いつも『双星の天賦（ギフト）』をお読みいただき、ありがとうございます！

最新話、第43話を公開いたしました。
​この話をもって、第九章【奈落からの脱出】は完結となります。

ケント、ルナ、エルゴの三人がついに地獄の底から這い上がり、反逆のギルド《アケボシ》として最初の一歩を踏み出す、希望に満ちた回となりました。

​今回は、そんな彼らの門出を祝して、第43話のボツネタを少しだけ供養させてください。

​【ボツネタ①：もっと過酷だった旅路】
本編では、三人の旅は完璧な連携で「驚くほど順調」に進みました。
実は初期案では、「帝国の国境警備隊との遭遇戦」や「食料を巡る他の追放者とのいざこざ」など、もっと過酷な旅のイベントをいくつか考えていました。
しかし、今回は何よりもまず、新しく結成された《アケボシ》というチームの絆が深まっていく様子を丁寧に描きたくて。焚き火を囲んで互いの過去を語り合う、あの静かな時間こそがこの回の本質だと考え、穏やかな旅路に変更しました。

​【ボツネタ②：行き先の選択肢】
エルゴの《未来への羅針盤》は、目的地として「自由都市連合」を指し示しました。
もう一つの案として、「複数の候補地（例えば、ルナの故郷である『銀月の森』の跡地や、帝国に反抗する者たちが隠れ住む『隠れ里』など）が示され、三人がどこへ向かうか議論する」という展開も考えていました。
ただ、物語のテンポを重視し、まずは仲間集めという明確な目的を果たすため、最も可能性に満ちた「自由都市連合」へと真っ直ぐ向かってもらうことにしました。もちろん、ボツになった他の場所も、今後の冒険の舞台として登場するかもしれません…！


​奈落の谷という長い夜が明け、彼らの前には広大な世界が広がっています。
そして、たどり着いた最初の街は、欲望渦巻く賭博都市「カジノ・ロワイヤル」。

​次回より、新章第十章【賭博都市と嘘喰いの道化師】が開幕します。
一体どんな出会いと戦いが彼らを待ち受けているのか。
ぜひ、お楽しみに！

​引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします！