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第十話 援助願い
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「むむ? あの王国を覆う見事な結界がないな?」
その言葉を発した人物の名は、フレマアージュ王国の第ニ王子のヴァッシュ王子だった。
今回はレントグレマール王国からの救援要請を受けて、支援物資提供の交渉の為に訪れていたのだった。
物資提供の交渉は元来、商会が取り行うわけなのだが…?
量が量なだけに商会だけでは手が回らずに、国として申請したという話だった。
レントグレマール王国とフレマアージュ王国は友好国である。
結界が張られる10年前迄は、支援物資提供は普通に行われていた。
結界が張られた後はその心配は無く、食材や薬草や鉱物の提供を寧ろレントグレマール王国から送られていたくらいだった。
ヴァッシュ王子はレントグレマール王国の王城に辿り着くと、謁見の間まで足を運ぶのだった。
「これはこれは、フレマアージュ王国のヴァッシュ王子! ようこそお越し下さいました‼︎」
「話は聞いているます。 …まるで収穫量が10年前に戻った様だという話ではないですか。」
「はい、ここ10年は全く問題無く豊作だったのですが…それがここ最近は作物の収穫量はおろか、魔物の凶暴化に加え、更には災害が頻繁に起きてしまい…」
「僕も2年前まではレントグレマール王国の王立学園に在籍していたので、国の様子はその時に見せて貰っていたので良くわかります。」
フレマアージュ王国は、第二王子のヴァッシュ以外に第一王子のナイヴズと第一王女のメリルがいる。
第一王子のナイヴズは国王の側近という形で役職に就いている為に滅多に国を出るわけにはいかず、第二王子のヴァッシュ王子が交渉にやって来たのだった。
「原因は究明出来たのですか?」
「それが、学者チームを総動員させて調査をさせましたが…何も発見出来ず、原因不明という解答しか得られませんでした。」
「…となると、2年前までは張られていた結界が無くなった事が何か影響しているのかな?」
「結界…ですか?」
ヴァッシュ王子は国王陛下の顔を見ると、国王陛下は首を傾げていた。
「まさか…国王陛下はレントグレマール王国全体に結界が張られていたのを知らなかったのですか?」
「結界とは…?」
「あの結界は、神殿で聖女だけが使用出来る大規模結界魔法なんですよ。 結界を張られる事により、作物の実りは勿論として…作物も異常な速さで成長するとか、他にも人々の暮らしに恩恵を与えられて生活向上したり…」
「な、何だと⁉︎」
国王陛下は玉座から立ち上がり大声で叫んだ。
ヴァッシュ王子は国王陛下に尋ねた。
「国王陛下があの結界を見る事が出来なかったというのは分かりましたが、ならば他の者達は見る事が出来なかったのですか?」
「その様な報告は受けてはおらん。 …というか、ヴァッシュ王子にはその結界が見えておったのですか?」
「僕はある程度の魔力保持者なので、魔法により展開された物を見る事が出来るのです。」
国王陛下は玉座に座ると、大きな溜め息を吐いた。
「それにしてもどなたなのでしょうね。 王国全域に結界魔法を施せられる者とは…伝承の聖女様でもそこまでの力は無かったはずですが。」
「残念な事にそれが誰なのかは…」
「そもそも、結界の存在にすら気付かれておりませんでしたからね。」
「なら、何故結界は突然消え去ったのだ?」
「考えられるとしたら2つですね。 1つはその術者の方がお亡くなりになられた場合、もう1つはその術者が他の地に移り住んでしまった場合ですね。」
ヴァッシュ王子の言葉を聞いて、国王陛下は心当たりがありそうな感じで顔を青くした。
カリオスとの婚約破棄が決まって姿を消したレイラと同じ頃から…レントグレマール王国に異変の兆候が現れたからだった。
「ヴァッシュ王子、その結界とは他の者でも張る事は可能なのでしょうか?」
「不可能ではないとは思いますが、相当に魔力の強い方を筆頭に人数を揃えられれば…あるいは?」
国王陛下はふと思い出した。
レイラは確かに生まれ付き異常な魔力量を保有していたという話だったが、カリオスがレイラを婚約破棄した理由は、妹のライラの方が魔力量を上回っているという話だった。
ならば…レイラがいなくても、妹のライラに同じ事をさせれば問題は無いと。
「それで国王陛下、支援物資のお話はどう致しますか?」
「ヴァッシュ王子よ、しばし我が王国に滞在して待ってはくれまいか? その結界魔法とやらを張ることが出来るかもしれない人物に心当たりがあるのでな!」
「分かりました。 暫くは城下街の方に滞在しておりますので、何かあれば…」
ヴァッシュ王子はそう言うと謁見の間から出て行った。
国王陛下はすぐにライラを連れてくる様に騎士に命じた。
だが、国王陛下に判断は…見事に打ち砕かれる事になるのだった。
その言葉を発した人物の名は、フレマアージュ王国の第ニ王子のヴァッシュ王子だった。
今回はレントグレマール王国からの救援要請を受けて、支援物資提供の交渉の為に訪れていたのだった。
物資提供の交渉は元来、商会が取り行うわけなのだが…?
