――では、ペン入れは1日何ページぐらいですか?
人物だけなら、だいたい5、6ページ、調子がいいと10ページいける時もあります。ただ、やはり背景とベタ、効果線なども合わせると10日ほどかかっているので、平均するとだいたい3ページくらいになるでしょうか。
――ベタと効果線は仕上げではなく、ペン入れ時に入れてしまうんですか?
はい、その方が臨場感と言うか緊張感と言うか、画面の雰囲気を掴みやすいんです。それとこの時に見開き単位で白黒のバランス配分も考え、仕上げのトーン貼り部分もある程度考えておきます。
――だから、仕上げの日数が1日から2日足らずだったのですね。驚異的な速さでびっくりしていたのですが。
もしベタと効果線を仕上げに含むとしたら、トーンと合わせて、おそらく仕上げ作業は5日くらいかかると思います。同じページを何度も行ったり来たりするのが面倒ですので、私にとっては、この作業を別でやるよりは、やはり一緒にやってしまった方が効率的ですね。
――あー、なるほど、行ったり来たりすることのロスを極力減らしているのですね。
ええ、面倒だからだったのですが、結果的に効率的になったようです(笑)。というか、むしろ面倒くさがり屋だったから、自分的最短ルートで仕事をしようとして各作業が早くなったと言えるかもしれません。
――面倒くさがりの方向性が、さぼる方向ではなく、よりよくしてやろうという方向性に向かっていったのが、良い結果を生んでいるようですね!
あ、確かに。絵を描くのが好きなので、その部分でさぼろうという考えは浮かびませんでした。どうしたら絵に集中できるか? そればかり考えていたので効率化が図れたのかも。あとは背景をどうにかできると、さらに効率があがるのですが。背景だけアシスタントさん雇いたい気分になる時もありますね。それで好きな人物部分をどんどん描くとかできたら、最高なんですが。
――アシスタントさんを入れたりすることは、考えてはいないのですか?
ずっと一人で描いてきましたが、たまにしんどいのでそろそろ誰か手伝ってくれる人探そうかなぁー、とか考えることもあります。人物部分は自分がペン入れしたいので、背景専門でお願いしたいですね。ただ、地方在住で来ていただくのは難しい。デジアシさんという手もあるのですが、私が描いて欲しいものの説明がきちんとできるか、そもそもデジタル作業自体にまだ自信がないという…(笑)。それと作画スピードに関しては、作家仲間から言われて気づいたのですが、私はかなり早いらしいんですよ。それで注意されるのが「仮に背景をアシスタントに依頼したとしても、自分の作業スピードの感覚で仕上がってくると思うな」ということです。自分の描き終わる時間は大体読めますが、人に頼むとなるとそこが予定通りにいかないこともあるんだなぁと考えると、なかなか踏み切れません。でも現状、「子供の看病で作業ができない=作業完全ストップ」という事もありえるので、アシスタントさんがいると何かしら進行できるっていうのは、担当さん的にも(笑)、助かりますよね?
――(笑)。でも、確かにアシスタントを雇うとなると説明するのもひと苦労になる場合がありますし、絵的な意味でも性格的な意味でも相性が合う合わないというのもありますしね。
まあ、もう少し一人で頑張って、いよいよこれは手が足りないとなった時に探そうと思います。その時はアドバイス&ご協力を仰ぐと思いますのでよろしくお願いいたします!
――わかりました、最大限ご協力いたしましょう。では、今回はこの辺で。次回は最終回、担当編集とのフリートークをお届けします。本音でお願いいたします(笑)
はい! 本音ですね(笑)。頑張ります!
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