【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス

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第八話 ワーテルギナス公爵家

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 「ここが…ワーテルギナス公爵家なの⁉︎」

 カストゥール侯爵家が幾つ入るのだろうか…それ位に広大な敷地だった。

 レントグレマール王国の公爵家でも、ここまで広大な敷地面積はないでしょう。

 私は門まで来たけど、場違いな感じがして引き返そうとすると…門番の騎士が声を掛けて来た。

 「その容姿…貴女がファスティア殿か?」

 私の容姿までが伝わっているということは、興味本位で見学しに来たという理由は無理があるわね?

 「はい、私がファスティア・マーベルグラインです。」

 私は証明をする為にギルドカードを提示した。

 「主人より中に通せと仰せ使っております。 それと…仲間達を救ってくれて有り難う御座いました‼︎」

 騎士は私の手を取って涙を流していた。

 「全員は助けられませんでしたが…」

 「それでも…いえ、引き留めて申し訳ありませんでした。 開門‼︎」

 私は屋敷までの道を案内されて通っていると、そこにいた騎士達が私に対して敬礼をしてくれた。

 どの騎士達も涙を浮かべているところを見ると、あの時助けた騎士達は相当慕われているのでしょう。

 屋敷に到着すると、あの時馬車の中にいた子供が私の元に飛び込んで来た。

 「お姉さん、いらっしゃい! 待っていたんだよ‼︎」

 あの時馬車の中で出会ったイシュト君が出迎えてくれた。

 というか、半分タックルに近い状態だったけど…?

 「お姉ちゃん、こっちに来て!」

 そう言われて、私はイシュト君と執事さんと一緒に大きな扉の前に来た。

 「旦那様、お連れ致しました。」

 「通してくれ…」

 部屋の中から声がして、執事さんが扉を開けるとそこには…?

 私の父親と同じ歳くらいの髭の生えた男性が座って仕事をしていた。

 その男性が顔を上げると私と目が合った途端、男性は立ち上がって私の元に来て手を握り…笑顔で話し掛けてきた。

 「君が息子を助けてくれた者か!」

 「そうだよ、このお姉ちゃんが皆を助けてくれたんだ。」

 「助けたというか、回復魔法をしただけですけどね。 魔物の討伐は騎士様達が倒していたみたいですし…」

 このイシュト君も魔物の襲撃で多少なりとも怪我をしていた。

 周辺にいた騎士達のお陰か、重傷という程ではなかったけど…結構大きな怪我を負っていた。

 「君の事は息子から散々聞かされていてな…と、紹介がまだだったな! 私はワーテルギナス公爵家当主のカーシュトだ。」

 「私は冒険者のファスティア・マーベルグラインと申します。」

 私はカーテシーを行うと、カーシュトは目を光らせて言った。

 「その所作と礼儀作法は…君は貴族の御令嬢だろ?」

 「本当! なら、お姉ちゃんは僕と結婚出来るね‼︎」

 「は、はい?」

 私は訳がわからずにいると、カーシュトは話し出した。

 「息子は助けてくれたお姉ちゃんと結婚をすると聞かなくてな、相手が貴族令嬢なら考えるという事で納得をして貰ったんだ。」

 「だから僕と結婚しよ!」

 「いえいえ、ちょっと待って下さい! 私に結婚をする意思はありませんよ‼︎」

 私はそう言うと、イシュト君は残念そうな顔をしていた。

 「無論、今すぐと言うわけではない。」

 「お姉ちゃんだって不満はないでしょ! 僕と結婚をしたら公爵夫人になるんだから‼︎」

 カーシュトさんは分かってくれているみたいだけど、イシュト君はグイグイと来る。

 私は溜め息を吐きながら、イシュト君に言った。

 「結婚をする時は相手の気持ちを考えないとダメよ。 幾ら公爵家でも無理矢理結婚はできないの。」

 「そんなぁ…」

 「それに成人にもなっていない子と結婚をする気はないわ。 イシュト君が成人した時に気持ちが変わらなかったら、また声を掛けてね。」

 「うん、分かったぁ…」

 とりあえず、イシュト君はそれで納得をしてくれたみたい。

 だけど、とんでもない事を言い出した。

 「僕の気持ちは絶対に変わらないからね! お姉ちゃんも僕が成人するまでに、誰とも結婚をしないで一人身を貫いてね‼︎」

 何気に失礼な事を言われた気がする…

 イシュト君は現在9歳で、成人までは後7年はある。

 イシュト君が成人した時は、私は23歳になるんだけど…分かっているのかな?

 その後にカーシュト様からイシュト君を助けた御礼として、結構な金額を頂いた。

 これだけあると、数年は働かなくても大丈夫な金額だった。

 「ファスティアさんは…この後はどうする?」

 「私はこの国に来たばかりですので、当分は冒険者ギルドに在籍をして生活をしていきます。」

 「そうか…まぁ、手を貸して欲しい時があればいつでも訪ねてくるといい。」

 私は再びお辞儀をしてから、ワーテルギナス公爵家を出た。

 まさか…結婚を申し込まれるとは思わなかった。

 私は再び冒険者ギルドに向かって歩き出した。

 「一応約束は約束だしね、加入するかどうかは別として…」

 冒険者ギルドでは、少し面白い事が起きるのでした。

 

 

 
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