【完結】全てを後悔しても、もう遅いですのよ。

アノマロカリス

文字の大きさ
43 / 63

第四十一話 カルーセル・カーマインの正体⁉︎後編

しおりを挟む
 「わっかるかぁ~~~‼︎」

 ドレクスとの話で突然…メナスは大声を張り上げた。

 まぁ、確かに…?

 コレだとメナスの反応も頷ける。

 一体何が起きたのかと言うと、話は少し前に遡る。

 ~~~~~30分前~~~~~

 私とメナスはドレクス達の泊まっている宿の部屋に気絶したカルーセルを床に寝かせて今迄の経緯を話した。

 ドレクス達は話を聞いていたが、私とメナスが胸を揉まれた話になると…

 顔を真っ赤にして激怒していた。

 そしてドレクスは、気絶しているカルーセルの頭を爪先で小突いた。

 「パパ、コイツは…カーマイン家のカルーセルって言っていたんだけど、カーマイン家って聞き覚えある?」

 「は? カーマイン家は知っているが、こんな奴は知らんぞ?」

 「故郷の…私には聞き覚えがないんだけど?」

 「お前はまだ小さかったからな…、カーマイン家はママの実家で…コイツは親戚なんだろうけど?」

 「コイツは私と結婚話があるとか言われたけど?」

 ドレクスはまだ気絶しているカルーセルのサングラスを外して、顔を眺めていた。

 すると、フレクスがハッとした顔で思い出した。

 「コイツ、カールか!」

 「え? カールって…?」

 「カール…そういえば何処となく面影はあるな、ちょっと待ってろ‼︎」

 ドレクスは鞄を漁っていると、長い財布の様な小物入れを取り出した。

 そして1枚の写真を取り出すと、それをメナスに見せた…のだが?

 「コレがカールなのだが、メナスは覚えているか?」

 「何となく覚えはある…って、わっかるかぁ~~~‼︎」

 私も写真を見せて貰ってから、床に寝ているカルーセルを見るけど…確かにメナスが叫ぶ理由も納得した。

 コレが現在のカルーセルで…?

 


 これが昔の姿の写真のカールだった。

 


 確かに…これだと、カルーセルが名前を言ってもメナスが気付くはずはない。

 メナスだってうろ覚えだった位なのだから…

 そもそも写真と現物を見比べて、同一人物とは到底思えない。

 「それにしても、あれだけ騒いでいるのに起きないね?」

 私達はカルーセルを見ると、まだ気絶して…いや、瞼がピクピクと動いている。

 いつから意識が覚めているかは分からないけど、目の前にドレクスやフレクスやレドナースの強面の顔があれば…起きたくても起きられないのだろう。

 私はドレクスにブーツを脱ぐ様にお願いすると、そのブーツを受け取ってからカルーセルの鼻と口にブーツの穴で塞いだ。

 ドレクスの足は…ブーツを履いている時は分からないけど、脱ぐと相当臭う。

 メナスがドレクス達と部屋を別にし出した理由は、思春期からではなく…体臭が臭うということで部屋を分けているというのを以前聞いた事があった。

 なので…?

 カルーセルは飛び起きてから、近くにあったツボに思いっきり吐いた。

 「おえぇぇぇぇぇぇぇぇ…」

 「ファスティア…アレは拷問だぞ?」

 「だって、フレクスやレドナースは清潔そうだから…ブーツを借りてもそこまで臭わないと思って。」

 「俺は不潔だとでも言いたいのか⁉︎」

 ドレクスの言葉に対して、メナスとフレクスとレドナースは頷いた。

 その言葉にドレクスは落ち込んでみせた。

 「でも、取り敢えずは起きたんだから話を聞かないとね。」

 吐くものが無くなったカルーセルは、チラッとコチラを見るが…?

 ドレクス達の凄んだ強面の顔を見ると、すぐに視線を逸らせた。

 どうやらカルーセルも、メナスの事は覚えていても、ドレクス達の事は記憶には無いのかな?

 「おいカール、こっち向け!」

 ドレクスはそう言うと、カルーセルは恐る恐るこちらを向いた。

 そして震えながら土下座をした。

 「すいません、僕は金なんか大して持っていないんです! 許して下さい‼︎」

 「別にお前の金なんかに用はねぇ! それよりも話をしたいだけだ!」

 「そんな事を言って…痛め付けてから奴隷にでも売るつもりなんですよね⁉︎」

 「そんな気は無い! どうしてそんな話になっているんだ?」

 「だって…そんな人相の悪い顔が集まっていたら?」

 このままだと埒が開かないので、私はカルーセルに事情を説明した。

 するとカルーセルは、ドレクスを見て質問をした。

 「もしかして…ドレクス叔父さんですか?」

 「もしかしなくても俺は俺だ!」

 「だって、髪の毛がないじゃ無いですか! ピンク色のふわふわとした女性達が羨む髪だったのに…」

 その話を聞いて私は吹き出した。

 「アレは…故郷にいる時はそうしていただけで、他の土地に行くと威厳が無いから剃っただけだ‼︎」

 「まぁ、確かに威厳は無いわな。 他の冒険者達から色々と揶揄されていたしな…」

 「俺の髪はどうでも良い! それで、俺の娘にどうしてあんな真似をした⁉︎」

 「それは、メナスに僕が変わった事を伝える為に…」

 カルーセルは事情を説明した。

 故郷でカルーセルは、メナスにナヨナヨした女の子みたいだといつも言われていた。

 男なのだから、もう少し男らしく成りなさいと…

 「そして僕は男らしくなる為に、ステファニーさんと共に故郷を出て…メナス達を追い掛けたんです!」

 「はぁ~? なら、この街にあいつも居るのか⁉︎」

 「フレクス、ステファニーさんって?」

 「ステファニーはドレクスの妻だ。 戦闘力ならドレクスよりも上なんだよ。」

 「やはり…アレが原因か?」

 フレクスとレドナースは口を揃えて言った。

 私はドレクス達が故郷を出て冒険者として旅をしていると言う話は聞いていたけど、詳しい理由までは聞いてはいなかった。

 フレクスもレドナースも、ドレクスの前では気を使って話すには遠慮をしているみたいで…何かモヤモヤした。

 ドレクスは急に震え出した。

 そして…挙動不審な反応を示し出してから、急にこんな事を言い出した。

 「お前達、一刻も早くこの街から離れるぞ‼︎」

 「ママがいるんでしょ? 私は会いたいけど…」

 「いずれ会わせてやる…が、今はまだその時では無い! お前等は早く準備をしろ‼︎」

 そう言ってドレクスは、扉の方に近付いて行くと…?

 扉が破壊されて、ドレクスはそのまま吹っ飛んだ。

 「み~つけた~~~‼︎」

 「ギャァァァァァァァ‼︎」

 ドレクスから今迄に聞いた事が無い断末魔の様な叫び声が、宿中を駆け巡った。

 その声の主が部屋に入ってくるのだけれど…?

