異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)

なかじまあゆこ

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孤独だったわたし達が今は幸せ

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 ウォンウォンブヒーと鳴きながらじゃがいもを食べる犬鳥。わたしはへっぴり腰になりながらその様子を眺める。

 よく見ると犬鳥はそれはもう美味しそうにほくほく顔で味噌汁の具であるじゃがいもやにんじんを食べているではないか。どうやら犬鳥のお口に合うらしい。それにしても頭から味噌汁をぶっかぶったのに熱くなかったのかな?

 そんな様子をじっと眺めていると、犬鳥がこちらに視線を向けた。その目はこっちを見るんじゃないよと言っているように思えた。けれど、負けないぞ。

 だって、そのお味噌汁はわたしが創造したんだからね。こぶしをぎゅっと握りしめ犬鳥を真っ直ぐ見つめる。

 すると、犬鳥はお前なんかに興味はないんだよといった感じでぷいっと目をそらす。そして、ガツガツと味噌汁の具を食べる。

「あのね、そのお味噌汁わたしが創造したんだよ」と犬鳥に向かって言ってみた。

 しかし、犬鳥はわたしの話なんてもちろん聞いちゃいない。

「ふんだ、いいもんね。わたしは熱々のお味噌汁を創造しちゃうだからね~だ。それと、にんじんがた~っぷりの炊き込みご飯もね」

 わたしはちらっと横目で犬鳥を見つつ少し離れた場所に移動した。

 さてと、みんなで食べるにんじんがたーっぷりの炊き込みご飯と具沢山の味噌汁を心を込めて創造するぞと気合いを入れてみせる。


「ぐふふ、何とか完成したよ」

 満面の笑みを浮かべたわたしはあることに気づく。わたしの目の前にずらりとにんじんがたーっぷりの炊き込みご飯と具沢山のお味噌汁が並んでいるんだけれど、これをどうやって家まで持って帰るのだと頭を抱えた。

「しまった、何も考えていなかったよ。どうしよう~」と考えたその時、あ、そうだ、神様ボタンの出番だよ。

 そう、確か料理に必要な食材が足らない時に『足りません』と表示されるボタンがあったはずだ。その下に神様ボタンもあったはずだよね。えへへ、いいことを思いついたぞ。
 
 わたしは笑いながらヘルプウィンドウの画面を思い浮かべ出してみた。そして、『神様』と表示されているボタンに手を伸ばし「えいや」と押してみた。

 すると、『用件はなんじゃね?』と神様らしい言葉が表示された。

『神様助けてください、アリナの緊急ピンチです』とマンガの吹き出しみたいな画面に入力してみる。

 すると。

「なんじゃね? アリナ大丈夫かい、このわたしを呼んだかい?」

 その声と共にヒラヒラな白の布を纏ったような古代風プラスファンタジーを混ぜ合わせような出で立ちの神様がじゃーんとわたしの目の前に姿を現した。

「うわぁ~出たよ」
「は? 出たとは何だ。この神様であるわたしを幽霊みたいに扱うんじゃないぞ。それにアリナがわたしを呼んだのじゃろう」 

 そう言った神様の宝石のように美しいブルーの瞳がキラリと輝き青みがかった髪がサラサラと風に揺れた。

 
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