神様につかれまして

ニコ

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倭の言い伝え

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帝都ヤマトの中央区から離れた山奥の小さな集落。

自然保護区─神束カミツカ

それが現代の倭に唯一残る、何百年も変わらぬ景色を残す場所。



そして、この集落で何より大切にされてきた言い伝え。


「100年使うと物にも御霊が宿る」



現代においてはただの言い伝えとして信じるものなど少ない。
祖父が生きていた頃、耳が痛くなるほど聞かされた。


当時の私も信じてなどいなかった。

しかし、その祖父の死をきっかけに彼らは現れた。



彼らは語る。
我々はこの地の付喪神。
領主を助け、導き、見守るものだと。
領主を裁き、正し、見届けるのだと。







 
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