気の立ったにんじんたっぷりの炊き込みご飯が舞い降りてきた。

「うわぁ～美味しそう」と自画自賛してしまう。だって、見ただけで美味しいってわかるんだもん。仕方がない。

「よし、家族みんなの分も創造しちゃうぞ。とその前に……」

　わたしは「味見、味見」と言いながらお箸を手に取る。だって、味見しないと人やもふもふ達に食べてもらえないもんね。なんて、言い訳をするわたし。

「いただきま～す」

　大きな口を開けにんじんがたっぷり入っている炊き込みご飯を頬張る。すると、ほっぺたが落っこちてしまいそうなほど美味しかった。

「うわぁ～もう美味しくて堪らんお味だよ」

　ふっくら炊き上がったご飯に夕焼け空のオレンジ色とよく似たにんじん。なんだかもうわたし自身がオレンジ色に染まってしまったのではなんて感覚に陥る。

　とにかくもうほくほくほっこりな夕焼け色のご飯のお時間をたーっぷりと一人で堪能したアリナでした。