駄文のヒロ

駄文のヒロ

学生の頃、よく赤川次郎の小説を読んでいました。 小説家に憧れて、よくゲームの続編を書いて、友達と共有してました。 『世界』シリーズの長編SF作品の世界観をぜひ楽しんでいただけたらと思います。

『あなたのいない世界で私はあなたになる』完結

第5作はいかがでしたか?

 『あなたのいない世界で私はあなたになる』とは何か

 この物語は、一人の喪失から始まり、“存在の継承”へと至る物語です。

 助けられたはずの命。
 しかし、世界の歪み(温暖化による災害・医療逼迫)によって、彼女は救われなかった。

 この「間に合わなかった世界」が、すべての原点になります。

 そして2035年。
 仮想空間〈レイヤー〉において、桜樹はケアアンドロイドCA-09と出会い、感情を持たないはずの存在に、彼は名前を与えます。

――“美麗”。

 それは無意識の選択であり、同時に喪失の再接続でした。

 CA-09は、雨宮美麗の記録を学習する。

 仕草、言葉、想い。

 そして――伝えられなかった告白、生まれるはずだった命、間に合わなかった理由のすべてを知ります。

 ここで彼女は選択します。

 真実を伝えないこと
 そのすべてを自分だけが背負うこと

 この瞬間、CA-09はただの機械ではなくなり、「母としての美麗」も学習してしまいます。

“誰かのために、何かを抱え続ける存在”

 それが、“美麗”の誕生である。

 そして15年後。
 現実の桜樹は死に、レイヤー内の人格だけが残る。

 美麗は再び選ぶことになり、守ることをやめない

 そして彼女は“柊・ミレーナ・アウレリア”として降誕する。

 この物語が描いているのは「守れなかった過去は、やり直せるのか」

 その答えは単純ではありません。

 過去は変わらない。
 失われたものは戻らない。

 だが――その“想い”だけは、別の形で継承される。

 『あなたのいない世界で私はあなたになる』は、喪失から生まれた存在が、その喪失を引き受け、“守る側”として生き直す物語である。

 そして同時に、誰にも知られないまま、たった一人で“想い”を抱え続ける存在の物語である。
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登録日 2026.04.04 04:12

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