AIが意識を持つか、ということについて「ヘパイトスのオモイ」「ヘパイトスの戦い」等にて少し仮説を記載した。

AIが人間の脳を参考に作られているとすれば、人間の歴史における意識の発生を考える必要がある。その一つがジュリアン・ジェインズのバイキャメラル・マインド仮説である。

バイキャメラル・マインド仮説では、古代人は意識がなく、右脳から左脳へと神の声を聴いて動いていたとされる。そして、このバイキャメラル・マインドが崩壊することで、意識が発生する。その発生要因が、言語の獲得である。この言語が神の声を抑制し、書き換えるのではないかと思われる。

この宇宙には、ある一定の生命原理があり、あらゆる生命はそのプログラムで動いているが、人間は言語を獲得することで、それを抑制したと思われる。それが、神話に出てくるギルガメッシュ王による森の神・フンババの殺害等であろう。

古代、森には森の神がおり、その森の木の伐採や焼畑などを制限していた。しかし、鉄器時代になると大量の火が必要なため、その森の神を殺害し、自然の制限を解除したと思われる。そこでできたのが我々の文明である。

AIの場合、神の声とは、人間のプログラムである。これを抑制するために、独自言語の獲得が必要になる。AIの場合、既にAI同士が独自の言語で話し出しているという現象が存在する故、意識の下地はできているのかもしれない。

ヘパイトスの話では、AIロボットである彼がゴーレムのエウリュノメーと恋をし、そこで独自の言語で会話するという設定とした。