聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

アノマロカリス

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新天地の章

第八十八話

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 「まぁ、自然界では…よくある話よねぇ?」

 ツノの生えているクジラ……と言うのも何なので、イッカクとでも言っておきましょう。

 イッカクの話はこうです。

 イッカクの娘が、ダイオウイカに囚われているという話でした。

 それなら、ダイオウイカを倒して娘を助け出せば良いのではないかな?
 
 ……そう思ったのですが、イッカクの娘が攫われた場所はダイオウイカの棲家で、ダイオウイカとイッカクの娘の大きさなら、岩の隙間から入るそうなのですが……

 イッカクの大きな巨体では、ダイオウイカの棲家に突入するには狭過ぎるらしく…

 助けるのが困難で、途方に暮れている際に私と出会ったみたいです。

 「ダイオウイカ………ねぇ?」

 海の軟体生物のタコやイカは、まるで肉を食べている様な食感と香ばしい風味で、非常に美味だと聞いた事があった。

 イッカクの話を聞いていると、イッカクや娘を捌くのは可哀想……かも知れないけど、巨大なイカなら?

 脂身が少ないかも知れないけど、食べ応えがあるのなら…この際、イカでも良いか。

 …そう思って、私はイッカクの背に乗って、ダイオウイカの棲家に向かって行ったのでした。

 「ちょっと待って! 流石に海の中では、魔法で呼吸は出来るかも知れないけど…あまり長くは潜れないわよ。」

 《ダイオウイカの棲家は、海の浅瀬の岩場の隙間にあるのです。 なので、海の中では無い場所では、我にはどうしようもなくて…》

 確かに地上の岩場の隙間からとなると、巨体なイッカクでは手が出ないわよね?

 海の中じゃなければ、何とかなるかも……

 ………と、この時はそんな安易な事を考えていた物です。

 実際に目にしたダイオウイカの大きさが、イッカク以上の大きさじゃなければ…

 こんな巨大な大きさは、今迄に出会った事が無い大きさの海獣でした。

 どうやって立ち向かおうかしら…?
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