 ドレクスを見ると、青い顔をしてガタガタと震えていたのだった。

 本当に何があったんだろうか?
 
 メナスは嬉しそうな表情をしているのに…?

 一体…ドレクスは奥さんに対して何をしたんだろう?
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

【完結】この運命を受け入れましょうか

なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」  自らの夫であるルーク陛下の言葉。  それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。   「承知しました。受け入れましょう」  ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。  彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。  みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。  だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。  そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。  あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。  これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。  前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。  ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。     ◇◇◇◇◇  設定は甘め。  不安のない、さっくり読める物語を目指してます。  良ければ読んでくだされば、嬉しいです。

冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる

みおな
恋愛
聖女。 女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。 本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。 愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。 記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。

婚約破棄が私を笑顔にした

夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」 学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。 そこに聖女であるアメリアがやってくる。 フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。 彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。 短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。

【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜

くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。 味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。 ――けれど、彼らは知らなかった。 彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。 すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、 復讐ではなく「関わらない」という選択。 だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。

お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!

にのまえ
恋愛
 すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。  公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。  家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。  だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、  舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。

言いたいことはそれだけですか。では始めましょう

井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。 その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。 頭がお花畑の方々の発言が続きます。 すると、なぜが、私の名前が…… もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。 ついでに、独立宣言もしちゃいました。 主人公、めちゃくちゃ口悪いです。 成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。

醜貌の聖女と呼ばれ、婚約破棄されましたが、実は本物の聖女でした

きまま
恋愛
王国の夜会で、第一王子のレオンハルトから婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リリエル・アルヴァリア。 顔を銀の仮面で隠していることから『醜貌の聖女』と嘲られ、不要と切り捨てられた彼女は、そのまま王城を追われることになる。 しかし、その後に待ち受ける国の運命は滅亡へと向かっていた——

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

処理中です...