菰野るり

菰野るり

京都市在住。市バスは206番と37番、地下鉄は烏丸線だけで生きていける。好きな作家は荻原規子さんと阿部智里さん。

榊原と久世の違い

月くんの乾きって何なんだろう。

貧乏なことそのものじゃない気がする。

欲しいって言えないこと。
嬉しいって言ったあと、恥ずかしくなること。

飲みたいのに、水くださいって言えない。

俺ら恋人だよね。
恋人ならもらっていいよね。



久世は再会してからずっと、同じコップで同じ水を一緒に飲んでるつもりだった。

でも久世には、帰れば蛇口がある。
月には、そのコップ1杯しかない。

じゃあそれ分け合うの平等ってちゃんちゃらおかしいんですよね。

それに久世自身が気づいてしまった。
月にも気づかせてしまった。

そもそもパンくれる人だから、最初から平等や対等じゃないんだよね。久世が上手に受け取りやすくしてただけでさ。

だから「貧乏ごっこ」が痛い。

久世は本当に月と同じ鍋を食べたかったし、同じ布団で寝たかったし、寒い部屋も楽しかった。

嘘じゃない。

でも久世は、嫌になったら帰れる。
月は帰れない。

榊原は謎の給水車で来る。

俺の水を飲め。

だから月は、水自体を怖がる。なんなんだこれは、プールかってなって、洪水に溺れそうになる。飲み水一杯でええんやで、榊原。

でも最初から対等じゃないから、あきらめがある。だから傷つくけど、心身ともに傷つくけど、最初から自分を下に置いて、倒錯したセックスで気持ちよくなれる。

久世は月の隣へ座って、同じコップから飲もうとした。だから月は安心した。一緒に生活を育んだ。

そのあとで、

久世には家に帰れば水がある
俺だけが、この一杯を失ったら終わる

しかも、コップ一杯で喜ぶのが普通じゃねえよって哀れまれていたと知った。気を遣われていた。

久世がそう思わせてくれていた。

立ち直れないやつだなー。

ところで、あの性癖の月くんが、負けたいですってならないのすごいなって思う。久世には生意気で可愛い。しかも、トラウマ発動しない。久世とだと積極的に性的冒険したがるのも、久世編を書いていて新鮮です。

うう、だからこそ

キラキラしたおめめで、クリスマス嬉しい。シチューおいしい。ケーキ嬉しい。毛布ふわふわ、あたたかい、一緒に使おう、そして初めてのちゃんとしたセックスさせたかったのに。

キャラクターが作者の考えた道筋にそわないのは、彼らが多分生きているからで、それは嬉しいです。

幸せになっておくれ!
どのルートにも愛を!
 
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登録日 2026.07.14 10:07

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