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(1)人形娘と機械娘

011.疑似機械娘になる

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 わたしの身体は機械娘ショーツと呼ばれるスーツに覆われ、心地よい緊縛感に少し酔いしれていた。その時私は人形娘もこんなふうになるんだと思っていた。そう人形娘を性能の良い美少女着ぐるみみたいなものだと。

 「奈緒美さん。あなた最近自衛隊に導入されたパワードスーツ部隊をしっているよね」
 MIOは操作盤に何かを打ち込みながら聞いてきた。

 「はい、たしかパワードスーツは合衆国海兵隊が導入したのと同じものだと聞きましたよ。それがなにか?」

 「これから着用するのは、フル装備ならその部隊の装備品よりも高性能で、やろうと思えば倒すことができるわよ」

 「できる? なんで軍事用よりも優れているなんて言えるのよ、そんなことって?」

 「詳しいことはおいおい知ることになるわ。とりあえずあなたの身体を機械娘スーツで覆うから」

 MIOが決定キーを打ち込むと、狭い所に閉じ込められたわたしの身体の上に何本ものロボットアームが現れ、外骨格パーツがはめ込まれて行った。

 股間に押し当てられたものは、わたしの前後の穴から体内へプローグを挿入してきた! わたしは一体なんで? と思っているとMIOは説明してくれた。

 「いま気色悪いかもしれないけど、それはトイレに行かなくても大丈夫にするためよ。だって、そうでしょ機械に覆われたらいちいちトイレに行くのに行くのに脱ぐの大変でしょ」

 「そうなの? でもなんか気持ちいいわねえ、なんでえ? わたしって変かしら?」

 「それは当然の反応よ。そうそう人形娘に調整されるときはもっと気持ちいい想いをするからね。楽しみにしてくださいね」

 MIOと話をしている間にも、わたしの身体はロボットのようになっていた。御親切な事に目の前には大きな姿見がおかれていたので、変化がよくわかった。

 わたしの白い肌は黒いロボットのようになったと思うと、頭部にもかぶされてしまった。一瞬真っ暗になり口の中にマウスピースのようなものをはめられると、いきなり視界が開いた。そして全身に力がみなぎる様な感覚がした。

 「奈緒美さん。機械娘になった気分は? おっと、いまは普通にパワードスーツを着ているようなものだからね、まあ疑似機械娘だわねえ。あなたは体験できないけど機械娘になったらもっと気持ちいいと思うはずよ、いまのわたしのように」

 そういってMIOはわたしの身体を撫で始めた。そのとき、なぜか気持ちよかった。そう、このスーツは皮膚感覚を敏感にさせてくれた。
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