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第4章 生贄
第9話
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「さっさと立ち去れ!お前の顔など見たくもない!」
鳳先生が苛立っている。
それとは逆によれたスーツの男性は落ち着いていて
やれやれと言った様子だ。
「やれやれ、おまえもいい年だろう?少し落ち着いたらどうだ?」
「お前が立ち去れば落ち着くんだよ!だからさっさと帰れよ!藤堂!!」
藤堂といわれた男の人は
人差し指であごをかきながら、さっきよりも大きなため息をついた。
「俺は白薔薇姫に用事があるんだよ。取り巻きと話がしたいわけじゃない?なあ白薔薇姫、俺と話をしてくれませんかね?」
前に立っているみんなを掻き分けるように私の前まで歩いてきた。
倫の体が更に震える。
私は大丈夫だよ、という気持ちを込めて倫の手を握った。
「珠姫!あいつに構うな!」
戒さんが私の肩を抱いて藤堂さんから引き離した。
その勢いで倫と手が放れてしまった。
「倫…!」
「大丈夫だ、オレがついている」
「オレもな」
蛍さんと蓮さんが倫のそばに立っていた。
震える倫をなだめるように蛍さんは背中を撫でていた。
「仲間が心配なのはわかるけどねぇ…今は俺との時間を大事にしてくれないか?白薔薇姫?」
「あ…」
藤堂さんと目が合った瞬間、
背中に悪寒が走った。
暑くもないのに汗が出る。
何この人…怖い!
体が動かない!
「珠姫に近寄るな!理事長がなんと言おうとオレらはお前の言うことなんかきかない!出て行け!二度と珠姫に近づくな!行くぞ珠姫!」
戒さんに引っ張られて
ようやく足を動かすことが出来た。
藤堂さんの姿を見ることが怖くて
一度も振り返ることなく
私達は蔵を後にした。
鳳先生が苛立っている。
それとは逆によれたスーツの男性は落ち着いていて
やれやれと言った様子だ。
「やれやれ、おまえもいい年だろう?少し落ち着いたらどうだ?」
「お前が立ち去れば落ち着くんだよ!だからさっさと帰れよ!藤堂!!」
藤堂といわれた男の人は
人差し指であごをかきながら、さっきよりも大きなため息をついた。
「俺は白薔薇姫に用事があるんだよ。取り巻きと話がしたいわけじゃない?なあ白薔薇姫、俺と話をしてくれませんかね?」
前に立っているみんなを掻き分けるように私の前まで歩いてきた。
倫の体が更に震える。
私は大丈夫だよ、という気持ちを込めて倫の手を握った。
「珠姫!あいつに構うな!」
戒さんが私の肩を抱いて藤堂さんから引き離した。
その勢いで倫と手が放れてしまった。
「倫…!」
「大丈夫だ、オレがついている」
「オレもな」
蛍さんと蓮さんが倫のそばに立っていた。
震える倫をなだめるように蛍さんは背中を撫でていた。
「仲間が心配なのはわかるけどねぇ…今は俺との時間を大事にしてくれないか?白薔薇姫?」
「あ…」
藤堂さんと目が合った瞬間、
背中に悪寒が走った。
暑くもないのに汗が出る。
何この人…怖い!
体が動かない!
「珠姫に近寄るな!理事長がなんと言おうとオレらはお前の言うことなんかきかない!出て行け!二度と珠姫に近づくな!行くぞ珠姫!」
戒さんに引っ張られて
ようやく足を動かすことが出来た。
藤堂さんの姿を見ることが怖くて
一度も振り返ることなく
私達は蔵を後にした。
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