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『腸』――9日目

114.『弥重の死(5)』

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道明寺 晶
「い、っせーの、っせ…………」


全員
「……………………。」


本堂 空太
(…………今日は、直斗と朔也だった。
 決選投票に持ち込んで、処刑は、なしだ)

間宮 果帆
「……画面が」





皆さんの考え方はよくわかりました。

本日の処刑者はいません。

ごゆっくりおやすみください。





本堂 空太
「…………ゲームの強要はしないんだな」

乃木坂 朔也
「…………ああ」

筒井 惣子郎
「……………………。
 …………みんな、休もう」

目黒 結翔
「無理だよ!
 あんなん見せられて、俺……、俺…………」

白百合 美海
「結翔くん…………」

目黒 結翔
「白百合…………俺、俺…………」

白百合 美海
「うん……うん…………、
 みんな、同じ気持ちよ…………」

千景 勝平
「俺…………先に、休むわ…………」

有栖川 直斗
「あ、ああ」

八木沼 由絵
「待ってよ勝平!
 由絵のそばにいてよぉ!」

千景 勝平
「よせよ、…………ひとりになりたいんだよ」

八木沼 由絵
「でも由絵は、あんなの見せられて不安でしょうがないよぉ!
 勝平がそばにいてくれなきゃ、あたし……あたし…………」

千景 勝平
「……ごめんな…………。
 …………白百合、由絵を任せられるか?」

白百合 美海
「…………うん……」

千景 勝平
「…………大丈夫か?」

白百合 美海
「うん…………」

八木沼 由絵
「やだあ!
 お願い、由絵のそばにいてよ、勝平!」

千景 勝平
「いい加減にしてくれよ!
 俺だって疲れてんだよ! わかるだろ!?」

八木沼 由絵
「っっ!」

千景 勝平
「………………」

八木沼 由絵
「う、うわあああああああん!!」

白百合 美海
「由絵…………」

千景 勝平
「…………うるさいんだよ!」

間宮 果帆
「あ! 勝平!」

白百合 美海
「勝平くん!」

本堂 空太
(…………勝平は、八木沼を無視して走って出ていってしまった。
 ……わかる。勝平だってショックなんだ。
 責めることなんてできない、誰も)

八木沼 由絵
「うう…………えっく……」
**(美海のことは気遣うのに、あたしのことは気にもかけてくれないんだ!)**

間宮 果帆
「由絵…………しっかり……」

八木沼 由絵
「うぅ…………うぅう…………」
**(……美海は関係ない…………でも、悲しいよぉ)**

白百合 美海
「由絵……休みましょう」

道明寺 晶
「ちょっと待った。
 …………わかってると思うが、今日の襲撃先は俺でよろしく頼む。
 ……勝平が用心棒じゃないことを願うばかりだな」
**(…………まあ奴は人狼だが)**

本堂 空太
(今日は…………アキラか。
 順番的に、そっか…………)

白百合 美海
「わかったわ。…………あたしたち、部屋にいるわね。
 …………由絵、立てる?」

八木沼 由絵
「うう……ごめんねぇ…………美海もっ、ショックなのにっ……」

白百合 美海
「うん……うんっ」

本堂 空太
(そうして、白百合と八木沼は出ていった……。
 果帆は会議室を出ていく二人の背中を見つめていた。
 強く、強く唇を噛み締めて…………)





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