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1章
11.魔獣狩り
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身体強化を身にまとった俺は再び魔獣と向き合う。俺が全力で逃げたのなら逃げ切ることは可能だろう。だがそこにいる二人には不可能だ。腰を抜かしているのもあるが、身体的な能力が奴に全体的に劣っているからだ。
だから見捨てるわけにはいかない。絶対に。
俺は一気に駆け込む。そして力をこめ剣を振りかざす。しかし奴の強靭な爪で防がれてしまった。
「くっ、これでも足りないか」そう。スピードが足りない。パワーが足りない。
いくらかつての勇者の力を持っているとしても制約が邪魔をし実力を発揮できない。かつてなら数秒で終わらすことのできた戦いも今ではそうはいかない。
この魔獣はかつての中級魔族と同等の力があるだろう。感覚はなまっているがそんな気がした。理性がないだけたちが悪い。
「おらぁ!このやろう!負けてたまるか!」何度も剣で切りつける。1回ほど腕に入ったが、傷一つできない。
「なんて固いんだよ……」
剣はぼろぼろで今にも折れそうだ。だがここで引き下がるわけにはいかなかった。だから俺は渾身の一刀を振り下ろした。
その剣は防がれることなく奴の頭に当たる。そのまま力いっぱい下までおろす。俺にはその時間が長く感じられた。
剣は頭に当たった瞬間に折れ、どこかへ飛んで行った。俺はここで確信した。もう終わりだと。
ここで彼女たちを守ることもかなわずに、悔いを残して死んでいくのだと。
俺が負けたせいで後ろにいた二人の命さえ奪ってしまうのだと。そんなの認められない!そんなことがあってはならない!死にたくない!彼女たちを守りたい!この命をすべて費やしてもいい。だから力が欲しい!
かつて魔王を滅ぼしたほどの力でなくていい。俺はどうなってもいい。こいつを消し去るだけの力が必要だ!
そのとき、俺の体が光りだした。青く淡く光る。
力が湧き出てくる。前世ほどの力ではないが、力を抑える栓が抜けたように、枷が外れたように一気に流れてくる。そうして一つ思い出した。忘れていることにすら気づかなかった聖剣の使い方。
「我・魔を打ち滅ぼさんとする者なり・我・汝の契約者なり・我・汝の枷を解き放たん・聖剣グラム!」
そう叫ぶと青く光る長い剣が目の前に降りてくる。
「ここからが本番だ!」
すかさず一閃、また一閃目に見えぬ速さで光る剣筋はいつだったか、師匠との決別の時の剣だろうか。
奴に動く隙すら与えずに切り刻んでいく。俺は仲間を助けるためには何でもする。かつて助けられなかったあいつら。だから二の舞にならないよう努力する。
魔獣が見る影もなくなった頃に俺は力尽きた。
だから見捨てるわけにはいかない。絶対に。
俺は一気に駆け込む。そして力をこめ剣を振りかざす。しかし奴の強靭な爪で防がれてしまった。
「くっ、これでも足りないか」そう。スピードが足りない。パワーが足りない。
いくらかつての勇者の力を持っているとしても制約が邪魔をし実力を発揮できない。かつてなら数秒で終わらすことのできた戦いも今ではそうはいかない。
この魔獣はかつての中級魔族と同等の力があるだろう。感覚はなまっているがそんな気がした。理性がないだけたちが悪い。
「おらぁ!このやろう!負けてたまるか!」何度も剣で切りつける。1回ほど腕に入ったが、傷一つできない。
「なんて固いんだよ……」
剣はぼろぼろで今にも折れそうだ。だがここで引き下がるわけにはいかなかった。だから俺は渾身の一刀を振り下ろした。
その剣は防がれることなく奴の頭に当たる。そのまま力いっぱい下までおろす。俺にはその時間が長く感じられた。
剣は頭に当たった瞬間に折れ、どこかへ飛んで行った。俺はここで確信した。もう終わりだと。
ここで彼女たちを守ることもかなわずに、悔いを残して死んでいくのだと。
俺が負けたせいで後ろにいた二人の命さえ奪ってしまうのだと。そんなの認められない!そんなことがあってはならない!死にたくない!彼女たちを守りたい!この命をすべて費やしてもいい。だから力が欲しい!
かつて魔王を滅ぼしたほどの力でなくていい。俺はどうなってもいい。こいつを消し去るだけの力が必要だ!
そのとき、俺の体が光りだした。青く淡く光る。
力が湧き出てくる。前世ほどの力ではないが、力を抑える栓が抜けたように、枷が外れたように一気に流れてくる。そうして一つ思い出した。忘れていることにすら気づかなかった聖剣の使い方。
「我・魔を打ち滅ぼさんとする者なり・我・汝の契約者なり・我・汝の枷を解き放たん・聖剣グラム!」
そう叫ぶと青く光る長い剣が目の前に降りてくる。
「ここからが本番だ!」
すかさず一閃、また一閃目に見えぬ速さで光る剣筋はいつだったか、師匠との決別の時の剣だろうか。
奴に動く隙すら与えずに切り刻んでいく。俺は仲間を助けるためには何でもする。かつて助けられなかったあいつら。だから二の舞にならないよう努力する。
魔獣が見る影もなくなった頃に俺は力尽きた。
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