量が量なだけに商会だけでは手が回らずに、国として申請したという話だった。
レントグレマール王国とフレマアージュ王国は友好国である。
結界が張られる10年前迄は、支援物資提供は普通に行われていた。
結界が張られた後はその心配は無く、食材や薬草や鉱物の提供を寧ろレントグレマール王国から送られていたくらいだった。
ヴァッシュ王子はレントグレマール王国の王城に辿り着くと、謁見の間まで足を運ぶのだった。
「これはこれは、フレマアージュ王国のヴァッシュ王子! ようこそお越し下さいました‼︎」
「話は聞いているます。 …まるで収穫量が10年前に戻った様だという話ではないですか。」
「はい、ここ10年は全く問題無く豊作だったのですが…それがここ最近は作物の収穫量はおろか、魔物の凶暴化に加え、更には災害が頻繁に起きてしまい…」
「僕も2年前まではレントグレマール王国の王立学園に在籍していたので、国の様子はその時に見せて貰っていたので良くわかります。」
フレマアージュ王国は、第二王子のヴァッシュ以外に第一王子のナイヴズと第一王女のメリルがいる。
第一王子のナイヴズは国王の側近という形で役職に就いている為に滅多に国を出るわけにはいかず、第二王子のヴァッシュ王子が交渉にやって来たのだった。
「原因は究明出来たのですか?」
「それが、学者チームを総動員させて調査をさせましたが…何も発見出来ず、原因不明という解答しか得られませんでした。」
「…となると、2年前までは張られていた結界が無くなった事が何か影響しているのかな?」
「結界…ですか?」
ヴァッシュ王子は国王陛下の顔を見ると、国王陛下は首を傾げていた。
「まさか…国王陛下はレントグレマール王国全体に結界が張られていたのを知らなかったのですか?」
「結界とは…?」
「あの結界は、神殿で聖女だけが使用出来る大規模結界魔法なんですよ。 結界を張られる事により、作物の実りは勿論として…作物も異常な速さで成長するとか、他にも人々の暮らしに恩恵を与えられて生活向上したり…」
「な、何だと⁉︎」
国王陛下は玉座から立ち上がり大声で叫んだ。
ヴァッシュ王子は国王陛下に尋ねた。
「国王陛下があの結界を見る事が出来なかったというのは分かりましたが、ならば他の者達は見る事が出来なかったのですか?」
「その様な報告は受けてはおらん。 …というか、ヴァッシュ王子にはその結界が見えておったのですか?」
「僕はある程度の魔力保持者なので、魔法により展開された物を見る事が出来るのです。」
国王陛下は玉座に座ると、大きな溜め息を吐いた。
「それにしてもどなたなのでしょうね。 王国全域に結界魔法を施せられる者とは…伝承の聖女様でもそこまでの力は無かったはずですが。」
「残念な事にそれが誰なのかは…」
「そもそも、結界の存在にすら気付かれておりませんでしたからね。」
「なら、何故結界は突然消え去ったのだ?」
「考えられるとしたら2つですね。 1つはその術者の方がお亡くなりになられた場合、もう1つはその術者が他の地に移り住んでしまった場合ですね。」
ヴァッシュ王子の言葉を聞いて、国王陛下は心当たりがありそうな感じで顔を青くした。
カリオスとの婚約破棄が決まって姿を消したレイラと同じ頃から…レントグレマール王国に異変の兆候が現れたからだった。
「ヴァッシュ王子、その結界とは他の者でも張る事は可能なのでしょうか?」
「不可能ではないとは思いますが、相当に魔力の強い方を筆頭に人数を揃えられれば…あるいは?」
国王陛下はふと思い出した。
レイラは確かに生まれ付き異常な魔力量を保有していたという話だったが、カリオスがレイラを婚約破棄した理由は、妹のライラの方が魔力量を上回っているという話だった。
ならば…レイラがいなくても、妹のライラに同じ事をさせれば問題は無いと。
「それで国王陛下、支援物資のお話はどう致しますか?」
「ヴァッシュ王子よ、しばし我が王国に滞在して待ってはくれまいか? その結界魔法とやらを張ることが出来るかもしれない人物に心当たりがあるのでな!」
「分かりました。 暫くは城下街の方に滞在しておりますので、何かあれば…」
ヴァッシュ王子はそう言うと謁見の間から出て行った。
国王陛下はすぐにライラを連れてくる様に騎士に命じた。
だが、国王陛下に判断は…見事に打ち砕かれる事になるのだった。
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