Retry 異世界生活記

ダース

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第2章.少年期

23.片鱗

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デランさんとレイビーさんのお店を後にした俺たちは
家に帰るべく、再びラバンの街を歩いていた。

う~む。さすが、中心街。賑やかだ。


「帰りにシュクルム菓子店に寄りましょ?」
母がそう言った。


お。そのお店の品は以前母がお土産に買ってきたことがあった。
シュクルムという、ふわふわの甘いクリームを薄い皮の生地で包んだお菓子だ。

・・・ジュル・・・。
よだれが出てしまう。
あれはとてもおいしかったのだ。

「寄りましょう!父様とうさま!」
シュクルムを食べたいので、父の呼び方も丁寧にしてみる。


「そうだな。ちょっと買って帰るか!」
父がそう言ったので

「やったぜ!」
ちょっと心の声が漏れた。


母がシュクルムを買いにシュクルム菓子店の中に入って行った。

なかなかな人気店なので、少し並んでおり、
父と俺と妹は外で待っていることにした。


暇なので、この賑やかな中心街をきょろきょろと見回してみる。





すると、一人の女性が目にとまった。

透き通るような綺麗な金髪、胸はそこまでではないが、ナイスなスレンダーの体型の女性だ。

なかなか美系だったので、
お?エルフ?とか思ったが耳は普通だったので、たぶん普通の人族だ。
美人な人だな~と見とれていた。

とりあえず、俺はこの女性をナイススレンダーと呼ぶことにした。
…心のなかで。



そんなことを考えながら、

ふと、思った。










この世界にブラジャーってあるのか・・・?



そう思った瞬間、
俺はこの世界に転生して6年も過ごしてきたのにも関わらず、なにか重大なことを見落としていた感覚に襲われた。





たしかに、俺が生まれてから母を見た時、そのようなものは装着していなかった。

今日、街中でも首元にブラ紐が見えたものはいなかった。


・・・高速で思考が頭の中を駆け巡る・・・








あのナイススレンダー・・・

・・・ノーブラではないのか・・・。





そんな考えが頭の中をよぎる。




ふつふつとなにかが湧き上がる。
・・・なにか興奮してきた。

今なら、何かが透けて見えるのではないだろうか。


そんな気がした。

俺はただその一心でナイススレンダーを見つめた。


「鑑定」








鑑定結果
妖狐ようこ






・・・妖狐ようこ族?

妖狐ようこ族とはたしか大型の狐型の魔物のはずだ。

しかし、このナイススレンダーは
しなやかボディ、
ちょっと華奢で守りたくなるような美人さんだ。

そういえば、強力な魔力を持つ魔物は、
その力で人々を惑わしたりすることがあると言っていた。

・・・もしかして、人に化けている・・・とか・・・?



しかし、それを聞くわけにもいかないので、
意味ありげに
「ほう・・・。」
とか言ってみた。


そんな事をしながら、
ナイススレンダーの鑑定結果に戸惑いつつ思案していると、母がシュクルムを買い終えて帰ってきた。

「さぁ!早く帰って食べましょ!」
そう言って俺の手を掴み家に向かって歩き出した。






その瞬間、俺のうしろから、

少し低い女性の声が聞こえた。












「  お ま え  の ぞ い た な ? 」














\ピコーン/
固有スキル
・鑑定Lv1→鑑定Lv2





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妖狐ようこ族:強力な魔力を持つ狐型の魔物。
過去の伝説的な戦いや災害の際に現れた言い伝えが残っているが、資料が少なく、詳細は不明。
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